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2023年10月3日の日経概況

【市場総括】

2023年10月3日の東京株式市場は大幅に続落しました。終値は前営業日比521円94銭(1.64%)安の3万1237円94銭。6月1日以来、4カ月ぶりの安値まで下げてきました。前日の米国市場が長期金利の上昇で下押しの圧力が強くなったことを背景に売りが先行してスタート、ナスダックは割安圏まで下げてきたことに着目した押し目買いで続伸。日本市場は長期金利の方に反応しました。アジア市場全体が軟調で下げを深めることで下げ幅は広がり、31,100円割れも視野に入れる場面がありましたが、下げ幅を縮小しながら終わりました。

本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は続落と続伸でまちまちな動きが続きました。ダウ工業株30種平均は続落して、前営業日比74ドル15セント(0.22%)安の3万3433ドル35セント、ナスダック総合株価指数は続伸して、前営業日比88.451ポイント(0.66%)高の1万3307.773、S&P500種株価指数も続伸して前日比+0.34(0.00%)の4,288.39で取引を終えました。

長期金利の上昇が続いたことが投資家心理を悪化させました。債券市場で長期金利が2007年10月以来の水準である4.70%まで上昇、金融引き締めの長期化が懸念されました。

米政府の一部機関の閉鎖は9月30日夜に回避されましたが、11月半ばまでの時限的な措置で、2024会計年度の本予算はまだ成立してないことも市場の心理萎縮につながりました。一方、直近の下げがきつかったハイテク関連は割安さに基づいた買いが続きました。

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【日本市場の動向】

日本市場は前日の米国市場が長期金利の上昇で下押しの圧力が強くなったことを背景に売りが先行してスタートしました。ナスダックは割安圏まで下げてきたことに着目した押し目買いで続伸しましたが、日本市場は長期金利の方に反応しました。

アジア市場全体が軟調で下げを深めることで下げ幅は広がり、31,100円割れも視野に入れる場面がありましたが、売られ過ぎが意識され下げ幅を縮小しながら終わりました。

業種別の動きは33業種中、すべての業種が下落する全面安の展開となりました。特に下げが目立ったのは、原油関連で鉱業、石油・石炭製品が下落率1,2位、非鉄金属、てっこう、ガラスなどの景気敏感業種も厳しい下げで、下落3%以上を記録しました。

比較的に下げ幅が小さかったのは内需系で食料品、小売業、不動産業などが固く防御した方で、海運業、空運業、サービス業など景気敏感業種の一角も下げ幅も限定的でした。

【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は短い下ヒゲを持つ陰線を形成しました。前日の終値から下離れしてスタート、そのまま下げて終わったので下向けのギャップをあけました。支えになると予想されていた8月18日の安値(31,275円)も下回り、心理が大幅に悪化しました。

本日の終値付近は5月の終盤で2週間にわたって乱高下しながら持ち合ったところで、支えられる可能性が高いと思われるポイントです。また下向けのチャンネルラインは31,000円付近に下の線が引かれているので、こちらも支えられるポイントです。

サポートラインの目処で下げ止まるかをチェックするのも大事なことですが、まだ下げ止まってないということを確認するのも重要なので、買いのポジションを新たに作らないようにしましょう。

東証プライムの売買代金は3兆7181億円、売買高は16億3126万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1663、値上がりは159、変わらずは13銘柄でした。

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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

前日は謎の下げという風にとらえられましたが、本日は割と納得のいく動きとなりました。FRBによる金融引き締めの長期化観測は根強く、4.7%台に乗せてきた長期金利のパワーは市場を支配しています。

それに加えてアジア市場が軟調な動きになったことも加わり下げ幅を広げました。実質的に始値を上回る場面はほとんどなく、途中の横ばいを除けばほとんど下げていく動きとなりました。

これを反映して投資家心理が悪化、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)が上昇、20.30まで伸びました。VIの上昇は市場の下方圧力として働くので、さらなる下落も想定しておくのが良いでしょう。特に安定的な動きになっていたVIが20を上回るのは2023年8月9日以来のことで厳重な注意が求められます。

米国市場ではナスダックとS&P500が上昇しており、日本市場だけが一人負けのように見えますが、実は米国市場の動きも決して上を向いているわけではありません。

米国株取引を行なっている投資家も下げ方向で、先安感を保つ必要があります。国内市場では多くの銘柄が天井を過ぎて下げトレンドに転換しようとしています。

投資の基本戦略は変更せず、前日の記述通り「当分の間はバリュー・割安株(低PBR)の方に銘柄選定の力を注ぐ。または、景気敏感業種に対するショートトレードを仕掛けるのも一つの有効な戦略」を維持します。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)31,237.94-521.94(-1.64%)
TOPIX 2,275.47-38.97(-1.68%)

為替

ドル・円 149.90 – 149.92+0.16(0.10%)
ユーロ・円 156.86 – 156.87-1.45(-0.91%)
ユーロ・ドル 1.0462 – 1.0464-0.0110(-1.04%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 33,433.35-74.15(-0.22%)
S&P500種4,288.39+0.34(0.00%)
ナスダック13,307.773+88.451(0.66%)

債券・金利

米10年国債(%)4.671+0.094
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