【市場総括】
2023年7月4日の東京株式市場は反落しました。終値は前営業日比330円81銭(0.98%)安の3万3422円52銭。利益確定の売りが出ると共に米国市場が休場で、241円安でスタート、その後は様子見が広がることで下げ幅を拡大しました。銀行を始め、保険などの金融関連下げ幅を食い止めましたが、大きく切り返して終わることにまではつながりませんでした。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は小幅に続伸しました。ダウ工業株30種平均は小幅に続伸して、前営業日比10ドル87セント(0.03%)高の3万4418ドル47セント、ナスダック総合株価指数は続伸して、前営業日比28.850ポイント(0.2%)高の1万3816.77、S&P500指数も小幅に続伸して+5.21(0.11%)の4,455.59ポイントで取引を終えました。
祝日を控え短縮取引となる中、上昇はしたもののほぼ横ばいと見られる数字で取引を終えました。話題と注目が続くテスラが上昇し、トレンドに乗る銀行株も上昇しましたが、ヘルスケア部門の軟調な動きが足を引っ張りました。
ストレステストで大手23行がすべて合格したことにくわえて、タイミングを合わせたかのようにゴールドマンサックス、JPモルガンは配当の増額を発表、市場を多いに盛り上げました。
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【日本市場の動向】
日本市場は利益確定の売りが出ると共に米国市場が休場で様子見が広がることで、下げ幅を拡大しました。241円安でスタート、前日の大幅上昇に対する反動が売りを呼び込み、値嵩株を中心に利益確定の売りが指数を押し下げたました。
下げ幅を食い止めたのが銀行を始め、保険などの金融関連で、ストレステストの堅調な結果を受けて上昇した米国市場のモメンタムが続きました。個別で目立ったのは第一三共。英社と開発中の抗がん剤の試験結果が失敗とのニュースが嫌気されました。
米国市場の影響を受け、金融関連が強く、銀行、保険業が上昇率1、2位を占め、証券が4位に並びました。その他上昇したのは輸出・景気敏感業種で、非鉄金属、海運業、輸送用機器が上昇しました。
下げが目立ったのは内需と素材系の一角で、第一三共の暴落がツレ安を起こした医薬品が下落率1位、パルプ・紙、ゴム製品が下落率で並びました。内需の倉庫・運輸関連業に食料品、陸運業も厳しい動きとなりました。
【日本市場のテクニカル分析】
日経の日足は上下髭を持つ短陰線を形成しました。前日の日足から高値と安値を切り下げ、形でも下落、上昇トレンドの勢いが弱まったことを示しました。下に向かってトレンド転換したので、本日の安値を切り下げて下落するとしばらく調整に入り、前回安値の6月27日までの下向き波を作るかが注目のポイントです。
その前の支えになるポイントは転換線が位置する33034円、さらに割り込む場合が6月27日の安値で、この価格は一目均衡表の基準線が待っているポイントとも重なります。
東証プライムの売買代金は3兆3933億円、売買高は14億6556万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1152、値上がりは616銘柄、変わらずは67銘柄でした。
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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】
下げ幅が414円まで広がって前日の上げ幅を相殺するレベルまで下げていたことに比べると、いい感じで戻って終わったというのが終値の印象です。米国市場が横ばいで終わり、本日は休場なので材料が不足することまで考慮すると「これくらいならよく守り抜いた」と評価できる動きではないでしょうか。
今週は前半の米国市場休みという難題がありますが、後半に行くとさらに難題が並んでいます。5日に6/13~6/14開催分のFOMC議事録が公開され、6日が5月ADP全米雇用リポート、7日は経済指標の王様、雇用統計が発表されます。
その結果を見極めたいとの心理で今週は持ち合いの日が目立つでしょう。テクニカル的にはちょうどダブルトップを作って、このまま下げて6月27日の安値を割り込んでネックラインを崩すことになるのかが気になるところで、
とは言って、本日の安値を割り込まない限りは本格的な調整入りとも言えない位置なのでなりふり構わず空売りを仕掛ける行動は控えるのがよいでしょう。むしろ持ち合いの時に力を発揮するオプションのショートストラドル、ショートストラングルなど、オプションのショート戦略を駆使するのがよいでしょう。
もう一つ気になるのは楽天グループのバラ売り進展。楽天銀行に続き、連結子会社の楽天証券ホールディングス(HD)が4日、東京証券取引所に新規上場申請を行ったと発表しました。
携帯事業の赤字続きで、グループの存続が危ぶまれるとの懸念が広がっているだけに、資金調達のために優良子会社をバラ売りする動きとのも捉えられ、2023年後半の市場を揺るがす要因になりかねない。
銘柄戦略で触れた第一三共への空売り戦略は本日の大暴落で大きな転換点を迎えます。タイミングが合い空売りポジションを保持している場合は、落ち着きを取り戻すまでは保持、利益を伸ばしていく時間帯です。
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【各市場の動き】
株式指標
日経平均(円) | 33,422.52 | -330.81(-0.98%) |
TOPIX | 2,306.37 | -14.44(-0.62%) |
為替
ドル・円 ※ | 144.38 – 144.39 | -0.44(-0.30%) |
ユーロ・円 ※ | 157.32 – 157.34 | -0.17(-0.10%) |
ユーロ・ドル ※ | 1.0895 – 1.0897 | +0.0021(0.19%) |
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) ※ | 34,418.47 | +10.87(0.03%) |
S&P500種 | 4,455.59 | +5.21(0.11%) |
ナスダック | 13,816.773 | +28.850(0.20%) |
債券・金利
米10年国債(%) | 3.857 | +0.020 |