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2025年6月11日の日経概況及び今後の展望

【市場の総括】

2025年6月11日の東京株式市場は4日続伸しました。終値は前日比209円68銭(0.55%)高の3万8421円19銭で取引を終えました。一時38,529円まで上昇し38,500円の大台に迫りましたが、その後上げ幅を縮小して引ける展開となり、重要な節目での上値の重さが目立ちました。

本日の上昇を牽引したのはハイテク関連銘柄で、米国市場でのハイテク株高を背景とした買いが集まりました。この動きを受けて、日本市場でも半導体関連・半導体製造装置関連への資金流入が継続しており、このトレンドは今後も続く可能性が高いとみられます。

||米国市場はハイテク中心に上昇

前日の米株式市場は反発し、前日比105ドル11セント(0.24%)高の4万2866ドル87セント、ナスダックは3日続伸し、前日比123.752ポイント(0.63%)高の1万9714.989、S&P500種も続伸し、前日比32.93ポイント(0.54%)高の6038.81で取引を終えました。

最も顕著な動きを見せたのはフィラデルフィア半導体(SOX)指数でした。105ポイント上昇(約1.05%上昇)と、ナスダックの0.63%を大幅に上回る上昇率となり、半導体セクターへの資金集中が鮮明となりました。この動きを受けて、日本市場でも半導体関連・半導体製造装置関連への資金流入が継続しており、このトレンドは今後も続く可能性が高いとみられます。

【 今後の投資戦略】

TSMC好決算:昨日の懸念を一掃

本日の上昇の大きな要因となったのは、TSMCの5月売上高が史上最高を更新したことです。昨日は前月比減少が懸念材料となりましたが、5月単月での売上高が大幅に伸びて過去最高を記録したことで、半導体業界全体への楽観論が広がりました。これを受けて半導体関連銘柄が軒並み買われ、日本でも半導体製造装置メーカーなどに順次買いが波及しました。

グロース市場:過熱感に要注意

東証グロース市場の動きには注意が必要です。TOPIX指数がほぼ横ばい(2ポイント上昇程度)で推移する中、**グロース指数は0.6%上昇(4ポイント上昇)**と相対的に強い動きを続けています。

2日連続でギャップアップして上昇していますが、実体がほとんどなく十字線を形成しており、迷いの段階に入った可能性があります。この形状が続けばダブルトップを形成して調整入りするリスクもあり、注意深い観察が必要です。

市場の二極化進む

本日の市場動向を見ると、半導体・ハイテク関連の強さと、その他セクターの停滞という二極化が鮮明になっています。

  • 強いセクター:半導体、半導体製造装置、ハイテク関連
  • 停滞セクター:伝統的な大型株、その他多くのセクター

この傾向は金利環境が継続する限り続く可能性が高く、セクター選別の重要性が一段と高まっています。

 

投資戦略

半導体・ハイテク関連への注目は継続すべきですが、グロース市場の過熱感には警戒が必要です。金利低下環境が続く限り、ハイテク関連への資金流入は継続すると予想されますが、適切な利益確定とリスク管理が重要な局面となっています。

TSMCの好調な業績を背景とした半導体業界への楽観論は当面続くとみられ、関連銘柄への注目度は高い状態が維持されそうです。

本日の1枚:SOX指数

【各市場の動き】

株式指標
日経平均(円) 38,421.19 +209.68(0.55%)
TOPIX 2,788.72 +2.48(0.09%)
為替(日本時間 16:00)
ドル・円 145.08 - 145.09 +0.34(0.23%)
ユーロ・円 165.65 - 165.67 +0.77(0.46%)
ユーロ・ドル 1.1416 - 1.1418 +0.0025(0.21%)
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) 42,866.87 +105.11(0.24%)
S&P500種 6,038.81 +32.93(0.54%)
ナスダック 19,714.989 +123.752(0.63%)
債券・金利
長期(10年)国債金利(%) 1.455 -0.020
米10年国債(%) 4.476 -0.007
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