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2021年5月14日の日経概況

2021年5月14日の東京株式市場は4営業日ぶりに反発しました。
終値は前営業日比699円50銭(2.49%)安の2万7448円01銭でした。
米国市場が反発したことに加え、3営業日で2000円超を下落して
自律反発が出てもいいタイミングにあったことが上昇の要因です。
700円に迫る上昇幅で週間の取引を終えましたが、
下げ幅からみて、自律反発の範囲を抜け出してないので、
引き続き警戒は必要です。
本日も最後までしっかりお読み下さい。

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【米国市場の動向】

米国市場は4営業日ぶりに反発しました。
ダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発して、
前営業日比433ドル79セント(1.3%)高の3万4021ドル45セント、
ナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反発して
前営業日比93.307ポイント(0.7%)高の1万3124.988で取引を終えました。

4月の米卸売物価指数が市場予想を上回り、
インフレ加速が懸念されましたが、
前日の消費者物価指数(CPI)が市場予想以上に上昇して
すでに折込済みだとの見方で反発しました。

景気回復の期待から景気敏感株、消費財関連銘柄に
買いが集まり、金融の一角も買われました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が幅のある反発をしたことを
背景に買いが先行してスタートしました。
前日まで3営業日で2000円超を下落して

自律反発の買いも加わり、
上昇幅は700円に迫り、投資家心理の悪化を緩和しながら
この週の取引を終えました。

精密機器、金属製品、電気機器など
景気敏感、輸出関連業種に買いが入り、
その他金融業、保険などの金融の一部も買われました。

鉄鋼が下落率1位、非鉄金属に続き、
水産も下げました。

日経の日足は短い上髭を持つ陽線を形成しました。
前日の高値と安値を切り上げて、
形でも上昇、ただし実体は28,000円に跨った形で、
終値では上回っているものの、上に抜けきったとは言えない流れです。

前日の終値付近が昨年の12月29日から今年の1月7日に渡って
形成した短い持ち合いの上辺にあたり、
支えられるポイントであったことから、
本日はそこから跳ね上がったとみられます。

これで下落の流れが終わりかというと、
さらに怖いことは29,000付近まで戻る前に
デッドクロスした25日、75日移動平均線付近で
再び下にむかって下落をし始めることです。
まだ警戒が必要な時間帯が続きます。

東証1部の売買代金は概算で2兆8867億円、
売買高は12億6620万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1790、
値下がりは347銘柄、変わらずは55銘柄でした。
本日は値上がり銘柄が8割を占めました。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

週末14日の米国市場は
2営業日続伸しました。
ダウ工業株30種平均は2営業日続伸して、
前営業日比360ドル68セント(1.1%)高の3万4382ドル13セント、
ナスダック総合株価指数も大幅に2営業日続伸して
前営業日比304.990ポイント(2.3%)高の1万3429.978で取引を終えました。

シカゴ市場の日経先物は反発、
6月物が前日比610円高の2万8310円で取引を終えました。
14日の大取終値を270円上回り、
市場は持ち直しのサインを出してきました。

14日発表された米小売売上高が市場予想を下回り
市場の押し圧力となっていた長期金利が
下落したのが米国市場(株、先物を含め)を続伸させた要因となっています。

週間で大幅に下落した日経、
週の前半を支配していたのは「インフレ加速の懸念」
金利上昇、商品市場の高騰など
FRBがインフレはない、ないを繰り返したことが
裏目に出たことを受け、
市場は狼少年に対する信用を失い始めています。

さて、来週ですが、日本市場は一旦下落基調を止めて、
持ち合いの様子を見せると予想されます。
週後半に入って米国市場で起こったことは
過剰なインフレ懸念に対する警戒心。

卸売物価指数が市場予想を上回ったにもかかわらず、
前日のCPIで騒いだ分、落ち着きを取り戻した
一面を見せてくれました。

日本市場にはプラスですが、
インフレ関連、金利上昇関連ニュースはいつでも
市場を揺るがしかねる状況です。

決算は先週でピークを迎えて、
そろそろ本当に実力が問われる時期、
予定されている主要なイベントは
17日の4月工作機械受注、
会議では中国の4月鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資。

18日に1-3月期GDP速報値が発表されるので、
朝方はその結果に注目です。

以上のことを踏まえて、
インフレ懸念に強い業種を選定する必要が出てきました。
金曜日は下落率1位になりましたが、あえて鉄鋼には
注目する必要があります。

また、エネルギー関連、建機などの分野も
インフレ環境下では力を発揮しやすいので、
チェックしておきたい分野です。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,084.47 +636.46(2.32%)
ドル・円
109.35 – 109.37 -0.31(-0.28%)
ユーロ・円
132.80 – 132.85 +0.27(0.20%)
ユーロ・ドル
1.2141 – 1.2145 +0.0056(0.46%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,382.13 +360.68(1.06%)
S&P500種
4,173.85 +61.35(1.49%)
ナスダック
13,429.978 +304.990(2.32%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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