【市場の総括】
2025年 7月11の東京株式市場は小幅に続落しました。終値は前日比76円68銭(0.19%)安の3万9569円68銭で取引を終えました。小幅下落で週を終えましたが、これは大きな下落というよりも、方向感なく上下に動いている消耗的な動きの一環と捉えるべきでしょう。
これまで解説してきた通り、7月20日の参院選が終わるまで継続すると予想されます。政治的不透明性が市場参加者を慎重にさせ、明確なトレンドが形成されにくい状況が続いています。
||米国市場は上昇
前日の米株式市場は続伸し、前日比192ドル34セント(0.43%)高の4万4650ドル64セント、ナスダックは3日続伸し、前日比19.327ポイント(0.09%)高の2万0630.665、S&P500種も続伸し、前日比17.20ポイント(0.27%)高の6280.46で取引を終えました。
高値付近で上値が重い動きは避けられない状況です。AI関連のチップ・半導体などに期待がかかって買われていますが、関税政策に対する懸念が根強く残っており、それが上値を抑える要因となっています。
市場の話題を独占しているエヌビディアに重要な動きがありました。一昨日は取引中に一時的に4兆ドルを超えましたが、昨日はついに終値でも時価総額4兆ドルを超えました。これは人類史上初の快挙であり、AI革命の象徴的な出来事として歴史に刻まれることでしょう。
【 今後の投資戦略】
TOPIX指数は+10ポイント上昇しましたが、上ヒゲが長い陰線となっており、力強い上昇にはなりませんでした。これも方向感のない動きと解釈するのが適切でしょう。
グロース指数:調整入りの兆し
注目すべきはグロース指数の動きです。2つの指数(日経・TOPIX)が軟調な時はグロース指数が買われやすく、上昇が続きましたがそろそろ高値警戒感が出てもおかしくないと場面でした。今日の結果はその通りで、金曜日ということもあり-2ポイント下落下落率は大きくないが、上ヒゲの長い陰線を形成して調整入り姿勢になると高値の切り下げが継続する可能性が出ており、この動きは、グロース株投資家にとって重要な転換点となる可能性があります。
今週のまとめ
今週は「エヌビディア4兆ドル突破」という歴史的瞬間がある一方で、日本市場は参院選を控えた消耗的な横ばいが継続しました。米国市場は史上最高値を更新し続けていますが、上値の重さも顕在化しており、特にエヌビディアにはダイバージェンスという技術的警戒信号が点灯しています。
今後は政治的イベント通過までの日本市場の膠着を受け入れつつ、個別銘柄の転換点や海外市場の機会を活用した選別投資を心がけることが重要でしょう。来週も引き続き、慎重かつ戦略的なアプローチで市場に臨むことをお勧めします。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 39,569.68 | -76.68(-0.19%) |
TOPIX | 2,823.24 | +10.90(0.39%) |
為替(日本時間 15:00) | ||
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ドル・円 | 146.79 - 146.81 | +0.53(0.36%) |
ユーロ・円 | 171.41 - 171.46 | -0.20(-0.11%) |
ユーロ・ドル | 1.1677 - 1.1678 | -0.0056(-0.47%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 44,650.64 | +192.34(0.43%) |
S&P500種 | 6,280.46 | +17.20(0.27%) |
ナスダック | 20,630.665 | +19.327(0.09%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.500 | +0.010 |
米10年国債(%) | 4.346 | +0.010 |