2021年7月16日の東京株式市場は3営業日続落しました。
終値は前営業日比276円01銭(0.98%)安の2万8003円08銭でした。
前日はTSMCの決算結果が日本市場に下押しの影響、
米国市場もこの材料でハイテク・半導体関連銘柄が売られました。
日本市場は米国市場の流れを引き継ぎ、半導体、精密機器を中心に下げが加速しました。
週末の米国市場も反落と続落で厳しい動きになったことを受け、
来週は弱含みの動きが予想されます。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸と続落、まちまちな動きが続きました。
ダウ工業株30種平均は続伸して、
前営業日比53ドル79セント(0.2%)高の3万4987ドル02セント、
ナスダック総合株価指数は3営業日続落して
前営業日比101.819ポイント(0.7%)安の1万4543.133で取引を終えました。
好決算を発表した銘柄に買いが集中して
ダウを押し上げましたが、
最高値を更新し続けたナスダックは
3日連続で利益確定の売りに押されました。
TSMCの決算結果は米国市場にも影響を及ぼし
半導体関連全般が売られて
ナスダックの下げ幅を深めました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日の米国市場で
ハイテク関連銘柄が下げたのを背景に
半導体、精密機器系を中心に売りが進みました。
下げ幅が400円を超えるところまで進みましたが、
支えとして期待される28,000円を下回ると
押し目買い、空売りの買い戻しが重なり
下げ幅を縮小して終わりました。
海運業の変動性は変わらず高く、
本日は上昇率1位で、前日唯一の上昇業種だった鉄鋼が
上昇率2位で連勝です。
医薬品が下落して、精密機器、鉱業、
その他製品も厳しい動きとなりました。
日経の日足は上下髭を持つ短陰線を形成しました。
前日の終値から下放れしてスタート、
そのまま下落する下向けのギャップを開けました。
安値では28,000とボリンジャーバンドの-2σを
割り込んで下げが加速しましたが、
終値でかろうじて戻して終わりました。
支えになってくれることが期待された
28,000円を維持して終わった事は、
慰安材料にはなりますが、安心材料にはなりません。
前日の解説「2万8000円とボリンジャーバンドの-2σが
重なっていることから支えになるとみられますが、
逆にここを抜けてしまうと下げのスピードはさらに増す可能性があります。」
これを思い出してください。
東証1部の売買代金は概算で2兆1550億円、
売買高は9億3558万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1058、
値上がりは1008、変わらずは126銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
待ちに待った、という表現は
お世辞でも言えづらいオリンピックが
金曜日の23日から開幕します。
開催地の東京は感染拡大が収まらない中で
国民の反対を押し切って行われるオリンピック、
ここまでくると、感染爆発せずに
無事に終わってくれることを祈るしかない気持ちです。
4年の一度のイベントで例年は大きな盛り上がりをみせ、
株式市場も恩恵を受ける銘柄を探すのに夢中ですが、
今回は感染者数のみがスポットライトを浴びている
残念な状況です。
この状況を考えると「上昇期待」よりは
「下げさえしなければまだマシ」という雰囲気に
なりやすいでしょう。
こんな上昇で週末の米国市場は幅のある下落となりました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比299ドル17セント(0.9%)安の3万4687ドル85セント、
ナスダック総合株価指数は4営業日続落して
前営業日比115.896ポイント(0.8%)安の1万4427.237で取引を終えました。
デルタ型の感染がアジアを中心に広がり、
米国でも複数の州でマスクの着用勧告、義務付けました。
景気回復への期待に水を刺す材料で
再び景気停滞につながるとの懸念が投資家心理を悪化させました。
6月の米小売売上高が市場予想とは反対に
増加したことを背景に朝方は上昇する場面もありましたが、
世界的に懸念事項が上昇を打ち消し、
引けにかけて下げ幅を拡大させました。
米国市場に連動してシカゴ市場で16日の日経平均先物は続落です。
9月物の終値は前日比300円安の2万7790円、
16日の大阪取引所の終値を140円下回りました。
まとめて来週日本市場の展望は「弱含み」。
22日が海の日、23日が体育の日で4連休が控えており
立合日3日でそもそも盛り上がりにくい日柄。
その中で決算発表が始まり、22日にECB定例理事会、
23日の開幕とイベントも続くことで
ニュース一つ一つに敏感に動き、上げにくい流れになるでしょう。
3日間であげるといっても連休前は
感染拡大が意識され、様子見・またはポジションを手放す
動きになりやすいことから弱含みと判断します。
空売りの比率を増やす場合は
まだ下げの余地があるゴム製品、金属製品などの素材系、
電気機器、輸送用機器などが狙い目です。
一時的な上昇が入る場合も
オリンピック期間中の感染増加が懸念材料で
頭の片隅を占めることで、
景気敏感セクターには変動性が高まるでしょう。
デイトレード、スキャルピングなどの超短期トレードには
向いてるので、注目してみましょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,003.08 -276.01(-0.98%)
ドル・円
110.08 – 110.10 +0.31(0.28%)
ユーロ・円
129.96 – 129.97 +0.04(0.03%)
ユーロ・ドル
1.1804 – 1.1805 -0.0031(-0.26%)
NYダウ工業株30種(ドル)
34,987.02 +53.79(0.15%)
S&P500種
4,360.03 -14.27(-0.32%)
ナスダック
14,543.133 -101.819(-0.69%)
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