来週の市場展望:日経4万円突破後の調整局面と上昇継続への道筋
日本株市場:念願の4万円突破を達成
先週の日本株市場は大きな動きとなりました。日経平均株価は金曜日に566円高と大幅上昇し、ついに念願の4万円台を突破しました。これまで長らく抵抗線となっていた39,500円を木曜日にあっさりと突破し、金曜日も勢いが衰えることなく上昇を続けました。
この大幅上昇の主な要因は、中東地域の地政学的リスクが緩和されたことです。投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、株式市場への資金流入が加速しました。
TOPIX指数も好調で日本株全体で上昇基調が鮮明になっています。
米国市場:史上最高値更新でハイテク株が牽引
米国市場も同様に力強い動きを見せました。ダウ平均は432ドル高(1%上昇)となり、取引中には42,000ドルを目指す場面もありました。ただし、トランプ大統領が27日にカナダとの全ての貿易交渉を打ち切るとSNSに投稿したことで、終盤はやや伸び悩みました。
特に注目すべきは、S&P500指数がついに史上最高値を更新したことです。2月以来となるこの記録更新は、市場の強気ムードを象徴しています。
ナスダック指数も最高値を更新し、エヌビディアなどのハイテク株が脚光を浴びました。20,000ポイントを明確に上抜けし、一時20,311ポイントまで上昇する場面もありました。
来週の展望:調整後の更なる上昇を予想
来週の日本株市場については、調整局面を経た後、さらなる上昇を目指す展開が予想されます。
4万円という大台達成には一定の達成感があるため、利益確定売りが出やすくなります。しかし、これが暴落につながるとは考えにくく、中東情勢の安定や米国との貿易摩擦リスクが顕在化しない限り、上昇トレンドは継続すると見込まれます。
投資戦略としては、達成感による売りを一時的な調整として捉え、その後の切り返し局面では先高感を持って市場に臨むのが良いでしょう。
注目すべき市場動向
為替市場:神経質な動きが継続
ドル円相場は中東情勢を背景に神経質な動きが続いています。一時148円台まで円安が進む場面もありましたが、その後は円高方向に戻しています。来週も日米間の患者交渉の行方次第で、ニュース一つに敏感に反応する展開が予想されます。
金利動向:日米で真逆の動き
米国の10年物国債利回りは低下傾向が続いています。FRB高官から年内利下げの可能性に言及する発言が相次いでいることが背景にあります。
一方、日本の10年物国債利回りは上昇傾向が続く可能性が高いです。財務省が長期国債の発行減額を発表したものの、需給のタイト化は見られず、債券買いの勢いが弱まっていることが利回り上昇要因となっています。
商品市場:原油は下落、金も調整局面
原油価格は中東情勢の緊迫化で一時上昇したものの、情勢が落ち着くと急落しました。23日だけで9%も下落し、76ドル台から64ドル近くまで下がっています。OPECプラスの生産調整継続により、当面は上昇しにくい環境が続きそうです。
金価格も下落基調が明確になっています。中東リスクの後退により、安全資産としての需要が減少し、支援ライン とされていた2,300ドルも一時的に割り込む状況となっています。
投資戦略のポイント
現在の市場環境では、大型株・主力株への買いが集中している傾向が明確になっています。これは、時価総額が大きく、1株当たりの価格が高い銘柄に資金が流入していることを示しています。
一方で、小型株を中心とするグロース指数は苦戦しており、高値を切り下げて下落トレンドに入っています。このような投資家心理のシフトが明確になっているため、この流れに素直に従った投資戦略が有効でしょう。
来週も引き続き、大型株・主力株を中心とした投資戦略を継続し、調整局面では押し目買いの機会として捉えることが重要です。
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