【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】
実質的に7月の最終週となる今週の株式市場は不安定な動きが予想されます。週間の予定で注目するポイントは二つ。1. 中央銀行イベント2.ハイテク決算
1. 中央銀行イベント
25-26の予定で米国のFOMCが開催され、27〜28日は日銀の金融政策決定会合が開かれます。27日はECB定例理事会でラガルド総裁の会見が予定されているので、日米欧の主要中央銀行が金融政策の行方を語る一週間となります。
焦点になるのはFOMCの利上げを含めた金融引き締めへの態度。Fed Watchでは7 月の0.25%利上げを99パーセント以上の確信で見ており、株価の圧迫要因となりますが、実はこのイベントは織り込み済みだと考えるのが妥当でしょう。
利上げ観測の中でもダウ指数が10日連続で上昇したのは(最後の10日目は2ドル高で減速感が出ている)、それを反映してでも先高観を写していることでしょう。
ただ、注意することはパウエル議長の発言内容。タカ派的な発言が出たときは市場が動揺する場面もあるので、この週は一喜一憂しない態度で挑みたいところです。
2. ハイテクの決算
ダウ指数が10日連続で上昇する間に、ハイテクに下げが目立ってきました。先週末のナスダック指数は続落。先週の決算発表結果で注目されたのはネットフリックス、テスラ。
決算結果を嫌気してそれぞれ大きく下落して市場全体を圧迫しました。週末の市場ではメタ、エヌビディアの下げものしかかり、ハイテク株全体への懸念が広がっています。
25日にアルファベット、マイクロソフト、26日がメタ、インテルの決算発表が予定されているので、26日から27日にかけての中央銀行イベントと重なり、市場の混乱要因となります。
|| 日本市場は半導体関連に注目
上記のことを踏まえて日本市場を眺めると、ハイテク、半導体関連に混乱が予想されながらもやはり注目したいという矛盾する気持ちが湧いてくる。TSMCの工場建設、次世代半導体の量産を目指し5兆円に及ぶ総投資額を北海道に向けるラピダス、SUMCOが佐賀県に建設する最先端のシリコンウエハー工場に対し、経産省が750億円を補助すると発表するなど、
国策で半導体を推すのは明らかで、今後も注目しない理由は見つからない。ただし、短期的にはナスダック指数の下落、GAFAMの決算結果発表など市場を揺らすイベントが予定されているので、長い目で銘柄を選定して半導体関連にアプローチしたい。
SUMCOはもちろんのこと、シリコンウエハーの世界市場におけるシェアをSUMCOと両分する信越化学工業 (4063)、ディスコ(6146)、レーザーテック(6920)など、日本が強みを持ち、注目したい銘柄は多くあります。
短期イベントに揺れない投資感覚が試される一週間になるのではないでしょうか。
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【各市場の動き】
株式指標
日経平均(円) | 32,304.25 | -186.27(-0.57%) |
TOPIX | 2,262.20 | +1.30(0.06%) |
為替
ドル・円 | 141.72 – 141.73 | +0.36(0.25%) |
ユーロ・円 | 157.66 – 157.68 | +0.36(0.22%) |
ユーロ・ドル | 1.1124 – 1.1126 | -0.0003(-0.02%) |
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) | 35,227.69 | +2.51(0.00%) |
S&P500種 | 4,536.34 | +1.47(0.03%) |
ナスダック | 14,032.805 | -30.502(-0.21%) |
債券・金利
米10年国債(%) | 3.839 | -0.012 |