【市場の総括】
2025年5月9日の東京株式市場は続伸しました。終値は前日比574円70銭(1.56%)高の3万7503円33銭で取引を終えました。イギリスの関税協議が成立したことを好感した米国市場の上昇を背景に買いが進みました。
今週に入って継続している円安基調が当日も続いて輸出関連株に買いが続きました。トランプ政権が中国に対する関税の引き下げを検討しているとのニュースが加わり、上昇幅は600円を超える場面もありました。
||米国市場は関税協議の進展で続伸
前日の米株式市場は続伸し、前日比254ドル48セント(0.61%)高の4万1368ドル45セント、ナスダックは続伸し、前日比189.977ポイント(1.07%)高の1万7928.139、S&P500種も続伸し、前日比32.66ポイント(0.57%)高の5,663.94で取引を終えました。
米英の貿易協定が大きな波乱なく合意したことを好感して幅広い業種が買われました。中国との協議でも意欲を見せるトランプ氏の発言で弾みがつき、上げ幅は650ドルを超えましたが、短期間の急騰に対する警戒が利益確定がでの売りを呼び、上げ幅を縮小して終わりました。

【 今後の投資戦略】
1週間お疲れ様でした。4月に大暴落を起こした相場は落ち着きを取り戻しつつある局面から、それを抜け出して上昇トレンドに近づいてきていることを示す1週間でした。
日米とも節目となる価格帯に到達しているのでここを上に抜け出して無事に上昇トレンド入りになるのかが今後の注目ポイントです。もし上昇が現実になる場合、戦略の参考になる動きは指数の動きから推測することができます。2017年以降の記録を作っているのがTOPIXです。
本日まで11連勝で、これは2017年10月の12日続伸以来の長さです。TOPIXは東証に上場する全銘柄を対象とする指数であるのに対し、日経225は主要225銘柄のみで構成されています。TOPIXの方が強いということは、大型株だけでなく中小型株を含めた幅広い銘柄が上昇していることを示し、相場の上昇が一部の銘柄に限定されない「健全な上昇」の可能性が高いです。
これに着目して戦略を立てると、セクターローテーションを慎重に考える必要があります。つまり、市場が日経225の主力銘柄(テクノロジー、輸出関連)からTOPIXの幅広い銘柄へとローテーションしている可能性があるので、これまで見過ごされていた中小型株や割安株へのエクスポージャーを高めることを検討するのがよいでしょう。

【各市場の動き】
株式指標 | ||
---|---|---|
日経平均(円) | 37,503.33 | +574.70(1.56%) |
TOPIX | 2,733.49 | +34.77(1.29%) |
為替(日本時間 16:00) | ||
---|---|---|
ドル・円 | 145.33 - 145.35 | +1.02(0.70%) |
ユーロ・円 | 163.41 - 163.43 | +0.38(0.23%) |
ユーロ・ドル | 1.1242 - 1.1243 | -0.0055(-0.48%) |
海外株式 | ||
---|---|---|
NYダウ工業株30種(ドル) | 41,368.45 | +254.48(0.61%) |
S&P500種 | 5,663.94 | +32.66(0.57%) |
ナスダック | 17,928.139 | +189.977(1.07%) |
債券・金利 | ||
---|---|---|
長期(10年)国債金利(%) | 1.355 | +0.035 |
米10年国債(%) | 4.377 | +0.107 |