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2021年6月11日の日経概況

2021年6月11日の東京株式市場は小幅に反落しました。
終値は前営業日比9円83銭(0.03%)安の2万8948円73銭でした。
米国市場が景気回復への期待で上昇、
日本市場は上昇はしたものの明確な方向感のない動きに終始しました。
銘柄選定が難しくなる来週、投資戦略を含めて
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は4営業日ぶり反発して、
前営業日比19ドル10セント(0.1%)高の3万4466ドル24セント、
ナスダック総合株価指数は反発して
前営業日比108.583ポイント(0.8%)高の1万4020.333で取引を終えました。

5月のCPIは市場予想の4.7%に対して
5.0%の上昇、インフレ懸念でテーパリングに繋がり、
市場への影響が懸念されましたが、

金融緩和縮小に踏み切るほどの
レベルではないという見方が強く、上昇で取引を終えました。
上昇幅が300ドル近くになると
利益確定の売りが上値を抑えました。

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【日本市場の動向】

日本市場はエーザイをはじめとする
医薬品が市場をリード、
上昇する場面が多く見られましたが、
上昇幅には限界がありました。

週末で新たにポジションを動因は乏しく
来週のFOMCの結果を見極めたいとの心理も働き、
上昇幅はわずかなレベルに縮小され
今週の取引を終えました。

海運業が上昇率1位、
医薬品が2位で相場を牽引しました。
その他、電気・ガス、石油が買われ
情報通信業もしっかり。

銀行、保険などの金融系が下げ、
証券の一角も厳しい動きになりました。

日経の日足は下ひげの方が長い短陰線を形成しました。
前日の高値と安値を切り上げて、
形では上昇になりました。

高値ではボリンジャーバンドの+1σを超えて
勢いよく伸びると思わせる場面もありましたが、
75日移動平均線付近に行くと、

レジスタンスとして意識されて、
押し戻されて終りました。
来週のFOMC前まではこの動きが継続すると思われます。

週足では小幅上昇で引けましたが、
やはり陰線引け、26週移動平均線に支えられる動きが続きました。
週間でもやはり迷い、来週以降のトレンド形成があるか確認します。

SQの算出日に伴い売買は増加、
東証1部の売買代金は概算で2兆9082億円、
売買高は12億2115万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1363、
値上がりは709、変わらずは121銘柄でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

|| 一進一退の先週
1週間終わりました。
今週は一進一退の横ばいで、
変動幅は窮屈と感じるほど小さく、
上値と下値に挟まれてどこにも行けないような状態で推移しました。

先週末の解説ですでに予告はしたものの、
予告は予告、本番は本番、
多くの投資家が退屈さに悩まされたのではないでしょうか。

|| 週末の米国市場は上昇するも方向感なし
週末の米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は小幅に続伸して、
前営業日比13ドル36セント高の3万4479ドル60セント、
ナスダック総合株価指数も続伸して
前営業日比49.090ポイント(0.4%)高の1万4069.423で取引を終えました。

あげるのも下げるのも景気敏感、消費財関連銘柄でした。
特別な材料がない中、コロナワクチンの普及で
投資家心理は強気でしたが、

最高値圏にある株価への警戒感と来週のFOMCに備えて
利益を確定しておく動きが出て、
マイナスに沈む場面もありました。

シカゴ日本株先物は方向感の欠ける
株式市場の動きとリンク、
やはり方向感の定まらない範囲で上昇しました。
9月物が前日比60円高の2万9000円、
11日の大取終値に対しては120円上回り終わりました。

|| 来週は中央銀行関連イベントが盛り沢山
世界が注目する「中央銀行祭り」が来週待ち構えているので、
様子見が続くのは仕方がないことですが、
下値が固いというのが癒しの材料といえるでしょう。

主要なイベントからチェックしてみましょう。
15-16は米国のFOMC、
17-18は日本の日銀金融政策決定会合。

FOMCにおいては量的緩和縮小が
言及されるかが注目されます。
大事なインプットとなるCPIが量的緩和縮小にまで
つながるレベルではないとの見方で市場は上昇しましので
その雰囲気を引き継ぎ、波乱なくパスすれば、
ポジティブな動きにつながると予想されます。

|| 今回は日銀金融政策決定会合の方に注目
焦点になるのは、いつもはそこまで注目されない
日銀金融政策決定会合。
焦点になる理由は4月から日銀の動きに明らかに変化が現れているからです。
4月以降、日銀のETF買いは激減といえる水準まで減少、
金融政策の見直しを匂わせているのが気になるポイントです。

黒田総裁のインタビューが金曜日の夕方なので、
そこまで市場が積極的に動くのは難しい、
よって一進一退の動きは続くと予想します。

最良のシナリオとして、両方のイベントを波乱なく
通過する場合は日本市場にも上値を模索しにいく
動きが現れるでしょう。
しかし、それも翌週のことになるでしょう。

|| 銘柄の選定はアフターコロナにテーマを絡める
この状況を踏まえて、難しくなるのが銘柄の選定ですが、
持ち合い相場ではやはり定番への戻りが一番。
旬なテーマに加えて、アフターコロナの領域に継続して注目です。

旬なテーマはエーザイで盛り上がりをみせる医薬品、
加えて、マザーズの好調ぶりが目を引くので、
医薬、創薬、バイオベンチャー系に引き続き注目しましょう。

ただし、アフターコロナの中で
JAL<9201>, ANA<9202>は前回の高値をタッチしてから
反対方向に判定しているので、
高値警戒による急落、急騰など
変動性の高まりに警戒が必要です。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,948.73 -9.83(-0.03%)
ドル・円
109.53 – 109.55 -0.01(0.00%)
ユーロ・円
133.26 – 133.27 +0.06(0.04%)
ユーロ・ドル
1.2164 – 1.2166 +0.0004(0.03%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,466.24 +19.10(0.05%)
S&P500種
4,239.18 +19.63(0.46%)
ナスダック
14,020.333 +108.583(0.78%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。

http://www.tbladvisory.com/topics/

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