【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】
2023年10月23日の東京株式市場は続落しました。終値は前営業日比259円81銭(0.83%)安の3万0999円55銭。10月6日以来、心理的な節目となる3万1000円を下回りました。
下落の背景になった最初の要因は先週末の米国市場。金曜日の米国市場は長期金利上昇、地政学リスクの高まりを背景に3指数揃って下落しました。金融引き締めの長期化を容認する姿勢をFRBの高官が示しことも市場心理を悪化させる要因となりました。
|| 31,000円割れの日本株、大丈夫か?
日本市場は米国市場の下落を背景に売りが先行してスタート、一時的に31,200円付近まで戻る動きを見せましたが、ボックスの中に入った格好で1日中方向感なしの展開となりました。
高値と安値を切り下げる陰線が続き、10月13日以降、陽線を形成した日は先週末の10月20日のみで、険しい下落の道を辿っています。10月20日の陽線も形では高値と安値を切り下げて上髭が長い陽線で、力強さは見られない流れでした。
総合して考えると、どうみても好調な動きにはなってない日本市場。米国市場の軟調ぶりも加わり、好転の兆しはまだ出ていません。 現在の相場は日本企業の業績に期待する内部要因より、地政学リスク及びアメリカの長期金利と言う外部要因によって形成されているものです。
外部要因がここまで圧力をかけてきたので、やはり市場が好転するためには外部環境の好転が必須です。 下げトレンドを強めている米国市場が力強く反転しない限り、安くなっているので今のうちに買っておこう、と言う動きにはつながりません。
|| マザーズ指数の動きにご用心
特に不気味な動きをしているのはマザーズ指数、本日だけで3%を超える下落で年初来安値を更新しました。本日の終値は昨年の6月の安値水準まで接近しており、ここまで上昇幅をすべて返上したことになります。
もちろん、マザーズ指数自体が10月末日をもって廃止されますが、年初来安値更新という心理的圧迫感は残り続けます。業績発表シーズンに入るにつれて、マザーズ指数を含めグロース系の動向には注目したいところです。
投資戦略としてはまだ買いを入れるには早いと判断、ただし、信用評価損益率が先週の10%台から9%台に改善、騰落レシオが2021年11月以来の水準まで低下するなど売られるすぎによる一時的な反発は見られるタイミングです。
騰落レシオは21年以来の低さに
それでも安定的な反発というよりは乱高下の一部に過ぎないことも想定されるので、反発のタイミングで買いを実施しても短期で利益確定すると割り切って入るようにしてください。
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【各市場の動き】
株式指標
日経平均(円) | 30,999.55 | -259.81(-0.83%) |
TOPIX | 2,238.81 | -16.84(-0.75%) |
為替
ドル・円 | 149.97 – 149.98 | ±0.00(0.00%) |
ユーロ・円 | 158.90 – 158.92 | +0.38(0.23%) |
ユーロ・ドル | 1.0594 – 1.0596 | +0.0024(0.22%) |
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) | 33,127.28 | -286.89(-0.85%) |
S&P500種 | 4,224.16 | -53.84(-1.25%) |
ナスダック | 12,983.807 | -202.368(-1.53%) |
債券・金利
米10年国債(%) | 4.925 | -0.063 |