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2021年8月16日の日経概況

2021年8月16日の東京株式市場は大幅に下落しました。
終値は前営業日比453円96銭(1.62%)安の2万7523円19銭でした。
一部銘柄の9割が下がる全面安の展開となりました。
米国市場は市場予想を下回る消費者態度指数にもかかわらず
連日の最高値更新、東京市場にも期待がかかりましたが、
中国の指標まで悪化していることを受け、売りが広がりました。
9割が下がる全面安の展開で銘柄の選定が難易度を増す日本市場、
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

週末の金曜日、ダウ工業株30種平均は小幅に4日続伸、
前日比15ドル53セント高の3万5515ドル38セント、
ナスダック総合株価指数も続伸、
前日比6.636ポイント高の1万4822.898で取引を終えました。

朝方は消費者態度指数が市場予想を大きく下回り、
景気回復の期待が後退したとみられ、
下げる場面がありました。

その後は長期金利が低下したことを材料に
ハイテク関連が買われ、プラスに転じましたが、
方向感のない動きに終始しました。

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【日本市場の動向】

日本市場は悪化した海外の景気指標と
地政学リスクが意識され半月ぶりの安値まで下げました。
先週末に発表された米国の消費者態度指数が
市場予想を下回り、シカゴの日経先物もさえない結果になったことから
大きく下げてスタートしました。

本日の午前中に発表された
中国の工業生産高、小売売上高も市場予想を下回った
ことが伝わると下げ幅を拡大して、
7月30日以来の安値を記録して取引を終えました。

海運業、空運業の2業種のみが上昇、
31業種はすべてさげました。
特に内需系の下げが目立ち、
倉庫・運輸関連、サービス、卸売業の下げが大きく、

輸送用機器、パルプ・紙、非鉄金属など
景気敏感、輸出関連業種の下げも目立ちました。

日経の日足は下髭が長い陰線を形成しました。
先週末の終値から下放れしてスタート、
そのまま下げて下向けのキャップを形成しました。

先週末の高値を抜けることで200日線に支えられる形になり
上昇トレンドへの戻りが期待されましたが、
本日の下げで、下に向かってトレンド転換、

さらに明日も本日の安値を下に抜けると
下げトレンドは加速する流れになりました。

ここで下げ止まるか、下げが加速するかは
誰にもわからないことなので、
ロスカットポイントに到達したものは
しっかり切っておくようにしましょう。

東証1部の売買代金は概算で2兆3230億円、
売買高は10億3655万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1944、
値上がりは196、変わらずは48でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

先週末、最高値を更新した米国市場の動きを
引き継ぐことはないにしろ、
ここまでの下げ幅は予想しなかったので、
市場には失望感が広がりました。

米国の経済指標がさえない結果であったことに、
中国の指標まで市場予想を下回ると
追い討ちをかけるような下げにつながりました。

テクニカル的に意識される
27500円を下回る場面が場中に数回見られましたが、
その度に切り返し、終値でも割り込むことはなく
上回って終わったことが一つの救いといえば救いでしょう。

経済指標だけでここまで下値を模索する動きにはなりにくく、
タリバンによるアフガニスタン掌握が
懸念材料として加わったとみるのが妥当な分析のようです。

為替市場が先週末から急激な円高基調に振れるなど
支援材料が何一つ見つからないことで
ここまでの下げを見せましたが、

これが明日も継続するので空売りをいっぱい仕掛けるチャンスかというと
それも難しい、物色される銘柄は
しっかり買いが入り続けるので、
いつ切り返してもおかしくはない状況です。

特に気になる材料は
22年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が
前年同期比89.9%増の1426億円に拡大した東京エレクトロン、
これに伴い今期の上期配当を従来計画の524円から562円に増額、
下期配当も従来計画の537円から627円に増額修正するなど、
希望の光を照らすような内容でした。

これを受けて半導体関連が活気付き、
市場全体が活性化する起爆剤になってくれるか、
明日の反応に注目が集まります。

もう一つは本日の米国市場がどのように反応するか、
これによって明日の動きも決まりそうですが、
変動性が高くなっているからこそ、
自分が決めたロスカットポイントは動かさない勇気が必要です。

半導体関連が動き出すことに合わせて
業績がしっかりした銘柄を物色するのは良い戦略でしょう。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,523.19 -453.96(-1.62%)
ドル・円
109.34 – 109.35 -0.95(-0.86%)
ユーロ・円
128.81 – 128.83 -0.61(-0.47%)
ユーロ・ドル
1.1779 – 1.1781 +0.0045(0.38%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,515.38 +15.53(0.04%)
S&P500種
4,468.00 +7.17(0.16%)
ナスダック
14,822.898 +6.636(0.04%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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