2020年3月17日の東京株式市場は小幅に反発しました。
終値は前営業日比9円49銭(0.06%)高の1万7011円53銭でした。
過去最大の下げ幅記録を更新した米国市場の
動きを引き継ぎ、売りが先行してスタート、
その後は下げ幅を縮小させ続ける動きでした。
主要銘柄に年金筋の買いが入ったとの観測や、
日銀のETFが期待され、小幅の上昇を記録しましたが、
不安定性はまだ残ります。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は週末に大幅に下落しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に下落して、
前営業日比2997ドル10セント(12.9%)安の2万0188ドル52セント、
ナスダック総合株価指数も大幅に下落して
前営業日比970.283ポイント(12.3%)安の6904.592で取引を終えました。
下げ幅は12日の2352ドルを上回り、
過去最大を記録しました。
新型コロナ感染の最悪期が「8月まで延びる可能性」、
「景気は後退に向かっている」など、
トランプ氏の発言が投資家心理を悪化させました。
下げ幅は一時3,000ドルを超え、
VIX紙数も不安心理の目安とされる20を4倍以上上回る
83超えまで伸びました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日の米国市場が過去最大の下げ幅を記録したことを受け、
大きく売りが先行してスタート、
下げ幅が620円を超える場面もありました。
一部の主力銘柄に年金筋の買いが入っているとの観測と、
前日、ETF買い入れの強化を発表した日銀への期待などから
上昇に転じ、大きく上昇する場面もあり、
市場はまだ方向感の定まる動きを見せませんでした。
水産、陸運、などの内需系の業種が物色され、
前日大きく反発した空運業は比較的に
動きが鈍くなりました。
日経の日足は長い上下ヒゲを持つ短陽線を形成しました。
下げる時は3/13の安値まで切り下げ、
市場がパニックに近い状態にあることを示しましたが、
開き直りのように切り返し、
前日の始値付近まで上昇する大躍進、
その後は再び下落に転じるなど
変動幅1,200円に達する大混戦でした。
下げ止まり感を出しつつも、再び安値を切り下げてしまうことは
神経質的な反応が続くサインなので、
当分は短期で利益を確定していく戦略が有効でしょう。
東証1部の売買代金は概算で3兆3191億円、
売買高は23億4569万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1098、
値上がりは1019、変わらずは49でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日の戦略では「この混乱ぶりが続く間は、
リバウンド時の買い銘柄の物色に
時間を割いてください。」と解説しました。
市場の関係者や一部の個人投資家は
1週間前から「どうみてもオーバーシュート(売られ過ぎ)」、
「今が安く買い時」などと騒いでいましたが、
その時に買いを入れてからの結果は厳しいものがあります。
本日の下げ止まり、プラス圏での引けは
意味のある動きと評価できます。
米国市場の最大下げ幅を抱えての出発から、
なんとかプラスで引けたというだけでも
セリングクライマックスがきているという感じがあります。
市場のあちらこちらから囁かれているように
リバウンド狙いの買いを考える時ではありますが、
大きな資金を注ぎ込んで全力買いをする場面ではありません。
注目業種は上昇率で首位に立つマザーズ、業種はバイオ関連、
また5G関連です。
5G関連では本日の戦略メルマガでも取り上げているので
チェックしてみてください。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
17,011.53 +9.49(0.06%)
ドル・円
106.87 – 106.88 +0.28(0.26%)
ユーロ・円
118.28 – 118.32 -0.85(-0.71%)
ユーロ・ドル
1.1068 – 1.1071 -0.0108(-0.96%)
NYダウ工業株30種(ドル)
20,188.52 -2,997.10(-12.92%)
S&P500種
2,386.13 -324.89(-11.98%)
ナスダック
6,904.592 -970.283(-12.32%)
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