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2021年8月20日の日経概況

2021年8月20日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比267円92銭(0.98%)安の2万7013円25銭でした。
トヨタショックと言われる日でした。
年初来安値を更新して12月28日以来の安値を記録しました。
米国市場は木曜日までまちまちな動きが続いた後、
金曜日に上昇でおわり、週明けは反発する動きも予想されますが、
来週を通して方向感の欠ける動きになると展望します。

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【米国市場の動向】

米国市場は19日、続落と反発でまちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は3営業日続落して、
前営業日比66ドル57セント(0.2%)安の3万4894ドル12セント、
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発して、
前日比15.875ポイント(0.1%)高の1万4541.789で取引を終えました。

7月のFOMCの議事要旨が継続して
投資家心理に影響を与えました。
景気敏感株を中心に売りが広がり、
270ドル安まで進みましたが、

エヌビディアを始め、ハイテク関連銘柄、
ディフェンシブ部門に買いが入り、
下げ幅を縮小させて取引を終えました。

米国市場の20日は、反発と続伸で上昇しました。
ダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発して、
前営業日比225ドル96セント(0.6%)高の3万5120ドル08セント、
ナスダック総合株価指数は2営業日続伸して、
前日比172.874ポイント(1.2%)高の1万4714.663で取引を終えました。

前日まで押しが強かった景気敏感株の一部、
消費関連株に押し目を拾う買いが入り、
ハイテク部門には好調な業績を背景に
上昇が続きました。

新型コロナウィルスの感染拡大には
歯止めがかかっておらず、
テーパリングの開始も引き続き重荷となり
上値を追う動きには繋がりませんでした。

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【日本市場の動向】

日本市場は前日に発表されたトヨタの大幅減産が
嫌気され、自動車産業全般を中心に売りが強まりました。
完成車メーカーはもちろん、トヨタと関係の深い

部品メーカーも売られ、市場全体を押し下げました。
市場には製造業を中心とした
コロナウィルスの生産面への影響が懸念され
製造業全般、景気敏感株が幅広く売られました。

電気・ガス業が上昇率1位、陸運業、小売業、
食料品など内需系が上昇率上位を占め、
前日上昇した医薬品が続けて好調でした。

下落が大きかったのは海運業、鉄鋼などの景気敏感株、
トヨタが大きく下げることで連れ安した
輸送用機器が下落率2位でした。

日経の日足は上下髭を持つ陰線を形成しました。
前日の終値から下離れしてスタート、
そのまま陰線を形成して、
実体レベルではギャップを開けました。

支えとして意識されていた7/30の安値はもちろん
1/6の安値も割り込み、
年初来安値を更新しました。

終値がボリンジャーバンドの-2σを割り込んで
すべてのバンドが下向き、角度はさらに下向きに変わり、
堅調な下げトレンド継続を示しました。

売られすぎのサインはすでに出ていますが、
来週の前半は戻して、心理を和らいでくれるのか
米国市場の堅調さに期待したいところです。

商いは7月末以来3週間ぶりの高水準、
東証1部の売買代金は概算で2兆8305億円、
売買高は12億3197万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1411、
値上がりは693、変わらずは85銘柄でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

前日はトヨタの発表を受けて、
「注意すべき点は、トヨタの下げが本日の悪材料を
消化したとみられるかどうか。
場合によってはトヨタのみならず、自動車産業全体、
そして全市場に影響する可能性もあることを認識しておきましょう。

自動車産業関連、景気敏感セクターにかぶっている
銘柄に対して、当分警戒が必要です。」と解説、

警戒が必要だと伝えたことがそのまま
市場で顕在化されたような動きとなりました。

その反面、テーパリングの早期開始懸念で
押されていた米国市場が週末に反発、
ハイテク関連は続伸して
日本とは乖離した流れで1週間の取引を終えました。

米国市場の流れを受けて、
20日の日経平均先物は小幅に反発、
9月物が前日比10円高の2万7260円で引けました。

20日の大阪の終値を250円上回って終わり、
日本市場への反転を期待する見方を持って
月曜日の相場を迎えることとなりました。

軟調な結果で1週間を終えた日本市場、
来週の展望はこれ以上押されることは難しいですが、
上げる材料も欠如した方向感に欠ける展開と予想します。

世界の注目は26日から28日まで開催される
ジャクソンホール会合。
その内容に神経を尖らせているので、
少しのニュースで揺れる神経質な展開になるでしょう。

今回のジャクソンホール会合で注目されるポイントは
テーパリングの開始を含む金融政策全般に対する
示唆が出てくることです。

念頭にいれておくことは7月のFOMC議事要旨が直近発表され、
市場を揺るがしたので、なんらかの示唆は出るはずですが、
世界の市場はすでに折り込み済みであることです。

要は実際の開始時期に関する具体的な内容が含まれるか否か、
もうちょっと想像力を発揮すると、
金融政策に対するさらなる言及があるかということで、

折り込み済みではあるが、
ジャクソンホール会合の日程前後では
より神経質な動きもあり得ます。

週末に予定されている分、
週全般では方向感の定まらない動きが予想されますので、
最初からそのように割り切って、
一方的にポジションを傾ける投資戦略は立てない方がよいでしょう。

神経質な時に力を発揮する
景気変動に左右されにくい内需・ディフェンシブ部門が物色されるので、
注目してみる価値があります。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,013.25 -267.92(-0.98%)
ドル・円
109.78 – 109.80 +0.01(0.00%)
ユーロ・円
128.45 – 128.50 +0.21(0.16%)
ユーロ・ドル
1.1700 – 1.1704 +0.0018(0.15%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,120.08 +225.96(0.64%)
S&P500種
4,441.67 +35.87(0.81%)
ナスダック
14,714.663 +172.874(1.18%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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