東京株式市場は5営業日ぶりに反落しました。
終値は前営業日比55円49銭(0.20%)安の2万8015円02銭でした。
米国市場は1兆ドル規模のインフラ投資法案に加えて
市場予想をわずかに下回ったCPIがテーパリングの懸念も後退させて
連日で最高値を更新しました。
日本市場は買いが先行してスタート、上げ幅が200円を超える場面もありましたが、
すべて打ち消して、マイナスに転じて終わりました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸と続落で本日もまちまちな動きが続きました。
ダウ工業株30種平均は続伸して、
前営業日比220ドル30セント(0.6%)高の3万5484ドル97セント、
ナスダック総合株価指数は続落して、
前日比22.952ポイント(0.2%)安の1万4765.135で取引を終えました。
1兆ドル規模のインフラ投資法案が上院で可決されたことが
引き続き好感され、
CPIが市場予想を下回り、テーパリングへの
懸念が後退したことも投資家心理を刺激しました。
ダウは連日で史上最高値を更新しましたが、
資本財、景気敏感セクターに資金がシフトして
ナスダックは小幅の下落となりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日の米国市場が連日で最高値を更新しながらも
まちまちな動きになったことを受け、
方向感のない展開となりました。
ダウの上昇を受け、朝方は買いが先行、
上げ幅を200円以上に広げる場面もありました。
買いが一巡した後は、
前日まで4日間続伸して短期的な過熱感が
意識され売りに転じました。
前日に続き海運業が上昇、非鉄金属も上昇を続けました。
化学、機械、ガラスなどの景気敏感株が買われ、
証券もしっかりでした。
一方、陸運業が大きく下げ、空運業も下落率2位、
電気機器、精密機器も下げています。
日経の日足は長い上髭を持つ陰線を形成しました。
陰線ではありますが、前日の高値と安値を切り上げ、
形であ上昇となりました。
200日移動平均線、25日移動平均線、28,000円、
3つのテクニカル的な節目が重なるところまで下げてくると、
支えられて下げ止まりました。
25日移動平均線が200日移動平均線を下から上に抜ける
デッドクロスが形成されたのと、
支えられたこと、どちらが意識されるのか、
形では上昇しながらも陰線で引けた
本日の流れはその悩みを表しています。
東証1部の売買代金は概算で2兆3844億円、
売買高は10億4417万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1024、
値上がりは1049、変わらずは117でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
4日かけて28,000円を超えた市場は
短期的な過熱感及び達成感からくる売りをこなしました。
節目が3つも重なっているので、
ここで迷いが生じるのは当然とも言えますが、
明日の動きはかなり気になるところです。
下げ幅が大きくないとは言え、
本日の陰線は実体が相対的に大きく、
上髭もついていることから、
テクニカルトレーダーたちには印象が悪いと言えます。
つまり、今日の形は岐路に立っているとみられ、
こちらを下に抜けると、
気持ちよく上にぬけてくるかによって
今後の動きは明らかに変わってきます。
週末なのでポジションはずしが出やすい明日の
基礎に対して、どれだけの押上が入ってくるのか、
懸念と共に、楽しみでもあります。
半導体関連には逆風が強まっていますが、
解説してきた通り、
押しが強くなればなるほど押し目を拾う買いのチャンスだと認識してください。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,015.02 -55.49(-0.20%)
ドル・円
110.42 – 110.44 -0.32(-0.28%)
ユーロ・円
129.58 – 129.63 -0.12(-0.09%)
ユーロ・ドル
1.1736 – 1.1738 +0.0024(0.20%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,484.97 +220.30(0.62%)
S&P500種
4,447.70 +10.95(0.24%)
ナスダック
14,765.135 -22.952(-0.15%)
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