2021年9月2日の東京株式市場は4営業日続伸しました。
終値は前営業日比92円49銭(0.33%)高の2万8543円51銭でした。
米国市場はADP雇用統計が市場予想を下回ったことで
ダウが下げましたが、長期金利の落ち着きでナスダックが上昇しました。
日本市場はナスダックが最高値を更新したことで、
半導体など景気敏感業種を中心に買いが進みました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落と反発でまちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は小幅に3営業日続落して、
前営業日比48ドル20セント(0.1%)安の3万5312ドル53セント、
ナスダック総合株価指数は反発して、
前日比50.146ポイント(0.3%)高の1万5309.381で取引を終えました。
雇用統計の前哨戦となるADP全米雇用リポートは、
非農業部門の雇用者数が市場予想を下回り、
雇用回復の鈍化が意識されて利益確定が優先されました。
一方、長期金利が落ち着いてことから
ハイテク部門には買いが入って
ナスダックは上昇、最高値を更新しました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場でハイテク関連が
堅調な動きを見せたことを背景に
半導体を中心に買いが進みました。
買いが一巡した後は
3日間で800円以上を上げたことから
短期の利益を確定する売りが進み、
上げ幅を縮小させました。
金属製品、その他製品、精密機器など
半導体関連、部品関連が買われ、
保険が前日に続き、つよい上昇をみせました。
空運、陸運が下げ、鉄鋼、非鉄金属などの
景気敏感銘柄に売りが出たほか、
銀行業も短期の利益確定に押されました。
日経の日足は上下髭を持つ短陰線を形成しました。
前日の終値から上放れしてスタート、
途中で下げることでヒゲを作りしましたが、
陽線で引けたので、実体レベルでは上向きのギャップをあけました。
実体全体がボリンジャーバンドの+2σの外にあるので、
上向きのスプラッシュが発生しましたが、
本日の形は上昇のモメンタムが弱まるものです。
前日は「28,500円〜28,700円の間に戻り待ちのポジションが
溜まっているので抵抗になることが予想されますが
ここまで突破すると
流れは上昇の方に傾くでしょう。」と解説、
やはり意識されているような結果です。
明日から下げに転じる場合は、28,000円を支えの目処とする
短期的な調整に入ります。
もちろん、そのまま上昇すると、7月の高値を
目処に上昇に拍車がかかるでしょう。
東証1部の売買代金は概算で2兆6395億円、
売買高は10億5806万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は896、
値下がりは1197で、変わらずは96銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
市場予想60万円以上に対して、
実績は30万人台(正確には37万4000人増)、
ADP雇用統計は意外な結果となりました。
市場では雇用情勢の鈍化がテーパリング開始の
開始を遅らせる要因になるとの期待で
下げ幅は限定的で、ナスダックはお構いなしの上昇でした。
直近、米国市場との相関が弱くなった
日本市場は本日も上昇、
利益確定の売りでマイナスに沈む場面もありましたが、
力強く戻してプラスを確保して、
大きなトレンドが変わったことを示しました。
さて、明日は週末の金曜日。
通常は4日も上げてきたので、
利益確定が優先されますが、今の日本市場は
意外な強さを発揮する可能性があります。
米国市場が依然強いこと、
抵抗になると思われた28,000円を軽く超えたこと、
米国の長期金利が落ち着き、インフレ圧力に対する反応が鈍くなったこと、
為替相場も110円前半で落ち着いていることを
考慮すると、ポジション調整ほどの下方圧力で
済む可能性もあります。
来週も強い動きを続く場合は、
利益確定が進んだ景気敏感業種の押し目を拾う
動きが優勢になるので、
金曜日の雇用統計、米国市場の結果をみてから
銘柄の物証に活かしましょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,543.51 +92.49(0.33%)
ドル・円
110.04 – 110.05 -0.35(-0.31%)
ユーロ・円
130.34 – 130.35 +0.02(0.01%)
ユーロ・ドル
1.1843 – 1.1845 +0.0038(0.32%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,312.53 -48.20(-0.13%)
S&P500種
4,524.09 +1.41(0.03%)
ナスダック
15,309.381 +50.146(0.32%)
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