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2021年6月4日:週末の投資戦略

2021年6月4日の東京株式市場は3営業日ぶりに反落しました。
終値は前営業日比116円59銭(0.40%)安の2万8941円52銭でした。
米国市場が好調な景気指標で長期金利が上昇、
ハイテク銘柄が売られてダウを圧迫、ナスダックも1%下落しました。
日本市場は米国市場の流れを引き継ぐと共に、
雇用統計発表に備えてのポジション調整で売りが進みましたが、
下げ幅も限定的で、持ち合いのまま今週の取引を終えました。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落して、
前営業日比23ドル34セント(0.1%)安の3万4577ドル04セント、
ナスダック総合株価指数は反落して
前営業日比141.820ポイント(1.0%)安の1万3614.507で取引を終えました。

注目されていたADP全米雇用リポートは、
市場予想を越える増加、週間の新規失業保険申請件数も減少、
ISMの景況感指数の好調な結果など、
景気の回復を裏付ける結果が続きました。

長期金利が上昇してハイテク関連が
売られた結果がダウを圧迫、
ナスダックは1%安と軟調な動きで終わりました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場がハイテク業種を中心に
下落したことを引き継ぎ、売りが先行してスタートしました。
前日まで上昇したことへの利益確定、

今夜予定されている雇用統計の発表に備えて
ポジションを調整するなどの動きで
売りが続きましたが、下げ幅は限定的。

国内でも新型コロナウィルスワクチンの接種が
拡大、景気回復への期待を膨らませるニュースが相次ぎ、
大きく売られる場面はありませんでした。

トヨタが連日の高値更新を続けた自動車部門が強く、
海運、鉄鋼などの景気敏感業種に加えて
陸運業、空運業などポストコロナ関連が買われました。

一方、サービス業、情報・通信業、電気・ガスが売られ、
その他金融業、証券などの金融関連、
不動産、非鉄金属、精密機器も下げました。

日経の日足は上下ひげを持つ短陽線を形成しました。
実体はほとんどなく前日の高値と安値を切り下げたので、
形でも下落にはなりましたが、
下げ幅は限られ、本格的な下げとは言えない、持ち合いの範囲でした。

5月28日に大きく上昇して
75日移動平均線まで一気に接近しましたが、
そのあとは横ばいになっている75、 25移動平均線の間に挟まれ、
この1週間は持ち合いになっています。

方向感がわからないと言う感想が多いですが、
現在の動きはわからないことが当然で、
75日線の上か25日線の下のほうに振れる
そっちに向かって強いトレンドが作られると
考えるて、その動きに従うと決めてください。

東証1部の売買代金は概算で2兆3678億円、
売買高は10億5682万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1052、
値上がりは1037、変わらずは104銘でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

|| 軟調だった週間の振り返り

9ヶ月連続の月末下げを記録した
5月31日の大幅安からスタートした今週、
方向感のない上下変動を繰り返して、
持ち合いを形成する中、軟調な動きで終わりました。

来週は翌週を見据えての動きで
方向感の定まらない中でも、
下がりにくい、上値を模索する動きが予想されます。

世界が注目しているのは15-16のFOMC、
好調な各種景気指標を受けて、
緩和縮小への歩みを強めるかが鍵を握ります。

|| FOMCの材料として注目された雇用統計
そのインプットとして注目されていたのが
4日夜発表された米国雇用統計。

結果は市場予想の67万1000人増加に対して
非農業部門雇用者数が前月比55万9000人増加。
4月の27万8000人増加からは大きく伸びましたが、
市場予想を下回る結果となりました。

|| 雇用統計の結果で米国市場は?
これを受けて週末の米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は反発して、
前営業日比179ドル35セント(0.5%)高の3万4756ドル39セント、
ナスダック総合株価指数も反発して
前営業日比199.982ポイント(1.5%)高の1万3814.489で取引を終えました。

雇用統計の結果を受けて、
金融緩和の縮小観測が後退、長期金利が低下しました。
長期金利の下落で物色されるのはハイテク関連、
アップル、マイクロソフト、テスラなど
ハイテクを代表する銘柄が軒並み大幅上昇しました。

米国市場の好調を受けてシカゴ市場の日本株先物は続伸、
前日比125円高の2万9120円で引けました。
OSE(大阪取引所)の終値も190円上回り、
米国株式市場の好調が日本株先物を連れて上昇したことになります。

|| 再び日本市場の展望に戻って、注目はTOPIXとアフターコロナ

先週は軟調な動きで終わった日経。
米国市場で金融緩和の縮小懸念が後退したことを考えると
下げにくい、好調なスタートを切る動きにはなりますが、
課題は継続する力。
国内の材料が不足する状況です。

日経の軟調とは別の顔を見せたのがTOPIX、
金曜日は0.03%と僅かではありますが、
上昇して今週を締めくくると共に
週間ベースでも上昇して終わりました。

時価総額をベースに算出されるTOPIXの特性上、
時価総額の大きいトヨタが連日の高値更新となっているのが
一つの要因ですが、アフターコロナを見据えて
景気敏感株を中心に幅広く買われているのも要因として考えられます。

2日前にはTOPIXの銘柄を中心に物色するように解説しましたが
来週もこの方針を継続するのがよいでしょう。
トヨタは高値圏にあるにせよ、自動車関連には継続して注目。
押し目を作ってくれると積極的な売買戦略を考えてよいでしょう。

|| 高値圏の業種にあえて注目する理由は?
外国人の動向に変化

注目するのは投資部門別売買状況の変化です。
5月28日時点では外国人が3798億円の買い越し、
3週間ぶりの買い越しで4月9日以来の大きさです。
外国人の買いが入ってくることは
高値を追っていく動きにつながるので、
買いタイミングを過ぎたと思っている景気敏感銘柄も
継続してフォローする必要があります。

||やはり長期金利の動向から目が離せない

警戒材料は米国長期金利の動向で、
1.55%まで下落した先週の動きから一転、
4日の雇用統計前は1.635%まで伸ばしてきました。

雇用統計の結果を受けて1.55%まで戻しましたが、
長期金利の動向に市場は敏感に反応するようになっています。
再度上昇して1.64%を越える時点から警戒心が強くなるので、
長期金利の動向は常に注目しておきたいです。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,941.52 -116.59(-0.40%)
ドル・円
110.17 – 110.18 +0.34(0.30%)
ユーロ・円
133.44 – 133.45 -0.34(-0.25%)
ユーロ・ドル
1.2111 – 1.2113 -0.0069(-0.56%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,577.04 -23.34(-0.06%)
S&P500種
4,192.85 -15.27(-0.36%)
ナスダック
13,614.507 -141.820(-1.03%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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