2020年3月9日の東京株式市場は大幅に続落しました。
終値は前営業日比1,050円99銭(5.07%)安の1万9698円76銭でした。
米国市場の続落を受け、売りが先行してスタート、
為替市場で101円台まで円高が進むと
下げ幅を拡大、1,000円を超える下げ幅で、
1年2カ月ぶりに心理的に支えになる節目の
2万円を下回って引けました。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は続落して、
前営業日比256ドル50セント(1.0%)安の2万5864ドル78セント、
ナスダック総合株価指数も続落して
前営業日比162.977ポイント(1.9%)安の8575.618で取引を終えました。
新型コロナの拡散が止まる気配がないことで
投資家心理が悪化しました。
下げ幅は894ドルまで広がる場面がありました。
雇用統計の結果は市場予想を大きく上回る
27万人の増加でしたが、
市場を好転させる力はなく、下げ幅を縮小させたのは
売り高の持ちを調整する買い戻しでした。
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【日本市場の動向】
日本市場は新型コロナの影響で続落した
米国市場の流れとともに
週末の間に進んだ円高の影響を受けて大きく
売りが先行してスタートしました。
寄り付きから20,000円を割り込み、
円高が101円台まで進むと
大きく売りが進み、1276円68銭(6.15%)安の
1万9473円07銭で午前の取引を終えました。
午後に入ってから下げ幅を縮小させる場面もありましたが、
原油安までのしかかかると
下値を強く切り上げる動きは見られず、
大きな下げ幅のまま取引を終えました。
日経の日足は下向きのギャップを持つ
大陰線を形成しました。
1/17までの上昇相場がスタートした
2019年8月6日の安値も割り込み、
すべての上げ幅を返上しました。
残されたのは2018年12月25日の安値、
ここまで進むと20,000円は抵抗に変わってしまいます。
一回抵抗に変わった大台は強力に働くので
これ以上進む前に切り返しを試すかが
確認ポイントになります。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
多くの市場関係者は先週末の下落が
セーリングクライマックスとみていました。
もちろん、これ以上下げないで欲しいという
期待も入ってのことです。
しかし、3桁の下落でスタートした相場は
まともな戻りも試すことなく、
あっさりと2万円台を渡してしまいました。
「理性を失ったとしかいいようがない。」
ある市場関係者のコメントでしたが、
経済活動を行うすべての個人は完璧に合理的であるという
古典経済学の前提が成立しない世の中では
理性を失った大勢が向かう方向に動くのが当然の原理です。
難しい舵取りを責められた日銀に残されたのは
マイナス金利の深掘り。
実際に発動されると地方銀行にとっては死活問題となりますので、
金融系、特に地銀を保持している方は注意が必要でしょう。
追い討ちをかける気持ちはないので
あえて「空売りですよ」と付け加える気はありませんが、
この1ヶ月に渡って言ってきたことに変更はありません。
買いを入れる場面もまだ見当たりません。
東証1部の売買代金は概算で3兆4646億円、
売買高は25億1847万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は2138、
値上がりは22銘柄、変わらずは3銘柄でした。
値下がり銘柄数全体の98.8%、
過去最多を記録しました。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
19,698.76 -1,050.99(-5.07%)
ドル・円
102.82 – 102.83 -2.97(-2.80%)
ユーロ・円
117.10 – 117.14 -1.75(-1.47%)
ユーロ・ドル
1.1389 – 1.1392 +0.0155(1.37%)
NYダウ工業株30種(ドル)
25,864.78 -256.50(-0.98%)
S&P500種
2,972.37 -51.57(-1.70%)
ナスダック
8,575.618 -162.977(-1.86%)
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