【市場の総括】
2025年6月18日の東京株式市場は3日続伸しました。終値は前日比348円41銭(0.90%)高の3万8885円15銭で取引を終えました。ついに39,000円台が視野に入る水準まで上昇しました。
朝方は米国市場の下落を受けて安くスタートしたものの、その後は一貫して上昇を続け、ほぼ高値引けとなりました。朝方は地政学リスクの高まりをまともに反映していたものの、その後の上昇は説明がつきにくい状況です。
||米国市場は中東情勢で下落
前日の米株式市場は反落し、前日比299ドル29セント(0.70%)安の4万2215ドル80セント、ナスダックは反落し、前日比180.122ポイント(0.91%)安の1万9521.091、S&P500種も反落し、前日比50.39ポイント(0.83%)安の5,982.72で取引を終えました。
下落要因は、イランとイスラエルの紛争にアメリカの軍事介入の色が濃くなってきたこと。トランプ大統領がイランに対して無条件降伏を求めている一方、イランは徹底抗戦を表明しており、アメリカの直接的な軍事介入への懸念が市場を圧迫しています。
【 今後の投資戦略】
不思議な上昇が続く中、本日の上昇は円安が主な要因だとされています。しかし、円安だけでこれほどの上昇を演出できる情勢なのか、または他の要因が働いているのか、慎重な考察が必要な局面です。注目する動きは指数間でもあります。
指数別パフォーマンスに大きな差が生じています。
- 日経平均:348円高の大幅上昇
- TOPIX:0.77%上昇で堅調
- グロース指数:0.09%の微増にとどまり、長い上ヒゲを形成
これまで上昇をリードしていたグロース市場から、日経・TOPIXといった時価総額の大きい銘柄への資金移動が鮮明になっています。投資家が安全性を重視した銘柄選別を行っていると推測できます。
今後の注意点は現在の日本株上昇がファンダメンタルズに支えられた面もあるが、地政学的不安定さの中での上昇であることを忘れてはならないことです。
「石橋を叩いて渡る」慎重さを保ちながら、構造的成長機会を見極めることが重要です。過度な楽観も悲観も禁物の、微妙なバランスが求められる局面です。またセクター別の選別も大事になってきますが、これについては市場解説の動画の中で詳しく解説しているのでご覧ください。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
---|---|---|
日経平均(円) | 38,885.15 | +348.41(0.90%) |
TOPIX | 2,808.35 | +21.40(0.77%) |
為替(日本時間 16:00) | ||
---|---|---|
ドル・円 | 144.92 - 144.93 | +0.39(0.26%) |
ユーロ・円 | 166.80 - 166.81 | -0.24(-0.14%) |
ユーロ・ドル | 1.1508 - 1.1510 | -0.0049(-0.42%) |
海外株式 | ||
---|---|---|
NYダウ工業株30種(ドル) | 42,215.80 | -299.29(-0.70%) |
S&P500種 | 5,982.72 | -50.39(-0.83%) |
ナスダック | 19,521.091 | -180.122(-0.91%) |
債券・金利 | ||
---|---|---|
長期(10年)国債金利(%) | 1.460 | -0.015 |
米10年国債(%) | 4.397 | -0.055 |