2020年8月31日の東京株式市場は4営業日ぶりに反発しました。
終値は前営業日比257円11銭(1.12%)高の2万3139円76銭でした。
先週末はFRBが2%を上回るインフレ率を目指す政策を
表明したことで、米国市場が上昇、
日本市場も買いが先行してスタートしました。
バフェット氏の商社株5%超ニュースが伝わり、商社株が買われると
上げ幅は459円に達する場面もありましたが、
午後に入って利益確定が進んだことを要因に縮小して取引を終えました。
本日も最後までしっかりお読み下さい。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸と反発で上昇しました。
ダウ工業株30種平均は続伸して、
前営業日比161ドル60セント(0.6%)高の2万8653ドル87セント、
ナスダック総合株価指数は反発して
前営業日比70.30ポイント(0.6%)高の1万1695.63で取引を終えました。
FRBが2%を上回るインフレ率を目指す政策を
表明したことで、債券市場から株式市場に資金が流入、
ダウ指数は昨年末終値を上回るところまで上昇しました。
米国の低金利基調が長期化するとの見方が広がったことで
ドル安・円高の傾向が進んだことも
上昇の要因になりましたが、上昇幅は限定的な範囲でした。
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【日本市場の動向】
日本市場は政策の継続性に期待がありまり、
反発しました。
安倍晋三首相の政策路線を変えないと期待される
菅義偉官房長官が自民党総裁選に出馬することを
検討していると伝わると、
市場は好意的に反応しました。
ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハザウェイが
日本の5大商社の株式を5%超取得したことが、
明らかになると商社株を筆頭に大きく上昇、
上げ幅が一時459円に達する場面もありました。
先週の変動幅に加えて、本日の変動も激しく、
早速利益確定の売りがでたことで
上げ幅を200円台にまで縮小させて取引は終わりました。
利益確定幅の大きかった保険、情報・通信
2業種のみが下落、
その他31業種が上昇しました。
日経の日足は長い上ひげを持つ陰線を形成しました。
高値は切り下げ、安値は切り上げたので、
形では持ち合いになりました。
先週末の激しい動きは一旦止まって、
切り返しの準備に入った動きにはなりましたが、
まだ上昇トレンドに転換したとは言えず、
本日の高値と金曜日の高値を上に抜けてくることによって
上昇に戻ったことを確認することができます。
明日の動き次第では短いボックスを形成して、
上下変動する変動性の高い相場になるとの
先週の予想がそのまま現れる可能性もあります。
東証1部の売買代金は概算で2兆3508億円、
売買高は13億4148万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1605、
値下がりは492、変わらずは74銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
本日は「バフェット・菅」相場でした。
バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが
5大商社の5%超を取得したことを明かしたことで、
関連銘柄がすべて上昇、
バフェット氏の力をもう一度知ることができた相場でした。
一方、以前、携帯電話料金の大幅な引き下げを
迫った菅氏が「自民党総裁」というシナリオが見えてくることで
KDDI, ソフトバンク、NTTドコモなどの
通信系は売られる展開となりました。
消費者にとって「使い道もわからん5Gうんねんより
値段下げてほしいねん」(大阪の街角でのインタビューより)が
本音という側面もありますが、
5Gは今年の市場で期待されているテーマで、
国際競争力もかかっている問題なので、
影響が波及してくることは警戒すべきです。
また、「菅自民党総裁」という構図が
早くも定着する場合は
神経質に動くという今週の予想は
意外と早く落ち着いてくる可能性もあります。
どちらにしても意外な変動というのは常に付き纏うので、
今週は慎重に様子見をするというスタンスでもよいでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
23,139.76 +257.11(1.12%)
ドル・円
105.92 – 105.93 -0.14(-0.13%)
ユーロ・円
126.37 – 126.39 +0.25(0.19%)
ユーロ・ドル
1.1930 – 1.1932 +0.0039(0.32%)
NYダウ工業株30種(ドル)
28,653.87 +161.60(0.56%)
S&P500種
3,508.01 +23.46(0.67%)
ナスダック
11,695.633 +70.296(0.60%)
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