2021年8月3日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比139円19銭(0.50%)安の2万7641円83銭でした。
米国市場は続落と反発でまちまちな振る舞い、
日本市場はその影響を受けて方向感の定まらない動きになりました。
下げ幅が300円に達する場面から、業績への期待で買われる銘柄が
市場を支えて、下げ幅を縮小させて終わりました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落と反発で、まちまちに推移しました。
ダウ工業株30種平均は続落して、
前営業日比97ドル31セント(0.3%)安の3万4838ドル16セント、
ナスダック総合株価指数は小幅に反発して、
前日比8.391ポイント(0.1%)高の1万4681.069で取引を終えました。
リスク意識の高まりにより債券に買いが集まりました。
債券価格の上昇により長期金利(利回り)は下落、
1.15%台を記録すると、景気敏感株を中心に売られました。
朝方は買いが先行して、
256ドル高まで進む場面がありましたが、
新型コロナの感染拡大が収まらないことが
嫌気され上昇分を返上してマイナスで引けました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日の上昇分が大きかった分、
短期的な利益確定や、
新型コロナの感染拡大を懸念しての売りが続き早速反落しました。
アジア市場が軟調な動きになると
下げ幅は300円に達しましたが、
午後からは景気敏感業種を中心に
好決算の銘柄が物色されるとともに
トヨタが期待で買われ、
下げ幅を縮小させて取引を終えました。
前日に続き海運業が買われ上昇率1位、
精密機器、金属製品などの
景気敏感セクターも引き続き物色されました。
その他28業種は下落、特に前日は上昇した
パルプ・紙業種が利益確定に押され下落率が大きく、
前日の投資戦略より警告を出した
空運業、陸運業も大きく下げました。
日経の日足は上下髭を持つ短陽線を形成しました。
前日から高値は切り下げ、安値を切り上げて、
形では持ち合いとなりました。
前日の実体の中に本日の日足がすべて収まっているので
持ち合いではありますが、
前日の高値が200日移動平均線で抵抗にあっている点が懸念点です。
200日移動平均線は長期投資家も気にする指標で、
トレンドが下に流れると判断されやすいので、
気をつける必要があります。
東証1部の売買代金は概算で2兆1364億円、
売買高は9億7187万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1587、
値上がりは533、変わらずは70銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日は「お盆の移動中止は業績にしばらく影響するので、
空運、陸運はしばらく警戒しましょう。」と解説、
予想通りの動きとなりましたが、
一つ気になるポイントは
実際の動きはどうかということです。
8月2日の毎日新聞は「お盆休みを控えて
航空や鉄道の予約は前年より増えており、
人の動きはむしろ活発化しつつある」と報じています。
https://mainichi.jp/articles/20210802/k00/00m/040/280000c
同報道で”加藤勝信官房長官は、都道府県境を越える移動を避けるよう訴えた上で
「これまで長期休暇や連休などで感染が拡大したことがある」と
指摘”していますが、(Go Toトラベルと感染拡大は関係ないと
全国に人を飛ばしていた論理はどこいっちゃったのよ?という
大人げないツッコミはさておき、)
業績は思ったほど下げないけど、感染は拡大しましたという
皮肉な状況も考えられます。
ワクチン接種者の間でも感染が拡大する米国の状況も
まとめて考えると、当分景気回復を期待する
買いが入ることは難しく、神経質な動きは続くと考えられます。
本日の動きでヒントを得るなら、
しっかりした業績を作ったところはやはり物色されるので、
短期的な視点を当分は捨てて、
銘柄の選定に時間を使うのが賢明だと判断できます。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,641.83 -139.19(-0.50%)
ドル・円
109.10 – 109.12 -0.56(-0.51%)
ユーロ・円
129.57 – 129.59 -0.72(-0.55%)
ユーロ・ドル
1.1875 – 1.1876 -0.0006(-0.05%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,838.16 -97.31(-0.27%)
S&P500種
4,387.16 -8.10(-0.18%)
ナスダック
14,681.069 +8.391(0.05%)
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