【市場の総括】
2025年12月1日の東京株式市場は5営業日ぶりに反落しました。終値は前週末比950円63銭(1.89%)安の4万9303円28銭で取引を終えました。日銀の利上げ観測の高まりを背景に、直近の急騰の反動も重なって日経平均が大きく反落しました。
一方で、前週末の米国株市場はダウ・ナスダックともに上昇して引けており、日本株の下落は主に国内金利要因に起因する動きといえます。 業種別では銀行株など金利上昇の恩恵を受けるセクターに資金が向かった一方、電力・ガスや内需ディフェンシブ、高PERのグロース株に利益確定売りが広がりました。
||米国市場は3指数揃って上昇
28日の米株式市場は5日続伸し、終値は前営業日の26日に比べ289ドル30セント(0.60%)高の4万7716ドル42セント、ナスダックは5日続伸し、終値は前営業日比150.996ポイント(0.65%)高の2万3365.686、S&P500種も続伸し、前日比36.48ポイント(0.53%)高の6,849.09で取引を終えました。
全体として、ハイテクを中心にリスク選好の動きが続き、主要3指数が揃って上昇する堅調な地合いでした。 S&P500も上昇基調を維持しており、AI関連や大型テックを中心とした買いが指数を押し上げています。
上昇要因としては、10年国債利回りが4%台前半で落ち着きつつある中、今後数週間で4%割れを見込む向きも出てきており、金利ピークアウト期待がハイテク株買いを支えている点が大きいです。
【 今後の投資戦略】
米国市場の今後の見通しとしては、12月のFOMCで利下げが見送られる場合、短期的なリスクオフと米国債への逃避買いが同時に起こるシナリオも意識されています。 ただし、金利の大幅再上昇でなければ、企業業績の底堅さとAI関連投資の継続が中長期で指数を支えるとの見方も多く、調整局面は中期的な押し目買い機会となる可能性があります。
日本市場は金利上昇が追い風となる銀行業が相対的に堅調で、市場全体が下落する中でも上昇トップとなりました。一方、電気・ガス業は下落トップとなり、金利上昇による資金調達コスト増やディフェンシブ志向の後退が意識されています。
今後注目すべきは業種は、銀行・保険などの金融セクターと、価格転嫁力を持つ内需サービス業です。金利上昇やインフレ環境の中でも収益を伸ばしやすいため、中長期のポートフォリオのコアメンバーとなりえます。
【各市場の動き】
| 株式指標 | ||
|---|---|---|
| 日経平均(円) | 49,303.28 | -950.63(-1.89%) |
| TOPIX | 3,338.33 | -40.11(-1.19%) |
| 為替(日本時間 19:00) | ||
|---|---|---|
| ドル・円 | 155.24 - 155.25 | -1.06(-0.67%) |
| ユーロ・円 | 180.41 - 180.43 | -0.54(-0.29%) |
| ユーロ・ドル | 1.1620 - 1.1622 | +0.0045(0.38%) |
| 海外株式 | ||
|---|---|---|
| NYダウ工業株30種(ドル) | 47,716.42 | +289.30(0.60%) |
| S&P500種 | 6,849.09 | +36.48(0.53%) |
| ナスダック | 23,365.686 | +150.996(0.65%) |
| 債券・金利 | ||
|---|---|---|
| 長期(10年)国債金利(%) | 1.865 | +0.065 |
| 米10年国債(%) | 4.014 | +0.018 |




