【市場総括】
2023年8月22日の東京株式市場は続伸しました。終値は前営業日比291円07銭（0.92%）高の3万1856円71銭。米国市場でハイテク関連が上昇したことを受け、半導体関連銘柄を中心に買いが進みました。1ドル=146円台の円安基調まで加わると、輸出関連業種への買いが入り、上昇幅は350円に迫る場面もありましたが週末のジャクソンホール会議に備えてポジションを調整する流れに入り、売りが進みました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は反落と反発でまちまちな動きとなりました。ダウ工業株30種平均は小幅に反落して、前営業日比36ドル97セント（0.1%）安の3万4463ドル69セント、ナスダック総合株価指数は反発して、前営業日比206.814ポイント（1.6%）高の1万3497.590、S&P500種株価指数も反発して前日比＋30.06(0.68%)の4,399.77で取引を終えました。
朝方から売りが先行しました。長期金利が一時、4.35%、2007年11月以来の高値まで上昇したことを受けて、投資家心理が悪化しました。200ドル以上を下げる場面がありましたがジャクソンホール会議に備えて、買い戻しがはいって小幅反落で止まりました。
直近ハイテク株の軟調でナスダック銘柄への見直しが進み、ハイテク関連は逆行高。テスラが7%高、目標株価の上方修正が相次ぐエヌビディアは8%高など、ナスダックの上昇をリードしました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場でハイテク関連が上昇したことを受け、半導体関連銘柄を中心に買いが進みました。1ドル=146円台の円安基調まで加わると、輸出関連業種への買いが入り、上昇幅は350円に迫る場面もありました。
米国市場同様、週末のジャクソンホール会議に備えてポジションを調整する流れに入り、売りが進みました。上昇幅の縮小は大きくありませんでしたが、テクニカル的には絶妙な位置で取引を終えました。
業種別の動きは33業種中、30業種が上昇、2業種が下落、1業種が引き分けの全面高の展開となりました。陸運業、海運業のみが下げ、医薬品は変化なし。不動産、小売業などの内需系は、上昇はしたものの、比較的に甘い上昇幅に限られました。
前日は下落率5位で不振だった銀行業が上昇率1位、円安の進行を受け、輸送用機器が2位、証券が3位など金融関連が強く推移しました。その他、卸売、石油、パルプ、電気機器などが上昇率上位を占めました。
【日本市場のテクニカル分析】
日経の日足は下髭が長い短陽線を形成しました。実体が前日の実体から離れるギャップあけを2日連続作りました。つよい戻りを見せていますが、本日の位置が大事なところです。
1月6日から6月19日までの上昇幅を1としてフィボナッチリトレースメントを書いた場合、本日の終値が0.236に戻りました。ここは直近の高値を結んだ時にできる上値抵抗性も当たるところで、一目均衡表の転換線が当たるところでもあります。
レジスタンスになる要素が3つ以上重なっているので、強い抵抗にあうことが予想されます。ここで下げ始めると 高値の切り下げが成立するとともに、一目均衡表の雲抜け（した抜け）も予想されます。 下げが加速するサインなので注意してください。
商いは低調で3兆円割れが続いています。東証プライムの売買代金は2兆7279億円、売買高は10億8507万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1329、値下がりは443、変わらずは62銘柄でした。
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【世界市場の総合分析： 今後の投資戦略】
なにこの動き？相場に長く携わっている人なら誰もが首を傾げるような動きになったのが昨夜の米国市場。長期金利の最高値は3.6%。2007年まで遡らないとこれより高い水準をみることはできません。
金融引き締めが長期化する、インフレピークアウトが後退するとの懸念からハイテク株には明らかな逆風。にもかかわらず1.5%の上昇だとは？多くの市場関係者が首を賭けたのでしょう。
ハイテク株が直近強く抑えられていたことから、自律反発を狙った買いが入ってもおかしくはない、それにしても自律反発というには上昇幅が大きすぎる。それに加えて、長期金利で恩恵を受けやすい銀行株にも買いが入ってきたことで、バリューとグロースが同時に伸びる面白い風景が演出されました。
もちろん、全面高の局面でもそれはあり得ますが、米国市場の背景を考えると面白い相場でした。しかし、これが常に起こるとは思わない方がいいでしょう。いよいよ主要イベントが差し迫ってきました。
ナスダック上昇の要因の一角をなしているエヌビディアの目標株価の引き上げ。それに見合う、または期待を超える決算になるのか、全世界が注目しています。その後はジャクソンホール会議。
2つのイベントで追い風が吹くとグロース株は意外と早く息を吹き返し、上昇に転じる可能性もあるので、ハイテク・半導体関連には継続して注目です。
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【各市場の動き】
株式指標
| 日経平均（円） | 31,856.71 | ＋291.07(0.92%) |
| TOPIX | 2,265.71 | ＋24.22(1.08%) |
為替
| ドル・円 | 145.89 – 145.91 | ＋0.44(0.30%) |
| ユーロ・円 | 159.31 – 159.32 | ＋0.95(0.59%) |
| ユーロ・ドル | 1.0918 – 1.0919 | ＋0.0031(0.28%) |
海外株式
| NYダウ工業株30種（ドル） | 34,463.69 | －36.97(－0.10%) |
| S&P500種 | 4,399.77 | ＋30.06(0.68%) |
| ナスダック | 13,497.590 | ＋206.814(1.55%) |
債券・金利
| 米10年国債（％） | 4.334 | ＋0.083 |
