2020年5月18日の東京株式市場は続伸しました。
終値は前営業日比96円26銭(0.48%)高の2万0133円73銭でした。
米国市場は米中対立の深化に対する警戒から売りが優勢でしたが、
予想を上回る経済指標を背景に小幅の上昇、
日本市場は国内の経済活動への期待から買いが進みました。
続伸はしたものの薄い商いの中、懸念材料も残っていますが、
今週は下を20,000円で固めてくれるのか、注目が集まります。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は小幅に続伸して、
前営業日比60ドル08セント(0.3%)高の2万3685ドル42セント、
ナスダック総合株価指数も続伸して
前営業日比70.84ポイント(0.8%)高の9014.56で取引を終えました。
4月の消費者態度指数が市場予想を上回り、
5月の製造業景況指数も弱い水準ではあるものの
4月より改善したことが確認されると
買いが優勢になりました。
トランプ氏が中国への批判を継続していることや
ファーウェイの輸出制限などは
悪材料として朝方は200ドルを超える売りが出る場面もありました。
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【日本市場の動向】
日本市場は国内の好材料と
外部の悪材料が拮抗する動きの中、
小幅の上昇を続けました。
米国市場が週末下げたこと、
米中関係の悪化懸念は市場を押し下げましたが、
新型コロナウィルスの国内感染者数の
減少が好材料になり、市場を支えました。
上昇はしたものの、米中関係の悪化懸念は根強く、
市場は一時的にマイナスに沈む場面もありました。
リスクの増幅を受けて、水産・農林業、
情報・通信業、食料品、小売など
内需・ディフェンシブ系に買いが集中しました。
一方、鉄鋼、空運業、電気機器などの
景気敏感セクターには売りが出ました。
日経の日足は短い実体を持つ
短陽線を形成しました。
先週末から高値は切り下げて、安値は切り上げたので、
形では持ち合いです。
1日の変動幅がだんだん小さくなり、
商いも薄くなっていることから、
参加者が少なく市場に積極的に参加する
要因がなかなか見当たりません。
ただ安値では20,000円が意識されて、
止まってから戻す動きを繰り返しているので、
今週はこの動きを継続した上で、
上に抜けていくと相場の力はより強くなるでしょう
商いはさらに薄くなり、2兆円割れ直前まで進みました。
東証1部の売買代金は概算で2兆37億円、
売買高は12億1082万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1251、
値下がりは844銘柄、変わらずは76銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
先週末は「2万円をキープする動きも活発になり、
19,500-20,500円を挟んでの動きになると予想」、
「トランプ氏が強い言動を継続するので
十分警戒する必要あり」と解説しました。
また、「内需・ディフェンシブ銘柄に
注目があつまるので、
週末の間に物色しておくのもよいでしょう。」とも解説して、
本日の業種別指数はまさにその通りでした。
2万500円まではいきませんでしたが、
20,200円から19,999円まで狭い範囲の中で
動く様子見の市場でした。
本日の注目を集めたのは1~3月期のGDP速報値、
市場予想の平均値-4.8%に対して年率-3.4%と
予想を上回る結果で、金融市場への影響は限定的でしたが、
油断はまだできません。
経済活動の停滞が本格的に反映されるのは
4-6期のGDPで、年率換算でマイナス20%前後と
予想する見方が多く、実際の数字がどれだけ
乖離するかによって市場への影響が大きくなりそうです。
低金利基調を背景に、2020年に入ってから
新設住宅着工号数、首都圏・近畿圏のマンション契約率ともに
上向いていましたが、個人消費の減退が堅調に見られると同時に
オフィス市場の受給バランスも懸念材料に入ることから
今後は不動産市場への影響が大きくなってくることが予想されます。
不動産関連銘柄には警戒すると同時に、
REIT指数の横ばい傾向も下に振れた場合は、
2番底を作りに行くリスクが高まるので警戒が必要でしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
20,133.73 +96.26(0.48%)
ドル・円
107.28 – 107.29 +0.19(0.17%)
ユーロ・円
115.92 – 115.93 +0.10(0.08%)
ユーロ・ドル
1.0804 – 1.0806 -0.0011(-0.10%)
NYダウ工業株30種(ドル)
23,685.42 +60.08(0.25%)
S&P500種
2,863.70 +11.20(0.39%)
ナスダック
9,014.560 +70.839(0.79%)
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