【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】
2023年10月30日の東京株式市場は反落しました。終値は前営業日比294円73銭(0.95%)安の3万0696円96銭。中東情勢の悪化を受けて下げた米国市場の影響で下げ幅は10月24日の直近安値を切り下げる場面もありました。
|| 中東情勢の悪化米国市場が下落
先週末の米国市場はダウ指数が大きく下げました。ダウは反落して前日比366ドル71セント(1.11%)安の3万2417ドル59セント、ナスダックは3営業日ぶりに反発して、前日比47.406ポイント(0.37%)高の1万2643.011で取引を終えました。
イスラエルが27日、ガザへの地上作戦を拡大すると述べたと伝わったことが投資家心理を悪化させました。ダウは3月以来の安値で終えましたが、アマゾン・ドットコムの決算が好感されたナスダックは上昇して引けました。
|| 日本市場は日銀会合の結果待ち
日本市場は米国市場の下落、中東情勢の悪化を受けて売りが先行してスタートしました。30日の米長期金利が上昇して下げ幅を広げる場面もありましたが、31日に予定されている日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいとの心理で買い戻され、下げ幅を縮小しながら終わりました。
日本市場は不安定な動きが続き、TOPIXも反落、23.41ポイント(1.04%)安の2231.24で取引を終えました。マザーズ指数は小幅の下落で終わりましたが、年初来安値付近に止まっており、投資家心理が改善したみられない状況です。
|| 日銀会合のチェックポイント
今週は日本と米国で重要イベントが目白押し。まず、日本の金融政策会合は10月30日-31日に開催され、市場の見方は現在の政策を据え置きとなっています。
緩和維持の場合は長期金利が低下することで円安、株高につながるでしょう。一方、考えにくいことではありますが、YCC(イールドカーブ・コントロール)が修正されるサプライズがあれば、真逆の動きとなるでしょう。
米国では10月31日から11月1日にかけてFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される予定。今回は「利上げ見送り」という見方が強く、筆者もそう考えているので、その場合は無事通過となるでしょう。
Fed Watchでは利上げ見送りが96%、一週間前の98%台から低下したものの、見送りという予想は揺らいでない
|| 日本市場は決算結果を反映して乱高下
米国市場は主な企業が市場予想を上回る結果を発表して市場を支えていますが、全体的な下げ基調を防いで上昇に戻すまでの力はもっていません。決算以上に市場を動かしている要因は長期金利の動向です。
日本市場も今週は業績発表が多く予定されており、特に半導体関連銘柄の業績発表が注目されます。先週の動きからすると決算の結果を反映して乱高下が続く可能性が高く、業績が出揃うまでは不安定な動きは続くと考えています。
日本市場が再び浮上する条件は、FOMC及び日銀金融政策決定会合を無事に通過して、市場を失望させない決算結果が揃うことでしょう。 すべての条件が完璧です揃うと言うのは非常に難しい話なので、積極的な売買が見られないのは予想できることです。
特に投資主体別売買動向を見ると 外国人投資家が3週間ぶりに売り越しに転じています。乱高下が当分続くと言うのは、当然あることとして割り切るのが心理的には安定するでしょう。
反転が見られる時はおられすぎている業種が注目されやすいので、繊維業、医薬品に注目して銘柄を選定してみましょう。
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【各市場の動き】
株式指標
日経平均(円) | 30,696.96 | -294.73(-0.95%) |
TOPIX | 2,231.24 | -23.41(-1.04%) |
為替
ドル・円 | 149.63 – 149.65 | -0.52(-0.34%) |
ユーロ・円 | 158.19 – 158.21 | -0.34(-0.21%) |
ユーロ・ドル | 1.0570 – 1.0572 | +0.0012(0.11%) |
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) | 32,417.59 | -366.71(-1.11%) |
S&P500種 | 4,117.37 | -19.86(-0.48%) |
ナスダック | 12,643.011 | +47.406(0.37%) |
債券・金利
米10年国債(%) | 4.839 | -0.006 |