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週間展望および投資戦略2023年8月21日- 8月25日

【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

一週間お疲れ様でした。暑い中、一週間の相場をさらに熱くしたのは米国市場の長期金利、そして、中国不動産大手の破産申請でした。2つの要因を振り替えつつ、今後の相場について考察します。

|| タイトル通りになった先週の相場

先週の小タイトルの中には「市場の動向は長期金利の動向次第」というのがありました。まさしくその通りで、米国の長期金利が4.3%まで進むとハイテク関連への逆風となり、それが日本市場の半導体関連銘柄を揺さぶりました。

半導体銘柄が元気を失うと、日本市場が強さを取り戻せるはずがない。日本市場は一週間で-1,022円(-3.15%)の後退を余儀なくされました。これで、今年1月4日週から6月12日週までの上げ幅から25%を失うことになりました。下げ幅が4桁を超えると恐怖が深まります。この基調は続くのか?止まってほしい!と思いますね?


|| 下値を模索する動きは続く

残念ながら下値を模索する動きは続くと予想します。正確に言うと、週前半は先週の-1,022円という、売られ過ぎ感から自律反発を狙う買いが入ることで、戻りを試す動きも見られますが、25日に向けて徐々に力を落としていくことでしょう。

25日に予定されているのがFRBのパウエル議長がジャクソンホール会議での講演。FRB高官による追加利上げに対する暗示が続く中、今回の講演では再び高まっているインフレ圧力に対するパウエル議長の見解を、全神経を研ぎ澄まして聞き、解釈しようとする動きが強まります。

その前まで、ポジティブになりそうな材料がないことから、市場は様子見を決め込み、方向感に欠ける展開になるでしょう。単発的に出てくるニュースに敏感に反応するおまけ付きで、です。


|| ハイテク関連には引き続き警戒

米金利の上昇が住宅市場に波及し、住宅ローン金利が21年ぶりの高水準まで上昇するなど、インフレに対する認識で失策を金利上昇で抑えようとした副作用が広がる昨今。パウエル議長がさらに市場を揺らすような発言をすることは考えにくいですが、言葉一つ一つにしがみつく市場の解釈によっては株価の反応が異様に大きくなる可能性があります。

パウエル議長の講演前にもう一つ山を作るのが23日、エヌビディアの決算です。5〜7月期決算発表を控え、今は世界の半導体市場に大きな影響力を持つ同社の決算動向はハイテク株を大きく揺さぶる可能性があります。

まとめて考えると、ハイテク関連は引き続き厳重な警戒が必要で、値動きの激しさが大好きな短期トレーダーには向いている、中・長期のスウィングは寿命が縮まる思いをする可能性が大きい。


|| 中国の不動産バブルは弾けるか?

次の警戒領域は中国関連が大きい業種。市場が神経を尖らせている中国の不動産大手が破綻したこと。市場の懸念を広げているこの要因は市場を破滅的なところに導いていくのか?その時に私は何をすればいいのか?

まず、恒大集団の破綻による影響について診断してみましょう。簡略に言えば、このことに限れば影響は限定的な範囲で終わると判断するのが妥当でしょう。破綻が決定してからまともにその波を吸収する日本市場は400円の下げ幅から100円台に戻して終わり、米国市場に至ってはダウがプラスで引けています。

そもそも恒大集団の問題は以前から指摘されていたことであり、これで市場が破綻材料を織り込み済みだと判断するのは良いですが、問題はその後です。事態はこの一社で終わらないからです。

市場ですでに騒がれているのは不動産最大手の碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)の業績不振。2023年1~6月期に450億~550億元の最終赤字見通しを発表しており、資金難による建設現場の中止も報道されています。

これで中国の不動産バブルは弾けるか?というと、「弾けないバブルなんてない」というのが答えでしょう。ただし、現在進行形の一連のことがバブル崩壊のキーになるのか、それが今日か、今年後半かというタイミングも不明だということ。


|| 投資家にできることは常に警戒して備えること

では投資家にできる事は何でしょうか?バブルがいつ弾けるかを言い当てることではありません。バブルが形成されている市場は常に崩壊する可能性を内包しており、 投資家に求められるのは崩壊したときの行動ルールに従って行動するだけです。

✖️ 絶対崩壊するから空売りをいっぱい仕掛けておこう→

○ 崩壊が始まるサインが出るとリスク資産を減らし、損失が広がった銘柄は整理する。空売りは選定しておいた銘柄に対して慎重に行う。

これがわかりやすい例でしょう。

焦る(あせる)、慌てる(あわてる)、当てずっぽう(あてずっぽう)の3Aはなんの役にも立ちません。

落ち着いて対処するようにしましょう。3Aを振り翳して市場で生き残った人は誰もいません。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)31,450.76-175.24(-0.55%)
TOPIX 2,237.29-15.77(-0.70%)

為替

ドル・円 145.36 – 145.38-0.86(-0.58%)
ユーロ・円 158.04 – 158.09-1.04(-0.65%)
ユーロ・ドル 1.0872 – 1.0876-0.0007(-0.06%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 34,500.66+25.83(0.07%)
S&P500種4,369.71-0.65(-0.01%)
ナスダック13,290.776-26.156(-0.19%)

債券・金利

米10年国債(%)4.251-0.031
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