2021年8月17日の東京株式市場は4営業日続落しました。
終値は前営業日比98円72銭(0.36%)安の2万7424円47銭でした。
米国市場は中国の低調な景気指標が継続して悪材料として働き、朝方は下落、
その後戻す動きでプラスに転じて終わりました。
日本市場は新型コロナの感染拡大が続き、緊急事態宣言の対象が拡大、
期間延長も加わった結果、投資家心理が悪化しました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸と反落のまちまちな動きとなりました。
ダウ工業株30種平均は5営業日続伸して、
前営業日比110ドル02セント(0.3%)高の3万5625ドル40セント、
ナスダック総合株価指数は反落、
前日比29.136ポイント(0.2%)安の1万4793.762で取引を終えました。
前日の世界市場を圧迫した中国の低調な
景気指標が引き続き意識され
朝方は売りが先行してスタートしました。
280ドルを超える下げ幅まで進んだ後は、
押し目を拾う買い、決算発表前の小売業も買われ
終値にかけて値段を戻しながら取引を終えました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日の大きな下落から
自律反発の買いが入り、上昇でスタートしました。
その勢いは続かず、国内の新型コロナの感染拡大が
止まらないことへの懸念で売りに転じました。
緊急事態宣言の対象地域に7府県が追加、
宣言期間延長などが正式に決まる見通しとなったことも
下げの要因となりましたが、
4-6月期の決算結果が概ね好調だった結果が好感され
下値は限定的な範囲に止まりました。
6業種のみが上昇、前日に続き海運業が上昇率1位、
前日の上昇率2位だった空運業は下落率1位まで押され、
鉄鋼、石油、非鉄金属なども売られました。
倉庫、医薬品、食料品、卸売、水産などの内需系が買われ、
保険も物色されました。
日経の日足は上髭を持つ陰線を形成しました。
前日は下ヒゲだったので、下げが抑えられる形でしたが、
本日は下に向かっての圧力がかかる流れです。
前日の高値と安値は切り下げましたが、
安値の切り下げ幅は3円足らず、
形として下落と言うより持ち合ったとみた方が良いでしょう。
7/30の安値に近づくと意識されて
止まった結果ですが、
まだ上に向かってトレンド転換したのは確認できてないので、
安心する場面ではありません。
東証1部の売買代金は概算で2兆684億円、
売買高は9億5419万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1478、
値上がりは613、変わらずは96銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
テクニカル分析で安値の切り下げ幅が3円足らずなので、
そこまで悪い形ではないと解説しましたが、
前日の米国市場まで考慮すると日本市場の
地合いの悪さが目立ちます。
280ドルまで下げたダウがプラスに転じ、
ナスダックも小幅のマイナス引けではありますが、
終わりまで価格を戻し、高値引けしたことを考えると
日経の弱さは後味の悪い持ち合いとして解釈されます。
新型コロナの感染拡大、
米国・中国の対立継続、
アフガニスタンの地政学リスクなど
下げる要因が目立つ上に世界が注目するのは
来週のジャクソンホール。
テーパリングの開始を示唆する発言が飛び出す
シナリオも描かれている以上は
一方的に買うことができず、とはいって極端に売りのポジションを
膨らませることもできないことが底値の強さにつながっています。
為替市場で反発、円安の可能性が出てきたので
明日は反発の予想、買いを入れる場合は短期勝負だと割り切る必要があります。
物色に適した業種は大きな下げから戻しを試す倉庫、
下値を模索する陸運業、割安感の出た石油などです。
倉庫セクターではテクニカル分析上で面白い位置に来ている
三井倉庫<9302>、住友倉庫<9303>、
日本トランスシティ<9310>、内外トランスライン<9834>などが
物色の対象になり得るでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,424.47 -98.72(-0.36%)
ドル・円
109.32 – 109.33 -0.08(-0.07%)
ユーロ・円
128.81 – 128.83 -0.07(-0.05%)
ユーロ・ドル
1.1781 – 1.1784 +0.0001(0.00%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,625.40 +110.02(0.30%)
S&P500種
4,479.71 +11.71(0.26%)
ナスダック
14,793.762 -29.136(-0.19%)
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