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2021年6月18日の日経概況:週末の市況及び投資戦略

2021年6月18日の東京株式市場は3営業日続落しました。
終値は前営業日比54円25銭(0.19%)安の2万8964円08銭でした。
米国市場はFOMCの結果が引き続き投資家心理を圧迫、
ダウが下落しましたが、長期金利の下落でハイテク関連が物色されました。
日本市場は買いが先行してスタートしましたが、
米国市場同様、景気敏感セクターが売られ、続落で今週の取引を終えました。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は続落と反発のまちまちな動きでした。
ダウ工業株30種平均は4営業日続落して、
前営業日比210ドル22セント(0.6%)安の3万3823ドル45セント、
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発して
前営業日比121.666ポイント(0.9%)高の1万4161.350で取引を終えました。

FOMCの結果を反映して、投資家心理を
わかりやすく表現する相場でした。
景気回復、インフレを想定して買われていた
素材系、景気敏感株が売られることで
ダウ指数は4営業日続落に陥りました。

一方、インフレ懸念後退で長期金利が下落、
金利下落で物色されやすいハイテク関連には
買いが集まり、ナスダック指数は上昇しました。

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【日本市場の動向】

日本市場は迷いながらも
米国市場の流れを踏襲する流れとなりました。
朝方は買いが先行して上昇でスタート、

相場の中では上昇する場面が目立ちましたが、
次第に米国市場同様、景気敏感銘柄への売りが広がり
マイナスに沈んで今週の取引を終えました。

日銀の金融政策決定会合は、金融緩和の維持との
市場予想通りで、大きな材料にはならず、
「無事通過」のラベルを得て終了しました。

利益がのっていた海運業が大きく利益確定に押され、
鉄鋼、非鉄金属、ガラス、機械など
景気敏感セクターに売りが進みました。

銀央、証券、保険など金融前半もさえない動きで、
精密機器、その他製品、電気機器、電気・ガスの
4業種のみが上昇しました。

日経の日足はひげがほとんどない陰線を形成しました。
前日の高値は切り下げ、安値は切り上げているので、
形では持ち合いです。

75日移動平均線を挟んで実体を作っているのは
前日と変わっていません。
前日は「本日の安値を割り込んで25日移動平均線に接近する場合は、
直近2日の75日前超えは
ダマシで終わる可能性もあります。」と解説

安値を割り込んでないので、まだダマシでおわってはいませんが、
上昇もしてないことから、
確認は来週に持ち越されます。

商いは5月27日以来の高水準で3兆円超え、
東証1部の売買代金は概算で3兆5356億円、
売買高は15億1255万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1570、
値上がりは540銘柄、変わらずは83銘柄でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

波乱万丈な1週間が終わりました。
そもそも、相場において、波乱万丈ではない1週間を
探す方が難しいですが、
先週までのちまちまとした動きから、

今週は逆V字言っていいほど
暴騰、ギャップ明けのダウンと
激しい動きとなったので、体感はより強くなったことでしょう。

|| 実は下げトレンド準備から抜け出せてないチャート
懸念するところはテクニカル分析の部分です。
6月15日に大きく上昇して
75日移動平均線を超えましたが、
前回5月10日の高値を超えることができず、

木曜日6月17日に作った安値を下に割ると
実際は高値の切り下げ継続で、
下げトレンド進行中に戻ります。

この流れで大事なのはやはり5月10日の高値で、
ここを超えてくることによって下げトレンドが
転換したと言えます。

|| 変調が見られる米国市場、長期金利
週末の米国市場は大幅に続落と反落で下落しました。
ダウ工業株30種平均は5営業日続落して、
前営業日比533ドル37セント(1.6%)安の3万3290ドル08セント、
ナスダック総合株価指数は反落して
前営業日比130.974ポイント(0.9%)安の1万4030.376で取引を終えました。

セントルイス連銀総裁の発言が
市場を揺るがしました。
FOMCの結果、23年の利上げ開始と予想していた市場に対して、
22年にも開始されるとの見解を述べ、
市場心理が悪化しました。

市場の懸念材料だった長期金利(米10年物国債)は
債券価格が上昇したことで利回りが1.4%台まで落ち込み、
変調がみられています。

上記の状況を踏まえて、恐怖指数と呼ばれるVIX指数が上昇、
一時は21.04まで進み、市場の不安心理が
高まっていることを示しています。

|| 為替の動きにも注目
米国の長期金利に変調が見られるところで、
注目するのはドル・円のレート。
4月23日の1ドル=107.476円を底にして
6月16日の1ドル=110.7円台まで一気に
円安が進んできました。

前日より急速な円高の進行で110円が
支えになっているところですが、
ここを破って円高傾向が続く場合は、
日本株への下押し圧力は一層強くなります。

|| 過去から学ぶ為替と株式市場
前回の高値を記録した3月31日からの動きを参考にすると、
110.996円まで進んでから急速に切り替え、
4月23日まで円高の進行、
それに伴い、日本株は4月5日より5月14日まで
一ヶ月以上の下げを経験したことがあります。

4月5日といえば、3万100円台まで一気に進んで
お祭り騒ぎになった日で、
ここから2万7500円割れまで進むとは
誰も予想しませんでした。

もちろんここから同じパターンになるとは限りませんが、
少なくとも過去から学ぶことはあるので、
十分警戒しておく必要はあるでしょう。

||来週は持ち合いが、中・長期の視点を持つように

米国市場の下落を受けて、
シカゴ市場における日経の先物は続落。
9月物は前日比610円安の2万8515円、
18日に終わった大阪の終値を415円下回りました。

さて、上記の状況を踏まえて
来週の株式市場は、先週から変わらず
「一進一退の持ち合いで下値を模索」と予想します。
そもそもスタートは米国市場の状況から、
売り先行のスタートが予想されます。

国内の材料が不足する中、FOMCの結果は継続して反映され
景気敏感株、バリュー系の株は難航、
金曜日に見られたグロース系株への物色が
当分続くことでしょう。

また、今週1週間の動きをみると、
半導体、パワー半導体、半導体製造措置など
半導体関連テーマが相変わらず関心を集めています。

テーパリングも結局は景気回復があってこそのこと。
中・長期的にはポジティブな方向に変わっていくので、
これらの分野もしっかりチェックしておきましょう。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,964.08 -54.25(-0.19%)
ドル・円
110.08 – 110.10 -0.51(-0.46%)
ユーロ・円
130.99 – 131.01 -1.21(-0.91%)
ユーロ・ドル
1.1898 – 1.1900 -0.0056(-0.46%)
NYダウ工業株30種(ドル)
33,823.45 -210.22(-0.61%)
S&P500種
4,221.86 -1.84(-0.04%)
ナスダック
14,161.350 +121.666(0.86%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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