【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】
今週の株式市場は底堅い展開の中、上値は重い動きが予想されます。
多くの投資家が気にしているのは日銀の政策修正による市場への影響。日銀会合で「現状維持」を発表しながら1%の指値オペ(上下0.5%程度をメドとするも、指し値オペは1%で行う)、という奇妙な言い方で市場に混乱を与えました。
夜中2時のYCC修正検討のリーク、続いて金曜日の混乱ぶりで、少しは市場との対話ができるようになったかと思った矢先の期待を見事に裏切ってくれました。対話の課題について不満を言い続けても仕方がないので、自分の戦略に集中することにしましょう。
|| 政策修正の影響は限定的、ただし今後の動きに注意
金曜日午後、土曜日夜間の先物の動きを考慮して今後の動きを予想すると、政策変更による影響は限定的な範囲に留まるでしょう。YCCが今すぐにでも撤廃されるような見方が広がると、円高・株売り(先物売り)に走っていた市場が、実際の長期金利が0.5%台で推移することが確認されると、下げ幅を急激に縮小させました。
800円以上の変動幅で32,000円割れまで視野に入れた市場が終わってみると32,800円まで急速に戻して終わり。市場はYCCを受け入れつつ、先高観を試す展開になりました。
週明けの7月31日も高く寄り付いてから上昇幅600円を超える展開になっています。(10:30現在)10年国債の利回りは0.6%に乗せる場面が出てくる中でこの動きなので、YCC修正の影響は限定的だと市場は受け入れていると考えられます。
|| 底値が堅いことを確認しながら上目線に
日本の市場状況から0.5%-1%の範囲は妥当なレベルだと考えられるので、その範囲で推移する場合は、市場は先高観を強めると予想します。1%を超えるような動きには動揺が広がりますが、「1%指値オペ」、「0.5%めど」を明言している以上、市場に波乱を与えるほどの暴騰はないでしょう。
注意点は0.6から0.7など、位が変わる時に神経質な展開になりやすいということ。それでも先高観が続く場合は、出遅れている成長株、業績発表が終わりその結果が好感されるレベルにある銘柄が物色されます。注目してみる価値があります。
|| 主要イベントにも注目
今週は主要な指標の発表が多く予定されています。最も注目されるのは「指標の王様」米国の雇用統計。8月4日の金曜日に発表されるとともに、アップル、アマゾン・ドットコムの決算発表も行われるので、その結果を見極めたい心理が働くので、木曜日周辺から様子見が広がりやすいでしょう。
8月1日は7月ISM製造業景気指数が発表され、3日に7月ISM非製造業景気指数発表と併せて、景気指数のピークを迎えます。市場予想通り7月に0.25%の利上げがあったので、今後は利上げの停止可能性が固まる結果になるかが焦点です。
前半のISM発表の後、週の中盤でピークを作った後、後半は様子見の持ち合いになると予想して、それに併せて戦略立案・行動しましょう。