【市場の総括】
2025年6月2日の東京株式市場は続落しました。終値は終値は前週末比494円43銭(1.30%)安の3万7470円67銭で取引を終えました。6月相場の初日から大幅な下落となりました。重要な節目である37,500円を下回って引けており、市場には警戒感が広がっています。
取引中には下げ幅が600円以上に拡大する場面もありましたが、終値ではやや縮小して終了しました。テクニカル面では20日移動平均線付近で支えられている状況ですが、今日の安値を下抜けた場合、さらなる調整の深まりが懸念されます。
||米国市場は続伸と反落でまちまち
前日の米株式市場は続伸し、前日比54ドル34セント(0.12%)高の4万2270ドル07セント、ナスダックは反落し、前日比62.105ポイント(0.32%)安の1万9113.767、S&P500種も反落し、前日比0.48ポイント安の5911.69で取引を終えました。
米国市場では、先週まで好調だった上昇トレンドに変化の兆しが見えました。S&P500指数はかろうじて-0.01%とほぼ横ばいで終了しましたが、取引中には大きく売られる場面もありました。
最も目立ったのはナスダック指数の動きで、-0.3%で終了しました。下げ幅自体はそれほど大きくありませんが、一度高値を更新した後にストンと下に抜ける形となり、上髭の長いローソク足を形成しました。この形状はテクニカル的に好ましくない兆候とされています。
【 今後の投資戦略】
下落要因①:トランプ関税政策の再燃
市場下落の最大要因は、トランプ大統領の関税政策をめぐる不安の再燃です。トランプ大統領は鉄鋼・アルミ製品などへの追加関税を、従来の25%から一気に50%へと2倍に引き上げる方針を示しました。
これに対し各国が報復措置を直ちに発表するなど、貿易摩擦の緊張が再び高まっています。専門家からは「トランプ氏は一度の挫折で引き下がるような人物ではなく、必ず何らかの反撃に出ると予想されていた」との見方が示されており、今回の動きは想定の範囲内とされています。
下落要因②:急激な円高進行
もう一つの大きな要因は為替の急激な円高進行です。本日だけで1円の円高が進み、現在は142円台で推移しています。142円を割り込んで141円台に突入する可能性も出てきており、これが株式市場にマイナスの影響を与えています。
今後の見通し
今週は経済指標の発表が相次ぎ、特に金曜日の雇用統計が注目されます。これらの指標発表を控え、市場では方向感のない不安定な動きが続くと予想されます。
先週末の時点で「今週は乱高下が続く不安定な市場になる」との予想を示していましたが、月曜日の初日からその通りの展開となりました。投資家には十分な注意とリスク管理が求められる一週間となりそうです。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 37,470.67 | -494.43(-1.30%) |
TOPIX | 2,777.29 | -24.28(-0.87%) |
為替(日本時間 21:00) | ||
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ドル・円 | 142.67 - 142.69 | -1.36(-0.94%) |
ユーロ・円 | 162.90 - 162.91 | -0.41(-0.25%) |
ユーロ・ドル | 1.1416 - 1.1418 | +0.0078(0.68%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 42,270.07 | +54.34(0.12%) |
S&P500種 | 5,911.69 | -0.48(0.00%) |
ナスダック | 19,113.767 | -62.105(-0.32%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.505 | +0.005 |
米10年国債(%) | 4.403 | -0.019 |