2020年3月12日の東京株式市場は大幅に続落しました。
終値は前営業日比856円43銭(4.41%)安の1万8559円63銭でした。
2018年12月の安値を割り込み、2017年4月20日以来約3年ぶりの安値を
記録するなど弱気相場が続きました。
政策期待から大きく上昇した米国市場が一転、
政策の中身が不透明ということで大幅に下落しました。
流れを引き継いだ日本市場は円高も進んだことが加わり、
大きな続落を余儀無くされました。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は大幅に反落しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に反落して、
前営業日比1464ドル94セント(5.9%)安の2万3553ドル22セント、
ナスダック総合株価指数も大幅に反落して
前営業日比392.202ポイント(4.7%)安の7952.051で取引を終えました。
前日はトランプ政権の
景気刺激策への期待から急反発しましたが、
実現性への不透明感が嫌気され、日本などの主要市場が下落、
米国市場も大きな下落に進みました。
世界保健機関(WHO)が新型コロナについて今更ながら
「パンデミックに相当する」と表明したことも
景気への悪影響が懸念され売りが進みました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日の米国市場が大幅な下落に追い込まれたことを
背景に、大きく売りが先行してスタートしました。
トランプ氏の景気支援策で関する演説は
むしろ失望感を招き、下げが止まらず、
午前中は1,003円の下げ幅を記録しました。
今年4回目の1,000円台下落で、
午後に入ると戻りを試す動きも少しは見られましたが、
海外勢による先物への売りが継続したことも
下げ止まりを見せずに下落した要因となりました。
ファーストリテイリング、キーエンス、アドバンテストなどの
主要銘柄が5%を超える下落、
33業種すべてが下落する全面安の展開でした。
日経の日足は前日の迷いの形から、
大きく下離れした陰線を形成しました。
2018年12月25日の安値も割り込み、
心理的な支えも崩れたので、
市場はパニックに近い状態です。
ほとんどのオシレーター系指標は
売られ過ぎのサインを出していますが、
今のタイミングではトレンド系指標に従うのが有効な線略でしょう。
まだ下げ止まりは見えてないので、
空売りは保持、買いは控えるようにしましょう。
東証1部の売買代金は概算で3兆7853億円、
売買高は25億8352万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は2117、
値上がりは39、変わらずは9銘柄でした。
値上がり22を記録した3/10の記録まで行きませんでしたが、
今年2番目の少なさです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
WHOからパンデミックの宣言が出ました。
今更?という気持ちは残りますが、
これからでも拡散の防止に世界レベルでの
協力体制が組まれることを期待したいところです。
市場にとってはパニックに近い状態に陥りました。
ある意味、当然といえば当然で
再選で焦るトランプ氏が行った演説は
火に油を注ぐ役割しか果たしませんでした。
日本国内を直撃しているのは
パンデミックという要因により引き起こされる円高で
前日は105円まで戻しましたが、本日は再び103円台に突入しました。
もう一つは、街中に漂うオリンピック中止 or 延期です。
高官の発言で現実味を浴びてきたことが
景気への影響を一段と懸念させています。
まともな線略というよりは
空売りを保持している場合はそのまま、
新たな買いは心の中に留めておいて、
という行動だけに集中する時間帯です。
もう一度強調しますが、
今は「底値で安く買える銘柄を買う」タイミングではありません。
底値が作られたという証拠はどこにもないからです。
空売りも買いも持ってないという場合は
焦る必要はなく、健康管理にだけ集中してください。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
19,416.06 -451.06(-2.27%)
ドル・円
105.04 – 105.05 +1.20(1.15%)
ユーロ・円
118.94 – 118.98 +0.76(0.64%)
ユーロ・ドル
1.1324 – 1.1327 -0.0057(-0.50%)
NYダウ工業株30種(ドル)
25,018.16 +1,167.14(4.89%)
S&P500種
2,882.23 +135.67(4.93%)
ナスダック
8,344.253 +393.577(4.95%)
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