【市場の総括】
2025年6月3日の東京株式市場は3日続落しました。終値は前日比23円86銭(0.06%)安の3万7446円81銭で取引を終えました。前日の大幅下落から一転して、本日は横ばいでの推移となりました。
しかし、37,500円の節目を明確に上抜けできず、依然として上値の重い展開が続いています。一時的に37,500円を上回る場面もありましたが、最終的には陰線での引けとなり、市場には明確な方向感が見られない状況です。
||米国市場は続伸
前日の米株式市場は3日続伸し、前週末比35ドル41セント(0.08%)高の4万2305ドル48セント、ナスダックは反発し、前週末比128.846ポイント(0.67%)高の1万9242.613、S&P500種も続伸し、前日比24.25ポイント(0.41%)高の5,935.94で取引を終えました。
米国市場も力強さを欠く上昇にとどまりました。ダウ平均は終値で35ドル上昇しましたが、取引中には一時400ドル下落する場面もあり、日米ともに不安定な値動きが目立ちました。
S&P500指数は上昇し、大きく下げる局面からは脱却しましたが、直近高値圏での横ばい推移となっています。高値を切り下げる動きも見られ、強気相場とは言い難い状況です。
NASDAQ指数は128ポイント上昇と比較的堅調な動きを見せ、前日より高値と安値を切り上げる形での上昇となりましたが、5月29日の直近高値には届いておらず、この水準を突破できなければ再び調整局面に入る可能性があります。
【 今後の投資戦略】
不透明要因はトランプ政権の関税政策
日米両市場の迷いの最大要因は、トランプ政権の関税政策への懸念です。この政策の不透明感が市場に不安を与えており、投資家は上昇局面でも積極的な買いを控え、一方で大きく売り込む動きも見られない膠着状態が続いています。
東証グロース指数が大幅上昇
注目すべきは東証グロース指数の大幅上昇(4.1%高)です。大型株に資金を力強くリードする銘柄が見当たらない中、資金が小型・中型株に流れる動きが鮮明になっています。
この動きは2、3週間前から継続しており、日経平均がほぼ横ばいで方向感に欠ける中、グロース市場には資金が集まり大幅上昇となりました。この傾向が続くかどうかが今後の注目点となります。
為替市場:円高一服の兆し
ドル円相場では、3日間続いた円高トレンドに一服感が見られました。前日は1.36円の大幅な円高となりましたが、本日はほとんど動かず(0.02%程度の変動)、これを受けて株式市場の大幅下落も留まっている状況です。
今後の見通し
今週は乱高下が予想される展開となっており、投資家には慌てることなく冷静な対処が求められます。トランプ政権の政策動向への注視と、小型・中型株への資金流入トレンドの継続性が重要な判断材料となりそうです。

【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 37,446.81 | -23.86(-0.06%) |
TOPIX | 2,771.11 | -6.18(-0.22%) |
為替(日本時間 16:00) | ||
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ドル・円 | 142.97 - 142.98 | +0.07(0.04%) |
ユーロ・円 | 163.35 - 163.37 | +0.11(0.06%) |
ユーロ・ドル | 1.1424 - 1.1426 | +0.0001(0.00%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 42,305.48 | +35.41(0.08%) |
S&P500種 | 5,935.94 | +24.25(0.41%) |
ナスダック | 19,242.613 | +128.846(0.67%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.480 | -0.025 |
米10年国債(%) | 4.441 | +0.038 |