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2021年8月29日:週末の投資戦略

2021年8月27日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比101円15銭(0.36%)安の2万7641円14銭でした。
木曜日の米国市場は反落しましたが、
27日のジャクソンホールでパウエル議長が想定内の内容を講演、
景気敏感セクターを中心に上昇しました。
週明けの日本市場は好調なスタートが予想されますが、
次第に一進一退の展開が広がるでしょう。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落して、
前営業日比192ドル38セント(0.5%)安の3万5213ドル12セント、
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落して、
前日比96.052ポイント(0.6%)安の1万4945.807で取引を終えました。

朝方は固く推移しましたが、アフガニスタンの首都
カブール空港で2回の爆発テロが発生、
投資家心理が急激に冷え込みました。

景気敏感株を中心に売られ、
一般消費材関連銘柄にも売りが出た他、
過熱感の強まったハイテク関連銘柄が売られ、
ナスダックも下落しました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が反落した流れを引き継いだ上に、
カブールの国際空港の自爆テロで
地政学リスクが意識され、
下げ幅を260円まで広げました。

売りが一巡した後はジャクソンホールの
内容を見極めたいとの心理で
ポジション調整が入り、下げ幅を縮小させながら
今週の取引を終えました。

海運、パルプ、保険、金属製品などの景気敏感、素材系が上昇、
その他29業種は下落しました。
特に精密機器、ゴム製品に加え、
倉庫、卸売、陸運などの内需に強い売りが出ました。

日経の日足は下髭の方が長い短陽線を形成しました。
前日の終値から下放れしてスタート、
アイランドリバーサルを作る形になりましたが、
陽線で戻して終りました。

もっとも、高値で25日移動平均線に近づくと、
レジスタンスにあって
戻して終わり、実体レベルでは下向けのギャップをあけ、
弱い形で週間の取引を締めくくっています。

下に向かってトレンド転換したので、
来週も下げると下げ加速、
27320円付近、前回の安値が支えられた27,000円が
支えの目安ですが、ここで切り返してくれるか、来週試すことになります。

東証1部の売買代金は概算で2兆1135億円、
売買高は8億6985万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1175、
値上がりは880、変わらずは134銘柄でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

軟調な動きが目立った日経でしたが、
週間の取引を終えると、
先週の終値を引き上げる陽線引け、

テクニカル的な節目の52週移動平均線に支えられました。
しかし、上昇幅は大きくなく、
高値はもう一つの節目26週移動平均線に高値を抑えられそうです。

世界が注目したジャクソンホールと
パウエル議長の講演は大半が「想定内」という反応でした。
講演のポイントは3つ。

1. テーパリング開始は年内が適当
2. テーパリングが利上げ時期を示唆するものではない
3. 物価上昇圧力の高まりは「一時的」

1は市場の予想通りで、テーパリングが始まるから
株式を手放そうという発想ではなく、
むしろ視界がクリアになったと考えるべきでしょう。

2は利上げが早急に始まるものではないことと解釈され、
3は以前にも言及されたことがあり、
インフレ懸念の高まりによって金融引き締めが
早期に始まるとの思惑を後退させるものでした。

年内開始がショックにつながらないのは
市場との対話を大事にするFRBの行動原則による結果で、
米国市場はポジティブに反応しました。

金曜日の米国市場は上昇、
ダウ工業株30種平均は反発して、
前営業日比242ドル68セント(0.7%)高の3万5455ドル80セント、
ナスダック総合株価指数がより大きく反応して、
前日比183.694ポイント(1.2%)高の1万5129.501で取引を終えました。

景気敏感セクターが買われ、
原油先物価格の上昇を受け、石油関連も上昇しました。
ハイテク銘柄の上昇が目立ち、

S&P 500指数も上昇、
前日比39.37ポイント(0.9%)高の4509.37、
史上初、大台の4500を上回りました。

この流れを反映してシカゴ市場の日経先物も上昇、
205円高の2万7855円、
27日の大取終値を215円上回りました。

上記の要因をまとめて来週を展望すると
上昇スタート、中盤まで強含み、
後半に様子見で、一進一退という流れでしょう。

8月から9月相場に入れ替わる時期で、
週末は雇用統計の発表があることから
市場には結果を極めたい様子見が広がります。

週初の勢いが続かないと展望する要因は
1.新型コロナ感染の動向
2. 自民党総裁選、衆議院議員選など国内の政治リスク
3.景気回復の見通し不透明
上記の3要素が消えたわけではないからでしょう。

業種別の動きとしては、米国の流れを引き継ぎ、
週初は景気敏感株が動き、
週後半の雇用統計に向かうなかで内需・ディフェンシブが
物色されると想定されます。

学校の夏休みが延長され、終わりが近づきましたが
まだ感染が収まってない状況、
自然に学習支援、遠隔学習関連にも注目が集まります。

今期の経常利益を31%上方修正した
すららネット<3998>が好例で、
値を飛ばしていましたが、
継続して注目する価値があります。
その他の学習支援関連にも注目です。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,641.14 -101.15(-0.36%)
ドル・円
109.83 – 109.85 -0.33(-0.29%)
ユーロ・円
129.55 – 129.60 -0.10(-0.07%)
ユーロ・ドル
1.1794 – 1.1798 +0.0025(0.21%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,455.80 +242.68(0.68%)
S&P500種
4,509.37 +39.37(0.88%)
ナスダック
15,129.501 +183.694(1.22%)

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