【市場の総括】
2024年8月2日の東京株式市場は続落しました。終値は前日比2216円63銭(5.81%)安の3万5909円70銭で取引を終えました。
下げ幅はブラックマンデー翌日の1987年10月20日(3836円安)以来およそ36年10カ月ぶりの大きさで、今年最大、史上2番目の下げ幅となりました。
米新規失業保険申請件数、ISM指数など米国の景気関連指標が市場予想を下回り、下げの引き金となりました。利下げ期待で盛り上がる準備をしていた市場は景気後退の懸念で大きく修正されました。
||米国市場は3指数揃って下落、ナスダックの下げ幅目立つ
前日の米株式市場は3営業日ぶりに反落して前日比494ドル82セント(1.21%)安の4万0347ドル97セント、ナスダックは反落して前日比405.255ポイント(2.3%)安の1万7194.145、S&P500種も反落して75.62ポイント(1.36%)安の5,446.68で取引を終えました。
ISM製造業指数が市場予想を下回り前月から低下、米新規失業保険申請件数も市場予想を上回り、1年ぶりの高水準になったことなどが投資家心理を悪化させました。ナスダックの下落率は2%を超え、ハイテク関連銘柄への警戒感が強まっています。SOX指数は1日だけで7%強を下げたので十分な警戒が必要です。
【 今後の投資戦略】
セーリングクライマックスはもうすぐだ、今週は毎日のようにこの言葉を自分にも周りにも聞かせている気がします。ここに来て史上2番目の下げというのは本当に妥当か?どう考えても反応しすぎで、下げすぎという印象を受けますが、投資家がどう感じようが、市場は常に「市場が正しい」。
せっかく史上2番目の下げ幅を記録した日なので、このような暴落が起きた時の行動要領をまとめておきます。生きて投資を続ける限り、暴落は付きものです。起きないことに越したことはありませんが、下げて通れない道なら対策を覚えてしまうのが得策です。
最初の行動は王道、または当たり前のことです。
1.リスクマネジメントの徹底
不確実性が高い市場環境では、リスク管理がなによりも重要です。この環境で利益を残せるのは極一部の人で、こんな時こそチャンス!などの訴うXやYouTube に惑わされる必要はありません。ポートフォリオの分散を徹底し、特定の業種や地域に過度に依存しないようにする、これは日頃からでも心かけて欲しいことでもあります。
2.ディフェンシブに注目:
現在の不透明な市場環境では、生活必需品をはじめとする、「なくてはならない、自分をまもる」ディフェンシブ業種に注目が集まります。医薬品もその実例です。ポートフォリオ構築の際には一定割合をこの部門に割り当てるように心がけます。
3. 下げが深いと戻りも早い:チャンスにフォーカスせよ
上述した通り永遠に下がり続ける市場と言うのもあり得ません。いつかは下げ止まり、反転し始めます。リーマンショック、コロナショック、史上最大の下げ幅を記録したブラックマンデーですら必ず下げ止まり、その後からは大きく切り返しています。
つまり、現在の局面は、これから訪れるチャンスの 裏返しとも言えます。損失になってしまった部分に関しては、なぜ?を問い続けても、答えは見つからないので、次のチャンスに注目するようにマインドを入れ替えましょう。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 35,909.70 | -2,216.63(-5.81%) |
TOPIX | 2,539.46 | -164.23(-6.07%) |
為替(日本時間 15:00) | ||
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ドル・円 | 149.15 - 149.16 | -0.70(-0.46%) |
ユーロ・円 | 161.16 - 161.21 | -0.70(-0.43%) |
ユーロ・ドル | 1.0803 - 1.0805 | +0.0002(0.01%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 40,347.97 | -494.82(-1.21%) |
S&P500種 | 5,446.68 | -75.62(-1.36%) |
ナスダック | 17,194.145 | -405.255(-2.30%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 0.960 | -0.070 |
米10年国債(%) | 3.977 | -0.054 |