2019年7月16日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比150円65銭(0.69%)安の2万1535円25銭で終えました。
米国市場が連日で史上最高値を更新する中、
円高リスクが顕在化してきた日本市場は3桁の下げを見せました。
円高による下落の中でも自動車セクターが上昇率1位を記録するなど、
材料が出た銘柄には買いが向かうので、投資意欲はまだ残っていると考えてよいでしょう。
本日も最後までしっかりお読みください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は4日続伸して、
前営業日比27ドル13セント(0.1%)高の2万7359ドル16セント、
ナスダック総合株価指数は2日続伸して
前営業日比14.041ポイント(0.2%)高の8258.185で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均は先週2万7000ドルを超えてから
3日続けて史上最高値を更新しています。
ナスダック総合株価指数も連日で史上最高値の更新で
米国市場の好調ぶりが目立ちます。
長期金利の低下で主要な金融銘柄が売られるほか、
運行再開の目処が立ちにくいボーリングが下げて
マイナスになる場面もありましたが、
利下げへの期待が継続して市場は好調な動きを続けました。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の動向】
日本市場は先週と同じ流れで、
史上最高値を連日更新する米国市場の流れを
引き継ぐことができず、円高に抑えられました。
利下げ観測が強まり、現実味を浴びる中で
ドル安・円高リスクが顕在化、
輸出関連銘柄を中心に売りが広がりました。
加えて、市場を支えてきた内需関連銘柄にも
利益確定およびポジションを調整する売りが出ることで下げ幅を広げました。
電気・ガス、陸運業、建設などの下げが市場を圧迫、
不動産、食料品、小売などの内需全般がさえない動きになりました。
商いは10日連続で2兆円を割り込みました。
東証1部の売買代金は概算で1兆7423億円、
売買高は10億4065万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1302、
値上がりは752、変わらずは96でした。
日経の日足は下ヒゲを持つ陰線を形成しました。
高値と安値切り下げ、実体が先週末の実体から離れる
ギャップを形成することで、下げを明確な形で示しました。
また実体が200日線をまたがり、75日線上で停滞する
動きの継続になっているので、方向感が定まらない状況に
変わりはありません。
方向感のない中でも25日線が上向きで75日線に近づき、
ゴールデンクロス間近なので、
ここからさらに下げても25日線と75日線が重なるところでは
支えられやすくなり、実際に支えられるかが確認ポイントです。
先週末は「商いが増えってこない限り、
来週は現在の高値レベルを上抜く前に
抵抗にあいそうな流れです。」と解説、
予想の通りなので、慌てる必要でしょう。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
売買代金が2兆円を下回る低調ぶりが10日続きました。
10日以上を連続で下回る動きになったのは
2016年10月3日から19日の12営業日に渡る下落以来で、
2年9ヶ月ぶりの投資家マインド収縮と言えるでしょう。
米国市場が連日で史上最高値を更新するにも関わらず
ここまで抑えられるのは、本概況でも前から指摘している
円高リスクが要因で、実際にその動きは為替市場で現れています。
一方、円高局面で最も大きくダメージを受けるはずの
輸送用機器(自動車)関連が上昇率1位で
中国政府がハイブリッド車を優遇する検討を始めたと報じられたことを材料に
トヨタが大きく買われたことがセクター全体を盛り上げました。
その他、好調な業績を発表したパーソナグループなど、
材料のあった銘柄は素直に買われていくので、
個人投資家の態度は市場から遠ざかるのではなく、
まだ様子見をしながら選別の目を厳しくしていることだと思うことができます。
つまり、なんらかの起爆剤が入ってくると
大きく反転する可能性があるので、
米国と日本の業績動向は常にチェックしながら
準備された状態で待つことが必要です。
もちろん下に抜けるような「逆の起爆剤」もあり得るので、
その際は早く損切りをして出ていくなど
機動性が求められます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【各市場の動き】
日経平均(円)
21,535.25 -150.65(-0.69%)
ドル・円
107.93 – 107.94 -0.43(-0.39%)
ユーロ・円
121.26 – 121.30 -0.80(-0.65%)
NYダウ(ドル)
27,359.16 +27.13(0.09%)
ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。
http://www.tbladvisory.com/topics/