【市場の総括】
2024年11月8日の東京株式市場は反発しました。終値は前日比118円96銭(0.30%)高の3万9500円37銭で取引を終えました。FRBが政策金利を0.25%引き下げると決めたことを背景にナスダックが上昇、日本市場も上昇しました。
終値では上昇しましたが、日中の高値では400円を超える場面もありました。上値を押さえた要因は為替市場と業績不振。前日まで猛烈に進んだ円安の流れが一服、業績不振が明らかになった日産などの影響により上げ幅を縮小、陰線で一週間の取引を終えました。
||米国市場は反落と続伸でまちまち
前日の米株式市場は3営業日ぶりに小反落して前日比0ドル59セント安の4万3729ドル34セント、ナスダックは3日続伸して前日比285.993ポイント(1.50%)高の1万9269.459、S&P500種も続伸して前日比44.06ポイント(0.74%)高の5973.10で取引を終えました。
前日の上げが大きかった分、主要銘柄に対して利益確定の売りがでたことでダウ指数は反落しました。FRBは市場予想通り、0.25%の利下げを決定、それを受けてハイテク関連銘柄が買われました。長期金利が4.3%前半まで下げてきたこともハイテク買いを支え、アップル、テスラ、エヌビディアの上昇が目立ちました。
【 今後の投資戦略】
本日の注目するポイントは
- FRBが0.25%の利下げ決定
- 日経が意外と強い
この2つに集約されます。
まず、FRBの利下げはほぼ市場に織り込み済みでサプライズはなにもありませんでした。それでも実際に決定されると、ハイテクを燃え上がらせる燃料となりました。
上昇幅を大分返上して終わったにも関わらず、日本市場が強いというのは「幻のSQ」の存在が発生しているからです。聞き慣れない用語ですね。わかりやすく言えば、本日の日経が頑張った高値は39,818円、なのにSQ値は暫定39,901.35円で決まりました。日経の高値で届いたことがない価格がどうしてSQ値になるのか?これが幻のSQと呼ばれる現象です。本日のように日経平均株価がSQ値の下で幻のSQが発生すると相場は強いとされます。「期待値が先行して実際の取引が追いついていない」状況を意味します。
長々と説明しましたが、強さを保ったまま来週にバトンを渡しますが、今週の4桁上昇があるので、来週は利益確定をこなし、主要銘柄の決算発表をこなすことから一進一退になる見込みです。また経済指標の発表に合わせて市場の変動性が高まることも予想されます。13日、米国10月消費者物価指数(CPI)、14日は同10月生産者物価指数(PPI)の発表があるので、一時的な波乱要因となります。ただし、FOMCが行われ利下げまで決定された直後なので、他の月に比べると影響は限定的でしょう。
日本では12日東京エレクトロンの決算発表が注目されます。4万円への道はここで決まるのではないでしょうか。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 39,500.37 | +118.96(0.30%) |
TOPIX | 2,742.57 | -0.51(-0.02%) |
為替(日本時間 15:30) | ||
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ドル・円 | 152.84 - 152.86 | -1.15(-0.74%) |
ユーロ・円 | 164.71 - 164.72 | -0.87(-0.52%) |
ユーロ・ドル | 1.0775 - 1.0777 | +0.0023(0.21%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 43,729.34 | -0.59(0.00%) |
S&P500種 | 5,973.10 | +44.06(0.74%) |
ナスダック | 19,269.459 | +285.993(1.50%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 0.995 | -0.010 |
米10年国債(%) | 4.328 | -0.101 |