2021年8月19日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比304円74銭(1.10%)安の2万7281円17銭でした。
7月FOMCの議事要旨の内容が市場を揺るがし、
米国市場は続落しました。
日本市場は米国の流れを引き継ぎ売りが先行してスタート、
トヨタの悪材料まで加わると、7ヶ月ぶりの安値で引けました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は2営業日続落して、
前営業日比382ドル59セント(1.1%)安の3万4960ドル69セント、
ナスダック総合株価指数は3営業日続落して、
前日比130.267ポイント(0.9%)安の1万4525.914で取引を終えました。
7月のFOMCの議事要旨が公開され、
その内容が市場を揺るがしました。
FOMCの中では年内のテーパリング開始を
示唆する発言が大半で、
金融緩和の縮小を警戒する売りが広がりました。
7月の米住宅着工件数が市場予想を下回り、
軟調な経済指標が相次ぐことも警戒感を増幅させ
午後に入って下げ幅を拡大しました。
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【日本市場の動向】
日本市場はFOMCの議会要旨を材料に
続落した米国市場の流れを引き継ぎ、
売りが先行してスタートしました。
新型コロナの感染が世界的に拡大したことや、
トヨタの9月の世界生産が4割減など
コロナの影響が懸念されるニュースが続くと
下げ幅を拡大しました。
医薬品、食料品の2業種のみが上昇、
全面安の展開となりました。
精密機器、情報・通信業も業種全体は下げましたが、
物色される銘柄が散見され、下げ幅は相対的に小さい範囲でした。
大きく下げたのは前日まで好調だった景気敏感株で
鉄鋼、海運業、鉱業の下げがきつく、
輸送用機器、石油・石炭製品も幅のある下げになりました。
日経の日足は上髭の方がながい陰線を形成しました。
形では下げ幅が大きくないように見えますが、
前日が陽線でひけたぶん、
実質的な下げ幅は大きくなっています。
前日は7月30日の安値が意識されて、
安値まで割り込むと深い下げが待っていると解説しました。
本日の安値レベルでは一旦割り込みましたが、
終値では戻して終わり、
ここから切り返したら、支えられたと見られる可能性も残りました。
いずれにしても一時的ではありますが、
安値を割り込んだことは心理的に印象が悪いので、
さらなる急落を警戒しましょう。
東証1部の売買代金は概算で2兆1808億円、
売買高は9億4654万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1435、
値下がりは659銘柄、変わらずは93銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
7カ月半ぶりの安値まで沈んだ日経、
なかなか厳しい動きを見せてくれました。
7月30日の安値が27272円安、
本日の安値は27255円まで進んで、
意識されやすい安値を割り込んだことになります。
テーパリング開始の趣旨は確かに市場への悪影響ですが、
一つ異なる点は、
FRBが市場との対話を続けてきた点です。
というのは「テーパリングが昨日、今日のニュースでいきなり
飛び出た材料か」ということを考えれば
容易にわかることです。
テーパリングという言葉が市場で意識され議論されたのは
少なくとも半年以上となり、
実はある程度の覚悟はできていたとみることができます。
当然、株価の動きにも反映され、
耐性が形成されていると考えてもよいでしょう。
なにしろ米国の下げは史上最高値を更新し続けてからのことなので、
いますぐ悲観的になる必要はありません。
注意すべき点は、トヨタの下げが本日の悪材料を
消化したとみられるかどうか。
場合によってはトヨタのみならず、自動車産業全体、
そして全市場に影響する可能性もあることを認識しておきましょう。
自動車産業関連、景気敏感セクターにかぶっている
銘柄に対して、当分警戒が必要です。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,585.91 +161.44(0.59%)
ドル・円
109.64 – 109.65 +0.32(0.29%)
ユーロ・円
128.44 – 128.46 -0.25(-0.19%)
ユーロ・ドル
1.1714 – 1.1716 -0.0058(-0.49%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,343.28 -282.12(-0.79%)
S&P500種
4,448.08 -31.63(-0.70%)
ナスダック
14,656.181 -137.581(-0.92%)
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