2021年7月30日の東京株式市場は大幅に続落しました。
終値は前営業日比498円83銭(1.80%)安の2万7283円59銭でした。
2021年入って1月6日以来の安値まで下落しました。
米国市場はFOMCの後に行われたパウエル議長の会見を反映して上昇、
日本市場はその流れを引き継ぐことができませんでした。
決算相場となる来週は神経質な動きが予想されるので、
銘柄選定に充てる1週間になりそうです。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は反発と続伸で上昇しました。
ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発して、
前営業日比153ドル60セント(0.4%)高の3万5084ドル53セント、
ナスダック総合株価指数は小幅に続伸して、
前日比15.680ポイント(0.1%)高の1万4778.264で取引を終えました。
FOMCの後に行われたパウエル議長の会見で
テーパリングの懸念を後退させる
発言が出たことを好感して買いが広がりました。
もう一つの注目材料、GDP速報(4-6月)は
市場予想を下回りましたが、金融緩和が継続するという
思惑で直近押され気味だった景気敏感セクターを
中心に買いが入りました。
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【日本市場の動向】
日本市場はコロナ関連で下げ幅を拡大しました。
コロナの新規感染者数が1万人を超え、
首都圏3県、大阪府などを対象地域とする
緊急事態宣言が発表される見通しになったことが嫌気されました。
東京都、沖縄県は31日まで延長される見込み(夕方には確定済み)で、
景気回復が遠のくことが
現実味を増してきて、下げ幅は500円を超える場面もありました。
商船三井、日本郵船などが大幅に上昇した海運業が上昇率1位、
2位のゴム製品を含め、2業種のみが上昇しました。
医薬品、その他製品、情報・通信業の下げがきつく、
建設業、ガラス・土石製品も売られました。
日経の日足は短い上下髭を持つ陰線を形成しました。
実体は前日の実体から下離れして、
幅は小さいですが、下向けのギャップをあけました。
7/26,27の高値が高値の切り下げとなり、
下げが加速する流れだという予測が顕在化しました。
1月4-6の価格にタッチしたところで止まったので、
ここで支えられないと、下げはさらに加速します。
下げ止まりの目安は2020年12/22の安値付近で
そのポイントも下に抜けると26,000円までもが
視野に入ります。
東証1部の売買代金は概算で2兆8469億円、
売買高は12億3671万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1875、
値上がりは275、変わらずは40銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
今週の日本市場は軟調で終わりました。
7/20で反発してから、27,300円付近は
支えになってくれることが期待されていた水準です。
本日の下げで27,283円と27,300円にまたがっている格好ですが、
ここからの反発が来週から果たしてあるのか。
注目が集まります。
本日で1月6日以来の安値になったので、
1月4日からの上昇幅をすべて返上したことになります。
それだけ支えになってほしいと思う投資家が多い価格帯ですが、
その分、割り込んだ場合の下げはモメンタムがついて
早まる可能性が高くなっています。
週末金曜日の米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比149ドル06セント(0.4%)安の3万4935ドル47セント、
ナスダック総合株価指数も反落して、
前日比105.586ポイント(0.7%)安の1万4672.678で取引を終えました。
2021年4~6月期の決算を発表したアマゾン、
市場予想を下回る売上高となったことが明らかになり、
7~9月期の業績も成長率が低下するとの見通しが示されると、
8%を超える下落率で、市場全体を押さえ込みました。
半導体関連企業が下げてナスダックは幅のある下落となりましたが、
月間では168ポイント(1.2%)高で2ヶ月連続の上昇を記録しました。
|| 国内の市場予想
来週の国内市場、上か下か、その方向性を握っているのは
来週の決算・個別物色相場です。
来週の注目ポイントはなんと言っても決算イベントで、
市場に大きな影響を与える主要銘柄の決算発表が目白押しです。
8月3日火曜は丸紅、三菱商、三井物産、双日などの商社系に加えて
JALの決算発表が予定されています。
最も注目され、市場が神経質に反応しやすいのは4日で
トヨタ、ソニー、ソフトバンクのビッグネームが揃い、
5日の任天堂、東京エレクトロン、SUMCO、6日のレーザーテクと
ハイテク・半導体関連が待ち構えています。
6日の夜は米国の雇用統計発表も予定されているので、
週を通して神経質な動きが予想され、
週末に向かっては様子見が広がるでしょう。
神経質な動きになりますが、週末に向かって
戦略を立てる必要があるため、
一方的に売られる動きにもなりにくいと予想します。
買いか空売り、どちらの方向に大量のポジションを立てるのは
来週の状況では望ましいことではないので、
決算発表が終わった銘柄から業績を基準にして
銘柄選定に専念するのがよいでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,283.59 -498.83(-1.80%)
ドル・円
109.52 – 109.54 -0.34(-0.30%)
ユーロ・円
130.24 – 130.26 -0.16(-0.12%)
ユーロ・ドル
1.1890 – 1.1892 +0.0021(0.17%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,084.53 +153.60(0.43%)
S&P500種
4,419.15 +18.51(0.42%)
ナスダック
14,778.264 +15.680(0.10%)
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