【市場の総括】
2025年 7月15日の東京株式市場は4営業日ぶりに反発しました。終値は前日比218円40銭(0.55%)高の3万9678円02銭で取引を終えました。前日の米国市場の上昇と1ドル=147円台まで進んだ円安を好感し、輸出関連株を中心に買いが先行しました。
しかし、国内長期金利が一時1.5%台後半まで上昇したことで、金利上昇に弱い不動産株や、資金調達コスト増が懸念されるグロース株が売られ、相場の上値を抑えました。
今後の見通しとして、目先は今夜発表される米国の消費者物価指数(CPI)と、本格化する日米の企業決算が最大の焦点となります。インフレの動向と企業の業績見通しが、今後の相場の方向性を左右するでしょう。
||米国市場は3指数揃って上昇
前日の米株式市場は反発し、前週末比88ドル14セント(0.19%)高の4万4459ドル65セント、ナスダックは反発し、前週末比54.800ポイント(0.26%)高の2万0640.327、S&P500種も反発して8.81ポイント(0.14%)安の6,268.56で取引を終えました。
トランプ政権による追加関税への過度な警戒感が和らいだことに加え、これから本格化する企業決算への期待感から買い戻しが優勢となりました。特に、半導体関連などハイテク株が堅調に推移し、ナスダックの上昇を牽引しました。市場参加者は、日本時間15日夜に発表される6月の消費者物価指数(CPI)の結果を注視しており、インフレの鈍化が確認されれば、利下げ期待が再燃し、さらなる株価上昇のドライバーとなる可能性があります。
【 今後の投資戦略】
本日の日本市場は、日経平均が上昇する一方で、グロース市場が大幅に下落するという二極化の様相を呈しました。これは、金利上昇局面において、投資家の物色の矛先が利益成長の期待が高いグロース株から、安定した収益基盤を持つバリュー株や、金利上昇が追い風となる金融セクターへと向かっていることを示しています。
この流れを象徴するように、業種別では保険や非鉄金属、医薬品、電気機器などが上昇した一方、不動産、卸売、パルプ・紙といったセクターが下落しました。今後の指数動向は、米国の金融政策と国内の長期金利の行方に大きく左右されるでしょう。金利がさらに上昇するようであれば、バリュー株優位の展開が続くと考えられます。
このような市場環境では、相場全体の流れに乗るだけでなく、個別企業のファンダメンタルズを精査する重要性が増しています。M&Aや好決算、株主還元強化といった独自の材料を持つ銘柄は、不安定な相場の中でも力強い動きを見せています。今後の投資戦略としては、金利動向を注視しつつ、ポートフォリオをバリュー株中心にシフトさせながら、好材料の出た個別銘柄を狙っていくのが有効なアプローチと言えるでしょう。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 39,678.02 | +218.40(0.55%) |
TOPIX | 2,825.31 | +2.50(0.09%) |
為替(日本時間 15:00) | ||
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ドル・円 | 147.72 - 147.73 | +0.35(0.23%) |
ユーロ・円 | 172.48 - 172.50 | +0.29(0.16%) |
ユーロ・ドル | 1.1674 - 1.1676 | -0.0010(-0.08%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 44,459.65 | +88.14(0.19%) |
S&P500種 | 6,268.56 | +8.81(0.14%) |
ナスダック | 20,640.327 | +54.800(0.26%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.585 | +0.015 |
米10年国債(%) | 4.435 | +0.019 |