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2023年 7月10日の日経概況

【市場総括】

2023年7月10日の東京株式市場は5営業日続落しました。終値は前営業日比198円69銭(0.61%)安の3万2189円73銭。先週の1300円下落から自律反発を狙う買いが入り5円高でスタート、170円まで伸びた上昇幅は間も無く打ち消され下げに転じました。米国での金融引き締め、長期金利の上昇、中国の景気に対する警戒感が複合的に作用して、今年初めての5営業日続落となりました。

本日も最後までしっかりお読みください。


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【米国市場の動向】

週末の米国市場は続落しました。ダウ工業株30種平均は3営業日続落して、前営業日比187ドル38セント(0.6%)安の3万3734ドル88セント、ナスダック総合株価指数は3営業日続落して、前営業日比18.327ポイント(0.1%)安の1万3660.716、S&P500指数も続落して-12.64(-0.28%)の4,398.95ポイントで取引を終えました。

前日に続き、雇用関連指標が下げの要因となりましたが、市場心理の悪化は和らいだと見られます。いつも注目される雇用統計の結果は非農業部門の雇用者数が市場予想を下回りました。

増加幅の縮小で市場の心理は改善しそうでしたが、平均時給の伸び率が前月比で市場予想を上回ったことや、失業率が低下したことなどが心理の大幅な改善にはつながらず、続落を回避できませんでした。


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【日本市場の動向】

日本市場は雇用関連指標で続落を余儀なくされた米国市場の下落を背景に、売りが先行してスタートが予想されましたが、先週の1300円下落から自律反発を狙う買いが入り、5円高でスタートしました。

米国での金融引き締め、長期金利の上昇、中国の景気に対する警戒感が複合的に作用して、170円まで伸びた上昇幅は間も無く打ち消され、下げに転じました。

為替市場で進む円高の動き、中国の物価指標が午前に発表され、市場予想を下回ったことなどが加わると下げ幅を広げました。32,000円付近まで下げた後は押し目を拾う買いが入って、下げ幅を縮小して取引を終えました。

業種別の動きでは33業種中、9業種が上昇、24業種が下落しました。景気敏感業種の一角と内需関連が上昇して、鉱業が1位、パルプ・紙業種が2位入り。小売、建設、倉庫などの内需系がトップ5に入りました。

海運業の下げがきつく、下落率1位、輸送用機器、電気機器、精密機器などの半導体関連に売りが集中しました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は上下髭を持つ陰線を形成しました。前日の日足から高値と安値を切り下げ、形でも下落となる動きが5営業日続きました。ダブルトップのネックラインにあたる6月27日の安値を切り下げて、ネックライン割れとなったので、当分の調整は避けられない流れとなりました。

これで、日経のチャートはダブルトップを作った調整入り、夏バテ相場の入口に立ったと見られます。もちろんここから反発して三尊天井を作りにいくことも想定できますが、

その場合でも下向きに変わり始めた20日移動平均線が抵抗になり、再び下げ始めると下げのスピードは早くなります。

東証プライムの売買代金は3兆6945億円、売買高は15億1531万株。東証プライム市場の値下がり銘柄数は814、値上がりは932、変わらずは89銘柄でした。


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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

先週の木曜日(7月6日)には”下げ幅が広がると午後から取り戻す、今週に入ってはこのパターンが定番化したような流れ”と解説しました。その動きは先週にとどまらず、今週まで受け継がれています。

32,000円がサポートとして意識され、下げ幅を縮小して終わりましたが、やはり続落という動きは避けられず、市場関係者は上昇トレンド継続に懐疑的な視点を送り込むようになっています。

ここにきて認識するポイントは2つ。

1.5営業日続落は2023年入って始めて

2022年12月15~21日の続落以来の記録で、2023年のターニングポイントを回ったところで現れたので、トレンドの流れが変わりつつあるということを認識すべきでしょう。

一歩間違うと、今まで切り返して上昇を継続してきたので、これからも同じ動きになるはず、と思い込みやすくなります。注意が必要です。

2.外国人の買い意欲が減退

6月の3週目に入って13週ぶりに外国人が売り越しに転じたことです。2020年まで遡っても13週連続の買い越しは見つからない、つまり2020年台に入って最長記録を作った外国人の買い越し記録が変調を迎えたということです。

4週目にはまた買い越しに転じましたが、大きな流れが変わろうとするのは間違いありません。

2つのポイントを念頭に入れて、「調整入りがあるのは当然のこと」としっかり認識して投資戦略を立てたいものです。守りを固めたいこと状況では、内需関連、特にインバウンドと絡めた内需系が注目されやすいので、物色の目を広げてみましょう。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)32,189.73-198.69(-0.61%)
TOPIX 2,243.33-11.57(-0.51%)

為替

ドル・円 142.44 – 142.45-0.78(-0.54%)
ユーロ・円 156.03 – 156.05+0.27(0.17%)
ユーロ・ドル 1.0954 – 1.0955+0.0079(0.72%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) ※33,734.88-187.38(-0.55%)
S&P500種4,398.95-12.64(-0.28%)
ナスダック13,660.716-18.327(-0.13%)

債券・金利

米10年国債(%)4.063+0.027

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