【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】
ジャクソンホール会議と雇用統計まで波乱なく通過した株式市場、今週はどんな動きになるかを展望します。
|| 雇用統計の結果を受け、米国市場は上昇
日本市場は堅調な動きが予想されます。まず、先週末の雇用統計と米国市場の動きが堅調な動きの根拠としてあげられます。ジャクソンホール会議の次に市場が注目していたのは米国の雇用統計。
8月の米雇用統計結果は、まず非農業部門の雇用者数から。
前月比18万7000人増えて市場予想17万人増を上回りました。市場予想を越えたので、発表当初はマイナス材料として作用しました。一方、失業率は市場予想3.5%に対して3.8%、2022年2月以来の高水準を記録して、労働市場の逼迫感が薄れたことを示しました。
同様に平均時給の伸び率も前月比0.24%で、市場予想0.3%を下回り、やはり労働市場の過熱感が後退したとの認識で、市場はすぐにプラスに転じました。しばらく乱高下を繰り返していた米国市場は全体的に追加利上げの停止に重みがかかるとプラスに転じておわりました。
|| 堅調な動きが予想されるも上値の思い日本市場
米国市場の動きと雇用統計の結果を受けて、日本市場は強含みのスタートが予想されます。市場の下地はプラスになる可能性を十分持っていますが、その後は先週の上昇が上値を抑える可能性があります。
先週の日本市場は週間で1086円(3.44%)の上昇、利益確定が出てもいいタイミングに来ているのが上値を抑えると予想する理由です。6月19日週をピークに下値を切り下げる動きが8月21日週まで続いた市場は先週に明確にトレンドを切り返す展開に。
日本市場のファンダメンタルが好感されて上昇したかといえば、少し難しい。ジャクソンホールの後、雇用統計への期待を込めて少しずつ上昇していた、つまり雇用統計の結果を先に織り込んでいると判断するのが良いでしょう。
そこから考えると、下げにくい展開にはなりますが、力強く上げていくのも難しい市場になると予想します。まとめると、日経225が33,000円を試すも、上値で形成されるレジスタンスを突破できるか、それを突破すると更なる上値に向かっての挑戦ということでしょう。
|| イベント関連の業種・銘柄に注目
先週までの動きで堅調だったのはバリュー株の強さ。市場全体の上昇の中でもバリュー株の上昇が継続、週間では+3.89%と日経225のパフォーマンスを上回り、グロース系の+3.47%をも上回りました。
バリュー系の上昇が目立った市場
本確的に上を目指すなら循環物色の考え方で、過熱感の出始めるバリュー株からグロース系に資金がシフトしていくことが考えられます。先週1.82%しか伸びてないマザーズ指標はその可能性を示しているといえるでしょう。
グロース系への資金シフトは起こるのか
従って、まずグロース系の業種・銘柄に注目。
次は、毎年この時期に訪れるイベントに着目した銘柄。9月は新型iPhoneの発表が行われ、アップル関連は期待を集める傾向があります。例えば、極小ベアリングで世界高シェアを持つミネベアミツミ<6479>、金型の精密加工技術に強みを持つアルプスアルパイン<6770>はテクニカル的にも底値圏からの脱却を試みる位置にあるので、面白いのではないでしょうか。