【市場の総括】
2024年10月23日の東京株式市場は3日続落しました。終値は前日比307円10銭(0.80%)安の3万8104円86銭で取引を終えました。勢いよく4万円突破を目指していましたが、いつのまにか38,000円割れまで懸念されるところに下げてきました。
明確な材料があるわけではなく、27日投開票の衆院選の結果に対する警戒心が強く、積極的にポジションを立てる動きは限られました。一時的に下げ幅が400円を超え、3万8000円を割り込んでから戻すことで心理的節目は守られましたが、上昇に転じる場面もあるなど、脈絡のない動きが続きました。
||米国市場も様子見で方向感なし
前日の米株式市場は小幅に続落して前日比6ドル71セント(0.01%)安の4万2924ドル89セント、ナスダックは5日続伸して前日比33.124ポイント(0.17%)高の1万8573.129、S&P500種は続落して2.78ポイント(0.04%)安の5,851.20で取引を終えました。
長期金利の上昇が市場を下押ししました。 大統領選挙で、トランプ氏が優勢だと言うことが伝わると、財政赤字の拡大による長期金利上昇が懸念され、売りが広がりました。下げてはいるが、幅は限定的であげる場面もありました。
【 今後の投資戦略】
解散から総選挙までの期間における株価の動きは「上がる」というのがセオリーです。実際のデータで検証しても、過去の衆議院解散から総選挙までの期間において、日経平均株価は非常に高い確率で上昇していることが確認されています。1969年以降の16回の衆議院選挙では、すべての選挙で株価が上昇しています。この上昇傾向は「選挙は買い」と呼ばれるアノマリーで、主に選挙に向けた経済政策や新たな政策への期待感が要因とされています。
その記録が終わろうとする現在、陰線の連続記録も続いています。それだけ「経済政策や新たな政策への期待感」が少ないということを示しています。人生で最も怖いのは希望を失った時です。いかなる状況でも希望を持っていると前向きになりますが、新政権に対する期待がここまで薄くなると「希望すら持てない」日本の姿が浮かび上がります。その姿はさらに外国人に不信感を与えるので、市場にとってはダブルパンチになりかねません。せめて政策関連銘柄でも注目されてほしいですが、三菱重工業は続落で、本日だけで約3%の下落。IHIも天井から転落が続いています。むしろ空売りで攻めてあげようかと思っても、選挙明けが相場が方向感を持って動き出すタイミングになりそうで、二の足を踏んでしまいます。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 38,104.86 | -307.10(-0.80%) |
TOPIX | 2,638.90 | -12.57(-0.47%) |
為替(日本時間 15:00) | ||
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ドル・円 | 152.24 - 152.26 | +1.25(0.82%) |
ユーロ・円 | 164.49 - 164.50 | +0.86(0.52%) |
ユーロ・ドル | 1.0802 - 1.0806 | -0.0034(-0.31%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 42,924.89 | -6.71(-0.01%) |
S&P500種 | 5,851.20 | -2.78(-0.04%) |
ナスダック | 18,573.129 | +33.124(0.17%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 0.980 | +0.005 |
米10年国債(%) | 4.210 | +0.014 |