2021年7月2日の東京株式市場は5営業日ぶりに反発しました。
終値は前営業日比76円24銭(0.27%)高の2万8783円28銭でした。
木曜日に上昇した米国市場は雇用統計が市場予想を上回りましたが、
テーパリングが早まるほどの水準ではないとの判断で金曜日にも上昇しました。
日本市場はその流れを引き継ぎ買いが先行してスタート、
3桁の上昇幅まで進みましたが、雇用統計を前にしてポジションを
整理する売買が膨らみ、2桁の上昇で取引を終えました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸と反発で、上昇しました。
ダウ工業株30種平均は3営業日続伸して、
前営業日比131ドル02セント(0.4%)高の3万4633ドル53セント、
ナスダック総合株価指数は小幅に反発して
前営業日比18.423ポイント(0.1%)高の1万4522.376で取引を終えました。
S&P500種株価指数も6日続伸、
前日比22.44ポイント(0.5%)高の4319.94で引け、
最高値を連日で更新しました。
景気回復への期待が進んで上昇しましたが、
ハイテク関連銘柄にはまちまちな動きがみられ、
ナスダック指数の上昇は限定的でした。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が上昇したことを好感して
買いが先行してスタートしました。
今週中は下げが目立ち、
押し目買いのチャンスだと思った買いも入って、
プラス幅を維持して今週の取引を終えました。
上昇幅が100円を超え、3桁上昇まで進みましたが、
本日予定されている
雇用統計の結果を見極めたいとの心理で
上値は重く、3桁を割って終わりました。
小売業、医薬品を除いた31業種が上昇、
また医薬品業界は下落ではなく、横ばいなので、
実質的に下落業種は1、
ゴム製品、鉱業、パルプ・紙などの
景気敏感・素材系に加えて
円安の恩恵で自動車業種も上昇しました。
日経の日足は上髭を持つ短陽線を形成しました。
前日より高値と安値は切り上げましたが、
小幅に止まり、本格的なトレンド転換というより
横幅の範囲内という形です。
持ち合いが煮詰まってきたので、
本日の指標結果を受けて、
どちらかに振れることで方向感が出てくるでしょう。
週足でも4/23週に13週移動平均線を割り込んでから
その値を挟んでの動きが継続、
範囲が狭まっています。
方向感が出る時にはためていたエネルギーを爆発させるので、
急激な動きに備えておきましょう。
商いは2兆円を回復しましたが、
低調ぶりは変わっておりません。
東証1部の売買代金は概算で2兆733億円、
売買高は9億455万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1773、
値下がりは346、変わらずは73でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
5日ぶりに反発して今週の取引を終えました。
S&P500が連日の高値更新、ダウも最高値に接近という
外部環境から考えると、日本市場は不思議なほど
恵まれない不調な1週間でした。
|| 米国市場の堅調な動きが語ること
週末金曜日の米国市場は上昇しました。
ダウ工業株30種平均は4営業日続伸して、
前営業日比152ドル82セント(0.4%)高の3万4786ドル35セント、
ナスダック総合株価指数は続伸して
前営業日比116.949ポイント(0.8%)高の1万4639.325で取引を終えました。
注目を集めていた雇用統計は70万6000人増の
市場予想に対して85万人増で、
テーパリングを懸念させる「予想以上」でしたが、
市場はむしろテーパリングを早めるほどの内容ではないと
受け止めたようで、ダウは2ヶ月ぶりに最高値を更新しました。
長期金利が1.4%台に落ち着いてきたことを受け、
ハイテク関連にも買いが集まり、ナスダックが上昇しました。
来週は決算発表が注目されるイベントですが、
海外・日本とも注目度の大きな経済指標の発表はありません。
6日に発表される米国の6月ISM非製造業指数、
9日発表の中国6月生産者物価指数、6月消費者物価指数くらいが
注目されるものです。
9日の指標に加えて、安川電機の決算が注目されます。
その他、8日の7&I、ローソン、
9日のビックカメラ、ライフコーポなど小売の動向も
景気の先行きを読むのに必要な材料で目が離せません。
シカゴ市場で、2日の日経平均先物は小幅に下落、
9月物は前日比10円安の2万8775円、
大取終値を15円上回りました。
|| 為替の動向が気になる
2日の為替市場でドル・円相場は
急激な円高が進み、
55銭円高・ドル安の1ドル=110円95銭~111円05銭で
取引を終えました。
対ユーロでも40銭高を記録する131円80銭と
132円台に接近、
円高リスクが意識されますが
これが当分の基調として固まるのかは
来週までの動向で見極めが必要でしょう。
上記のことを踏まえて、来週の株式市場は
下値が硬い中で横ばいになると予想します。
雇用統計の結果を受けて米国市場が上昇した分、
日本市場にも期待がかかる側面はありますが、
変動性の高まった為替市場の状況が
外需・輸出関連部門の動きに不安定さをもたらすことが考えられます。
米国市場の上昇でも日経225先物が
目だたない動きになったのはそれを語っています。
日本の市場を圧迫しているのは外部環境ではなく、
再拡大している新型コロナの感染者数、
それに対して信頼できる対策を実施できない政府の無能ぶり、
そこにオリンピックによる感染の爆発懸念が重なり、
中々ポジティブな材料を見出せない内部要因です。
オリンピックが近づくに連れて
市場の先行き不透明さが増幅されるので、
空売りの銘柄を選別するのが
当分は得策だと考えています。
買いの物色は持ち合いが煮詰まってきた
機械、水産・農林業の方に目を向けてみましょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,783.28 +76.24(0.27%)
ドル・円
111.42 – 111.43 +0.15(0.13%)
ユーロ・円
131.77 – 131.82 -0.05(-0.03%)
ユーロ・ドル
1.1828 – 1.1830 -0.0019(-0.16%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,633.53 +131.02(0.37%)
S&P500種
4,319.94 +22.44(0.52%)
ナスダック
14,522.376 +18.423(0.12%)
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