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2021年7月9日の日経概況:週末の市況と投資戦略

【市場総括】

7月9日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比177円61銭(0.63%)安の2万7940円42銭でした。
5月17日以来、1か月半ぶりに節目となる2万8000円を割りました。
米国市場が景気の先行きに対する懸念から反落、
日本市場はその流れを引き継ぎました。
下げ幅を700円近くまで拡大してから下げ渋りましたが、
節目の2万8000円は回復できませんでした。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比259ドル86セント(0.7%)安の3万4421ドル93セント、
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落して
前営業日比105.278ポイント(0.7%)安の1万4559.785で取引を終えました。

日本で緊急事態宣言が4度目の発令となり、
世界的にも新型コロナウィルスの感染者数が拡大することを背景に
投資家心理が悪化しました。
朝方は下げ方がきつく536ドルまで下げ幅を
拡大する場面もありましたが、
景気回復への期待は根強く、下げ渋って取引を終えました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が下げた流れを引き継ぎ、
大きく売りが先行してスタートしました。
寄り付きからすでに28,000円を割り込み、

下げ幅を700円近くまで拡大しましたが、
午後に入って日銀のETF買いが入ったとの観測が広がり、
下げ渋って今週と取引を終えました。

前日は鉱業の下げが厳しく、本日は上昇率1位に出るなど
変動性が高まっています。
空運、陸運も上昇率トップ3に踊りでて、
証券、その他金融なども売られ過ぎから買い戻しが入りました。

一方、機械、ゴム製品、海運など
景気敏感セクターが売られ、
不動産、倉庫・運輸関連業など内需の一角にも売りが入りました。

日経の日足は下ひげの方が長い陽線を形成しました。
200日移動平均線が意識され、
安値で一時的に割り込みましたが、
戻して下ヒゲを残しながら終りました。

陽線ではありますが前日の終値から下放れしてスタート、
前日の終値までは届かず
下向けのギャップをあけました。

支えになってくれることが期待されていた
安値2つを一気に割り込んで流れは著しく悪化しましたが、
200日線をタッチして戻ったのが
一時的な支えになってくれるのかを来週確認します。

売買代金が膨らみ3兆円を超えました。
東証1部の売買代金は概算で3兆3239億円、
売買高は14億2564万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1175、
値上がりは907、変わらずは110銘柄でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

“休業要請に応じない飲食店の情報を金融機関に提供する”
耳を疑うようなニュースが続く昨今ですが、
さらに上をいく強者がいました。

どこか暴力団の発言ではなく、
一国の大臣、しかも” 再生相”の口から出たということがさらに驚き。
「大量の空売り」という戦略は間違ってなかった
ことを確かめてしまう悲しい材料となりました。

” 再生相”の正式名称は「経済財政・再生相」。
苦しんでいる飲食業界の国民を脅すことで
果たして経済は再生されるのか?
財政は再生されるのか?
夥しい疑問を抱き、空売り戦略を継続と言いたいところですが、

ここは少し視点を入れ替えてみましょう。
ここまで来たら、怒る気力もないと感じる投資家も多いはず。
ちょっとしたことには動じなくなっている自分を発見できます。
つまり、よくも悪くも悪材料への耐性ができてしまっている。

驚くことに日経ジャスダック平均、東証2部、
JASDAQ指数、マザーズ指数はすべて上昇しています。
これは個人投資家が耐性を持ち、
物色に回り始めていると解釈していい場面でしょう。

下げがキツかった分、ファンダメンタルに比べて
売られすぎた銘柄、つまりバリュー株にうまみがあるので、
買いを考える場合は週末の間に選定を。

空売りで保持している分は
いつ戻ってもいいように利益確定の逆指値注文を
必ず設定しておきましょう。

週末の金曜日、米国市場は大幅に反発しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に反発して、
前営業日比448ドル23セント(1.3%)高の3万4870ドル16セント、
ナスダック総合株価指数は反発して
前営業日比142.134ポイント(1.0%)高の1万4701.919で取引を終えました。

S&P500種株価指数も前日比48.73ポイント(1.1%)高の4369.55で
ナスダック指数と共に過去最高値を更新しました。
前日の市場を抑えた長期金利の動向が上向いたことで、
市場を浮上させました。

長期金利の動向と共に
米国経済は景気正常化への期待が根強く、
景気敏感銘柄を中心に買いが入りました。

米国市場の上昇を受け、シカゴ市場における日経平均先物は反発、
9月物が前日比790円高の2万8535円、
9日の大取終値を325円上回って引けました。

この状況からも来週は上昇スタートになると予想することができます。
上昇の継続性はオリンピック、コロナ感染者数などの
ファンダメンタル的な要素に依存します。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,940.42 -177.61(-0.63%)
ドル・円
110.01 – 110.03 +0.23(0.20%)
ユーロ・円
130.26 – 130.28 +0.50(0.38%)
ユーロ・ドル
1.1839 – 1.1841 +0.0019(0.16%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,421.93 -259.86(-0.74%)
S&P500種
4,320.82 -37.31(-0.85%)
ナスダック
14,559.785 -105.278(-0.71%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。

http://www.tbladvisory.com/topics/

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