【市場の総括】
2024年7月12日の東京株式市場は4日ぶりに大幅に反落しました。終値は前日比1033円34銭(2.45%)安の4万1190円68銭。下げ幅は4月19日の1011円を上回って今年最大で取引を終了しました。直近の急激な上昇に対する警戒感が強まる中、利益確定が大量に出ました。
下げ幅では2021年2月26日に記録した1202円以来の大きさとなりましたが、3日連続で史上最高値を更新してきた動きから考えると、暴落を呼び込む下落とは考えにくい相場です。
||米国市場はダウは小幅続伸、ナスダック・S&P500は反落
前日の米株式市場は小幅に続伸し、前日比32ドル39セント(0.08%)高の3万9753ドル75セント、ナスダックは8営業日ぶりに反落して364.041ポイント(1.95%)安の1万8283.407、S&P500種も反落して49.37ポイント(0.87%)安の5,584.54 で取引を終えました。
主力株で構成されるダウを引き上げたのは6月のCPIの結果。前月比で低下して2020年以来のマイナスを記録しました。市場予想も下回る結果となり、利下げへの期待が高まりました。その結果ダウが上昇しましたが、7営業日連続で上昇して史上最高値を更新し続けたナスダックは利益確定に押されました。
【 今後の投資戦略】
前日はファンダメンタル、テクニカル分析などを通じて「調整入りのサインが点灯している」と解説しました。週末という要因もあり、本日の調整はある程度見えていましたが、早速大幅な調整で1000円を超える下げ幅を記録しました。今回の上昇がスタートした6月17日の安値から7月11日の高値まで24日、18営業日で11.8%上昇しており、上昇幅はなんと4,476円に達します。
1ヵ月たたないうちに4,500円近くをもあげてくると、それは調整が入って全然おかしくないでしょう。そもそも前日の夜の先物は800円以上の下げ幅をすでに見せており、朝はそこ下げ幅まではみせずに寄り付きましたが、日中はジリジリと下がる動きとなりました。
テクニカルでは、本日ギャップをあけながら下げ、前日が中に浮いた状態になるいわゆるアイランドリバーサルを形成しました。
いろいろ解説してきましたが、結局知りたいのは今回の下げは何で、これからどうすればいいかですね。はい、わかります、その気持ち。解説しましょう!
||今回の下げは上昇の準備と捉える
まず今回の下げはこれから大きく暴落しますよと言うサインではなく、次の上昇のためのガス抜けだと考えて良いでしょう。つまり、先高観をそのまま維持して、この調整がいつ終わるかだけを見定めればいいわけです。
||グロース株を選定しよう
次、調整が終わって下げ止まってから反転して再び上昇がスタートするときに何をするか?
“バリュー株からグロース株の方に物色の目を向ける。”これが正しい戦略です。多くの方が実感したと思いますが、これだけ日経が上げているのに、自分が持っている銘柄はほとんど恩恵を受けない。むしろ下がってしまうということが多かったと思います。それは市場をリードする機関投資家、または外国人投資家が大型株・値嵩株を中心に買っており、一部の銘柄に買いが集中しているから起きることです。
調整が終わって再び反転するときは出遅れていたグロース株の方に物色の目が行きますので、ここから個人が好む銘柄が恩恵に預かるタイミングです。 過去の3連休、時間をかけて成長株の方を物色するのが良いでしょう。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 41,190.68 | -1,033.34(-2.45%) |
TOPIX | 2,894.56 | -34.61(-1.18%) |
為替(日本時間 16:30) | ||
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ドル・円 | 159.24 - 159.26 | -2.38(-1.47%) |
ユーロ・円 | 173.12 - 173.13 | -2.07(-1.18%) |
ユーロ・ドル | 1.0869 - 1.0870 | +0.0030(0.27%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 39,753.75 | +32.39(0.08%) |
S&P500種 | 5,584.54 | -49.37(-0.87%) |
ナスダック | 18,283.407 | -364.041(-1.95%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.045 | -0.035 |
米10年国債(%) | 4.212 | -0.073 |