2021年6月3日の東京株式市場は2営業日続伸しました。
終値は前営業日比111円97銭(0.39%)高の2万9058円11銭でした。
米国市場が景気回復への期待で上昇、日本市場は前日までの上昇で、
利益確定の売りが先行してスタートしました。
下げる動きは直後に止まり、米国市場の上昇も折込ながら
3桁の上昇を確保、2万9000円にのせて終わりました。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸と反発で上昇しました。
ダウ工業株30種平均は5営業日続伸して、
前営業日比25ドル07セント(0.1%)高の3万4600ドル38セント、
ナスダック総合株価指数は小幅に反発して
前営業日比19.849ポイント(0.1%)高の1万3756.327で取引を終えました。
夏にかけて経済が正常化されるとの見方が継続、
景気回復時に注目されやすい
景気敏感銘柄、消費財関連セクターに買いが広がりました。
もっとも、最高値圏まで上昇してきたことから
積極的な買いは見られず、
利益確定を挟むことで上昇幅は限られました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日も上昇したことで
利益確定の売りが先行、安く寄り付きました。
下げ幅は大きくなく、直後に上昇に転じて
米国市場が小幅でありながら上昇したことも加わり、
3桁の上昇幅を確保して取引を終えました。
2万9,000円の節目では
今夜の景気指標発表に備えて売りが出て、
上昇幅が縮小されました。
食料品、水産などの内需が売られた前日から一転、
本日は上昇率1,2位を記録しました。
陸運業が前日に続き、強い動きで、
ゴム製品、医薬品、パルプなどもしっかり。
一方、海運業が連日の上昇から利益確定に押され、
非鉄金属、鉄鋼、ガラスなどの素材系にも売りが出ました。
日経の日足は上髭がつく陽線を形成しました。
前日の高値と安値を切り上げて、
形でも上昇になりましたが、
高値は75日移動平均線をタッチしたら、
レジスタンスに会い戻して終りました。
上昇したものの75日移動平均線がレジスタンスに
なっていることに変化はなく、
明日、本日の安値を割り込んで下げると、
2回目のレジスタンスになります。
安値が大きく切り下げている動きが見られていないので、
悲観的になる必要はありませんが、
来週にでも早期にこのレジスタンスを上に抜かないと、
力尽きて下に向かう可能性もあります。
東証1部の売買代金は概算で2兆6131億円、
売買高は10億9198万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1498、
値下がりは594、変わらずは101銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日のよるに注目を集めたのは
米国のベージュブック。
全米地区の景気が緩やかに拡大していることが
明らかになる内容で、
物価圧力が前回に比べてさらに上昇と
言及されているのが最もインパクトのある部分でした。
米国経済において最も大きなファクターは
・インフレ圧力
・長期金利
2つだと説明してきましたが、
この内容はインフレの加速を意味し、
FRBの考えをテーパリングに傾かせる可能性があるので、
市場の下げ要因となってもおかしくないところでした。
それでも、市場は微増、影響は限定的だというサインを出してきました。
もちろん、油断する場面ではありません。
本日のADP雇用リポート、明日の雇用統計の結果によっては
FRBの姿勢に影響する可能性が残されています。
米国の微妙な動きはその心理を反映したもので
日本市場には週明けにその結果が反映されることになります。
テクニカル的にも岐路に立つ今、
やはりポストコロナを見据えた銘柄選定を続ける方が得策でしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
29,058.11 +111.97(0.39%)
ドル・円
109.82 – 109.83 +0.05(0.04%)
ユーロ・円
133.78 – 133.79 -0.14(-0.10%)
ユーロ・ドル
1.2180 – 1.2181 -0.0020(-0.16%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,600.38 +25.07(0.07%)
S&P500種
4,208.12 +6.08(0.14%)
ナスダック
13,756.327 +19.849(0.14%)
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