2021年6月8日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比55円68銭(0.19%)安の2万8963円56銭でした。
米国市場は雇用統計が市場予想を下回り、金融緩和の縮小懸念が
後退したことを受けて反発して終わりました。
日本市場はその流れを引き継ぎ、高く寄り付きましたが、
上値を追うような材料が不足、始値を割り込んで終わりました。
今後の投資戦略を含めて
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は反落と続伸、まちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比126ドル15セント(0.4%)安の3万4630ドル24セント、
ナスダック総合株価指数は続伸して
前営業日比67.232ポイント(0.5%)高の1万3881.721で取引を終えました。
朝方のダウは買いが先行し、
過去最高値を更新する場面もありました。
10日発表のCPIの結果を見極めたいとの心理で
ポジションの調整が進むと次第に売りが膨らみ、
上昇幅を打ち消して下落して終わりました。
ナスダックはエーザイとの共同開発で話題になった
バイオジェンが大きく躍進したことを受け、
小幅上昇しました。
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【日本市場の動向】
日本市場はナスダック市場が好調だったことを受け、
朝方は買いが先行してスタートしました。
上げ幅を120円まで拡大させましたが、
2万9000円を超えると利益確定が進み、
上昇幅をすべて返上、
小幅のマイナスに転じて終わりました。
FDAで認知症の治療薬候補が承認された
エーザイに買いが集まり、下値は固いままで、
他の医薬品株にも買いが波及しました。
本日も海運が上昇率1位をキープ、
エーザイが脚光を浴びた医薬品が2位、
電気・ガス業、空運業も好調でした。
パルプ、非鉄金属、化学、ゴム製品など
素材系が軒並み下落、
保険、証券などの金融の一角も売られました。
日経の日足は上下ひげを持つ陰線を形成しました。
前日の終値から高値と安値を切り下げて、
形でも下げになりましたが、下げ幅は大きくなく、
限定的な範囲にとどまりました。
高値は75日移動平均線付近まで進みましたが、
75日移動平均線、ボリンジャーバンドの+1σが
重なっているところでは抵抗に遭い、
上髭を残して終わりました。
前日説明した通り、
“明日の実体が本日の高値を超えて
75日線を明確に上回ると、3万円を視野に入れる
上昇トレンドに入ります。”このような動きにはならなかったので、
迷いの強い相場だと見られます。
東証1部の売買代金は概算で2兆1864億円、
売買高は9億2866万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は692、
値上がりは1399、変わらずは102銘でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
先週から今週にかけて、”今はTOPIXに注目”と
伝えてきました。
本日の動きも一目瞭然で、日経がマイナスの反面、
TOPIXで上昇して終わりました。
上昇幅は大したことないと評価されることも
あるでしょうが、5/10の高値を超えてきたのは
大きな意味のある動きです。
国内の材料が少ないので、
上値を追うような動きにはなりにくいというのも
解説しましたが、久しぶりに市場を盛り上げた
エーザイのストップ高は期待を持たせています。
エーザイのみならず、医薬品全般に買いが波及したので、
その脈略でヘルスケアー、介護などの領域にも
物色が広がるか、注目ポイントです。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,963.56 -55.68(-0.19%)
ドル・円
109.49 – 109.51 +0.07(0.06%)
ユーロ・円
133.22 – 133.27 +0.09(0.06%)
ユーロ・ドル
1.2167 – 1.2171 ±0.0000(0.00%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,630.24 -126.15(-0.36%)
S&P500種
4,226.52 -3.37(-0.07%)
ナスダック
13,881.721 +67.232(0.48%)
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