2020年1月27日の東京株式市場は大幅に下落しました。
終値は前営業日比483円67銭(2.03%)安の2万3343円51銭でした。
新型肺炎の懸念が世界中に広がり、米国市場が下落、
春節でアジア市場が休場になっている中、
日本市場に売りが集中、500円以上の下げ幅まで進みました。
500円超えの下落は避けたものの、国内でも患者は拡大傾向をみせており、
懸念は収まる気配をみせません。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は4営業日続落して、
前営業日比170ドル36セント(0.6%)安の2万8989ドル73セント、
ナスダック総合株価指数は反落して
前営業日比87.566ポイント(0.9%)安の9314.912で取引を終えました。
新型肺炎の懸念が世界に広がっています。
米国内で2名の患者が確認され、
中国でも拡大を見せると投資家心理が悪化しました。
観光業および中国関連とされる銘柄への売りが続き、
債券市場では米国債が買われ、長期金利が低下、
金融銘柄にも売りが広がりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は新型肺炎の影響とともに
春節の期間中開いている市場であるがゆえに
外国人投資家の売りが集中したことで
2020年入っての最大の下げ幅を記録しました。
中国政府は新型肺炎の拡大を受け
海外旅行の中止を命じ、日本ではインバウンド関連の
銘柄に大幅な下落が見られました。
その他、中東の情勢が再び緊迫化するなど
地政学リスクの高まりも加わり、
下げ幅は500円を超える場面もありました。
商いは5営業日ぶりに2兆円を回復、
東証1部の売買代金は概算で2兆1772億円、
売買高は11億8046万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1961で9割が下落、
値上がりは166、変わらずは32銘柄でした。
日経の日足は上下ひげを持つ陰線を形成しました。
下向きのギャップを空け、
節目となる25日線も始値から割り込みました。
安値では75日移動平均線とボリンジャーバンドの-2σが意識され
下げ止まった形になりましたが
世界的なリスク要因の拡大を受け、
75日線を保つことができるかが焦点になります。
75日線および1/8の安値を切り下げると
投資家心理はより悪化するので注意が必要です。
明日はまず下げ止まりを見せてくれるのか、確認です。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日本市場はトリプルパンチを朝から浴びたことになりました。
米国市場の下落、春節でアジア市場が休場、
懸念が広がることによる円高の進行。
日経同様、本日のドル/円チャートを開いたFXトレーダーの皆様は
驚愕するような動きになったのではないでしょうか。
国内だけでは対処できないこのような世界的懸念事項では
市場が不安定になるのは当然として
自分の戦略が下手なのか上手なのかを論じる場合ではありません。
買いで入った銘柄がロスカットになることは
「被害を被った」と受け止めるより
より大きな損失になる前に止めてくれた、と捉えるのが
今後のトレードのためにも有用でしょう。
円高の進行、中国発の世界経済の影響が懸念されることから
インバウンド関連(小売が代表的、観光、レジュー関連ももちろん)、
中国関連(資生堂が代表的)の買い向かいは気をつけてください。
「割安まできた」と判断するにはまだ早いでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
23,343.51 -483.67(-2.03%)
ドル・円
109.06 – 109.07 -0.48(-0.43%)
ユーロ・円
120.33 – 120.34 -0.71(-0.58%)
ユーロ・ドル
1.1032 – 1.1035 -0.0018(-0.16%)
NYダウ工業株30種(ドル)
28,989.73 -170.36(-0.58%)
S&P500種
3,295.47 -30.07(-0.90%)
ナスダック
9,314.912 -87.566(-0.93%)
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