2021年10月8日の東京株式市場は続伸しました。
終値は前営業日比370円73銭(1.34%)高の2万8048円94銭でした。
4営業日ぶりに2万8000円台を回復しました。
米国市場は木曜日続伸、週末の金曜日は小幅の反落、
方向感のない展開で、日本市場も来週は
一進一退の動きが予想されます。
前日の米国市場が続伸、買いが先行してスタートしました。
先物の売り方による買い戻しも加わり、上げ幅を拡大しましたが、
市場の不安定要因はまだ解消されず、上髭を残して
本日の取引を終えました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は3営業日続伸して、
前営業日比337ドル95セント(1.0%)高の3万4754ドル94セント、
ナスダック総合株価指数も続伸して、
前日比152.105ポイント(1.0%)高の1万4654.016で取引を終えました。
与野党が債務上限問題で合意したことで、
投資家心理が改善しました。
朝方は大きく買いが進み、550ドル高の
上昇幅まで見せましたが、
原油市場が下げから上昇に転じたことを受け、
上げ幅を縮小させて終わりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が債務上限問題に
目処がついたことから上昇したことを受け、
買いが先行してスタートしました。
原油先物市場が上昇したことを受け、
原油関連にも買いが入り、
上昇幅は600円を超える場面もありましたが、
雇用統計の結果を見極めたいとの
心理で利益確定の売りが出て
午後は上げ幅を縮小する展開でした。
前日は利益確定に押された鉱業が
上昇率1位に返り咲き、輸送用機器、
電気機器などの景気敏感セクターに買いが広がりました。
一方、同じ景気敏感株の海運業は下落率1位、
証券、銀行などの金融関連も厳しい動きになりました。
日経の日足は本日も実体の乏しい陽線を形成、
長い上ヒゲを持ち、
上に抜け切れない気落ちを表しています。
高値では75日移動平均線に
接近しようとしていましたが、
一目均衡表の先行スパン2に捕まりました。
高値では下雲を上に抜け出しましたが、
終値で雲の中に戻ってきてしまいました。
迷いが強い形ですが、
高値と安値は大きく切り上げたので、
本日の高値を上に抜けると戻りの勢いは力を増します。
それでも少し上は75日移動平均線が位置して
レジスタンスとして働きますので
警戒は必要です。
商いは2週間ぶりに3兆円を割り込んだ前日より増加、
3兆円を回復しました。
東証1部の売買代金は概算で3兆1984億円、
売買高は13億5677万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1746、
値下がりは358、変わらずは79銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日本市場の直近の動きを見ると
異様なほどの上昇、
その後、異様なほどの下落、
結局振り出しという流れを終えました。
金曜日、幅のある上昇で
来週への期待が高まってきました。
終わってみると28000円台の回復まで
進んできています。
このままだと回復基調になると予想しますが、
週明けは懸念材料を消化することになります。
米国からは市場予想を下回った雇用統計が
方向感に欠ける展開にさせる要因となります。
次の懸念材料は中国。
週末の間に中国恒大集団の債務不履行(デフォルト)可能性が
高まったとメディアが報じて、
アジアの不動産市場から投資マネーが引き上がるとの
報道も続くなど、
中国発の懸念はまだ終息しておりません。
まとめて分析すると、来週は一進一退の展開、
米中の動向が市場に影響を与え続ける流れに
変わりはなく、
国内市場は海外要因に左右されるでしょう。
海外の動向でそれを確認してみましょう。
週末の米国市場は小幅に反落しました。
ダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落して、
前営業日比8ドル69セント安の3万4746ドル25セント、
ナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反落して、
前日比74.479ポイント(0.5%)安の1万4579.537で取引を終えました。
市場予想を下回った雇用統計の結果が
市場を下押ししました。
9月の非農業部門雇用者数は市場予想50万人増に対して
前月比19万4000人増に止まりました。
景気の先行きに懸念を抱く水準と推測されますが、
失業率は8月から低下、
平均時給は増加するなど
強弱が交差する指標の前で市場は迷いの姿勢を見せました。
シカゴ市場で日経平均先物は小幅に上昇、
8日の大取終値を45円下回り、
12月物が前日比25円高で引けました。
やはり方向感のない動きであることが
伝わる数字が並んでいます。
来週のイベント組み合わせて注目したい業種は
小売、電気機器、精密機器。
まず、指数への影響の大きいファーストリテイリングが
14日に決算を発表する予定で、
その結果によって小売業のみならず、
東京市場全体への影響が及ぶことが考えられます。
同日に良品計画の決算も発表される予定で、
強気の中経(中期経営計画)を立てている分、
実績が伴うかに注目があつまります。
その他、10月8日大引け後に
上半期の連結税引き前利益が前年同期比2.1倍に
急拡大したと決算を発表した安川電気の好調ぶりが
株価にどのように反映されるかも、
今後の動向を予想する上で大事な材料となってきます。
小売に注目する理由は国内外の発表が予定されている
指標をみても分かります。
国内では11日:9月工作機械受注、
12日:9月企業物価指数、
13日:8月機械受注、米国の9月消費者物価指数(CPI)、
中国の9月貿易収支、
14日:米国9月PPI、中国の9月生産者物価指数(PPI)、
中国9月CPI、
15日:米9月小売売上高など
今後の景気動向を予想する上で
欠かせない指標がこれでもかというほど
びっしり詰まっています。
方向感の定まらない疲れる展開に
なるというのは念頭にいれて、
落ち着いて対処しましょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,048.94 +370.73(1.34%)
ドル・円
111.88 – 111.90 +0.59(0.53%)
ユーロ・円
129.18 – 129.20 +0.44(0.34%)
ユーロ・ドル
1.1544 – 1.1546 -0.0024(-0.20%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,754.94 +337.95(0.98%)
S&P500種
4,399.76 +36.21(0.82%)
ナスダック
14,654.016 +152.105(1.04%)
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