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2025年6月30日の日経概況及び今後の展望

【市場の総括】

2025年6月30日の東京株式市場は5日続伸しました。終値は前週末比336円60銭(0.84%)高の4万0487円39銭で取引を終えました。月末最終日も上昇で締めくくりました。6月23日月曜日の上昇開始から本日まで、わずか1週間で5.56%もの大幅上昇となりました。

本日の日経平均のローソク足を見ると、実体が小さく上下に長いヒゲを持つ陰線を形成しており、ここで一旦の調整が入る可能性を示唆しています。しかし、この抵抗を上抜けすれば、さらなる上昇が期待できる局面でもあります。

||米国市場は大幅な上昇、ハイテクがリード

前日の米株式市場は続伸し、前日比432ドル43セント(0.99%)高の4万3819ドル27セント、ナスダックは5日続伸し、前日比105.546ポイント(0.52%)高の2万0273.459、S&P500種も続伸し、前日比32.05ポイント(0.52%)高の6173.07で取引を終えました。

FRBが年内に追加の利下げを実施する可能性が高まっており、FRB高官からもそれを示唆する発言が相次いでいます。特にナスダックの上昇が強く、それに連動して日本でも東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連株が大きく上昇しました。

【 今後の投資戦略】

日本株の上昇を抑制する要因となったのがドル円レートの動きです。本日は円買いが進み、1ドル143円台まで円高が進行しました。

この円高の背景には、米国の追加利下げ期待の高まりがある一方で、日本では利上げの可能性が高まっていることがあります。日米金利差の縮小観測が広がり、ドル売り・円買いの動きに繋がっています。

円高基調が強まると、自動車関連株には厳しい展開となります。特に日米貿易協議において、トランプ大統領が日本の自動車に対して依然として不満を持っているとされることも、株価の押し下げ要因となっています。

実際に輸送用機器セクターは1%の下落となり、主要自動車メーカーも軒並み下落しました。円高の影響と日米自動車貿易協議への懸念、この2つの材料が重なっているため、当面は自動車株への投資は慎重になることが良いでしょう。

資金移動の兆し:グロース株に光明

注目すべき動きとして、資金の移動が始まった兆しが見えています。TOPIX指数は日経平均と同様にギャップアップして上昇しましたが、実体が短い陰線を形成しました。

一方で、これまで大型株の上昇時に下落スピードを速めていたグロース指数が今日は上昇しています。ローソク足の形も他の2つの指数と比べて明らかに異なる陽線を形成しており、大型株で利益確定した資金がグロース株に向かう可能性が出てきたことを示しています。

景気敏感株が市場を左右しやすい環境にあるため、グロース株の継続的な上昇は確実ではありませんが、資金のシフトが続く場合は継続して注目する必要があります。

過熱感が惜しげなく出ている日経のチャート

【各市場の動き】

株式指標
日経平均(円) 40,487.39 +336.60(0.84%)
TOPIX 2,852.84 +12.30(0.43%)
為替(日本時間 16:00)
ドル・円 143.83 - 143.84 -0.64(-0.44%)
ユーロ・円 168.80 - 168.82 -0.44(-0.25%)
ユーロ・ドル 1.1735 - 1.1737 +0.0021(0.17%)
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) 43,819.27 +432.43(0.99%)
S&P500種 6,173.07 +32.05(0.52%)
ナスダック 20,273.459 +105.546(0.52%)
債券・金利
長期(10年)国債金利(%) 1.430 ±0.000
米10年国債(%) 4.283 +0.043
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